【ラグビー/NTTリーグワン】踏み出した一歩目。未来を見据える若人二人が 緊張感漂う一戦の中で体感したモノ<浦安DR vs S愛知>

浦安D-Rocks 何松選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

マッチエピソード&記者会見レポート
浦安DR 57-20 S愛知


緊張感漂う戦いが始まった。ディビジョン2の1~3位順位決定戦の第1節では、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)が豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)を57対20で破った。

試合開始直後にS愛知が先制に成功し、前半7分までに10点のリードを得た。しかし、浦安DRは落ち着きを取り戻すと、フィジカルバトルを優位に進め、前半12分で逆転に成功。そのままリードを広げ、逃げ切った。

そしてこの試合では、浦安DRの何松健太郎と、S愛知の松岡大河がそれぞれファーストキャップを獲得した。松岡大河は先発フル出場を果たし、何松は前半26分から登場した。

試合後の両者の表情は対照的だった。敗れたS愛知の松岡大河は「全然納得いくプレーはできていないです」と肩を落とす。対する何松は、アタックの部分で課題を残したというが「ディフェンスでしっかり動けていた」と振り返る。「そこに走っただけ(笑)」と謙遜したが、後半3分には初トライも奪った。

両者の目に、ジャパンラグビー リーグワンという舞台はどう映ったのか。

「本当にラグビーに集中できる。恵まれた環境でラグビーができているなと感じています。プレー面ではやはりスピードやコンタクトの部分が(大学とは)全然違いました」(何松)

「思っていたとおりレベルが高かった。でも、まったく通用しなかったわけではないと思うので、これからもっと成長して、自分のやるべきことをやっていこうと思います」(松岡大河)

豊田自動織機シャトルズ愛知 松岡大河選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

二人は続けて、新たな目標についても語った。

何松は「プレータイムを増やすことやスタートから出るなど、そこに次はフォーカスしていきたいです。そのためには、コミュニケーション力と判断力が必要だと思います」と明確な目標を挙げた。

松岡大河は「僕自身が周りから信頼されなければいけないと思いました。『この人にボールを預けたらゲインやトライを取ってくれる』と思わせることが必要だなと思います」と未来を見据えた。

チームは違えど、同じ試合で一歩目を踏み出した何松と松岡大河。これからどのような歩みを進めていくのだろうか。

(齋藤弦)

【©ジャパンラグビーリーグワン】

浦安D-Rocks
ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ

「みなさん、こんにちは。まずは勝てたことに感謝をして、次のNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)戦はタフな試合になると思いますので、そこに向けて準備したいと思います。今日の試合の 一番良かった部分は、選手たちの適応力だと思います。豊田自動織機シャトルズ愛知さんが良いスタートを切って得点を重ねたあと、自分たちは落ち着いて良いラグビーをしたことがすごく良かった点だと思います。セットピースとアタックに関していくつか課題がありますが、全体的に自分たちは試合をとおして良いラグビーをすることができたと思います」

――この試合に向けての準備が成果として表れたところはどこでしょうか?
「たくさんの良いトライを作り出すことができたのは良かったと思います。流れるようなアタックをして、良い判断をすることによって、ターンオーバーやカウンターアタックのチャンスから、トライを作り出すことができたのは大きなプラスだったと思います。それに対して、自分たちが準備してきたセットピースの部分、特にラインアウトからのアタックは、計画どおりにいくことがあまりできていなかったので、そこの精度を上げていくことが必要だと思います」

浦安D-Rocks
飯沼蓮キャプテン

「今日はありがとうございました。ヨハン(・アッカーマン ヘッドコーチ)が言ったことがほとんどですが、前半のピンチを強いられた状況で、全員が落ち着いてコネクトして、一つになっていつもどおりの戦いをしたことで、しっかり自分たちのペースに持っていくことができたと思います。後半は点数が開くにつれて少しペナルティが増え、ゴール前で得点を取り急いだ場面もあったので、しっかり一貫性をもって次の試合に向けてやっていきたいと思います」

――次節は今季接戦を演じてきたGR東葛が相手になります。
「ここからやることを大きく変えることはないので、当たり前のことをどれだけ一貫性を持って、80分やり続けられるかが大事になってきます。そういった細かいところにこだわってやっていきたいと思います」

【©ジャパンラグビーリーグワン】

豊田自動織機シャトルズ愛知
徳野洋一ヘッドコーチ

「本日は素晴らしい天候の中で、ホスピタリティーあふれる浦安D-Rocksさんの環境作り、そしてたくさんのファンの方々、本当に素晴らしい雰囲気の中で試合をさせていただいたこと、チームを代表して感謝申し上げます。ありがとうございます。

結果については非常に残念です。少し点差が開いたものの、われわれは今日に向けて勝つイメージを持って準備してきたがゆえに、この結果は非常に残念だと思っています。ただ、順位決定戦は入替戦に向けての途中段階でもあるので、来週もう一度立ち上がって、格上の相手となるので、いい結果をつかみ取れるような準備をしていきたいと思っています。本日はありがとうございました」

――試合をとおして主導権を相手に握られた要因は何だったのでしょうか?
「前半は非常に素晴らしい入り方ができて、ここからゲームの主導権を握ることができるかなと思いましたが、ゲームの中で二人の選手がイエローカードを受けてしまったというところと、コリジョンの部分でプレッシャーを受けてしまったところ、この2点が要因かなと思っています」

――次節に向けて必要になることは何でしょうか?
「特にスペシャルなものをすることはなくて、今シーズンはここまで素晴らしい準備ができていると思っていますし、この1週間も決して悪い準備ではなかったです。特にリーダー陣が中心となってチームをドライブしてくれているので、この結果を踏まえて落ち込む選手はいないのではないかなと思います。選手自身がさらに成長していく、そういったエネルギーが増えていると思います」

豊田自動織機シャトルズ愛知
ジェームズ・ガスケル共同キャプテン

「徳野(洋一)ヘッドコーチが申したように、試合結果については残念です。浦安DRさんがとても良いパフォーマンスを発揮されたと思います。自分たちは来週のGR東葛戦に向けて、また大事な1週間が始まりますので、それに向かってチャレンジしていきたいと考えています。自分たちは何も失うものはない立場ですので、いい状態で試合に向かっていけるようにします」

――今季の過去の対戦での浦安DR戦と比べて、苦戦してしまったところはどこですか?
「まずはやはりシンビンの選手を二人出してしまって、14人の時間を20分も作ってしまったところは、この試合の大きな敗因になってしまったのかなと思います。そして、自分たちの大事な瞬間でミスをしてしまう、簡単にトライを与えてしまうなど、自分たちが本来であればコントロールできるところを修正できなかったので、そこが要因だと思います」
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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