【ノルディックコンバインド】2023/2024シーズンを終えて 持ち味のジャンプで悩み続けた山本涼太選手 最終戦でつかんだ手応えに「いい形で終えられ、来シーズンにつながる」

チーム・協会
 ノルディックコンバインドのFISワールドカップ(W杯)は、3月24日のトロンヘイム大会(ノルウェー)で2023/2024シーズンが終了。約4カ月に及ぶ長い戦い終えた選手たちにシーズンを振り返って感じたこと、来シーズンに向けた思いを聞きました。

 2022/2023シーズンは表彰台に2度上がり、W杯初優勝の期待もかかる中シーズンを迎えたのが山本涼太選手(長野日野自動車SC)。昨季は前半ジャンプの総合成績1位の選手に与えられる「ベスト・ジャンパー・トロフィー」を獲得するなど、スペシャルジャンプの選手にも引けを取らないジャンプが最大の武器ですが、今季はその得意なはずのジャンプで悩み、リードを奪う展開に持ち込めず。それでも「何か吹っ切れた」最終戦ではジャンプで5位につけると、力強い走りでシーズンベストの7位でゴール。「来シーズンにつながる」と、最後の最後で手応えをつかんでシーズンを終えました。

山本涼太選手 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】

―12月のリレハンメル大会のジャンプは2位と3位。調子が上がってくるように思えたが

「リレハンメルで当たった感じはしたんですけど、それが定着しなかった。そのジャンプがいいと思っていたが、続けていくうちに右肩下がりになってきて、なんか感覚がおかしいな…となっていった」

―最終戦のジャンプについて

「課題だった助走の姿勢がだいぶ改善された。こうしたら飛んでいくんじゃないかという枠組みが見えた感じがした。最終戦なので何かが吹っ切れたんじゃないかな。いい意味で気持ちの緩みが出たのかも。やはり勝負ごとなので力が入りますし、いいジャンプをしなければという使命感のような、自分の中での決め事が邪魔になっていた部分もあると思うし、調子が悪いとどうしても硬さが出てしまう。最後のジャンプなのでそれがなかったと思う。決していいジャンプではないけれど、いいシーズンだったと思う。これがオリンピック、世界選手権のシーズンでなくて良かった。大きな大会に向けて調整ではなく、色々試すことができたシーズンだった。ここで崩れることによって来シーズン以降どうやっていくか、もう一度考え直させられるいい機会だったのではないかと思う。気持ち悪いというか、飛距離がなかなか伸びなかったり、良くなくても飛んでいったり(があった)。自分の飛距離と感覚が全て合ってこればいいのかな。なかなか難しいとは思いますけど」

―最終戦で手応えをつかんだ

「ここ数シーズンいい形で終わることができていなかったので来シーズンにつながる。去年はゴールすることが目的みたいになりグダグダだったので、この形で終われたことが嬉しい。これで来シーズンいいスタートが切れると思う。去年はやり直してから(スタート)だったが、このまま継続してやっていける」

―さらに上に行くために必要なこと

「まずは自分のジャンプに納得がいかないことが多かったので、シーズンに最低1回でも納得のいくジャンプを出せるように、そういう位置に作り上げること。いい集団で走り切ることが目標。集団の中でなくても走れるように。走力の課題は多いですけれど一つずつ取り組んでいきたい」
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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