【UFC】UFC 117でのアンデウソン・シウバ対チェール・ソネンの試合がUFC殿堂入りへ

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UFC 117:アンデウソン・シウバ vs. チェール・ソネン 【Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images】

2010年に行われたミドル級王者アンデウソン・シウバとチェール・ソネンの名勝負が、2024年UFC殿堂の試合部門に選ばれた。2024年UFC殿堂入りセレモニーは第12回UFCインターナショナルファイトウィークの一環として、日本時間6月28日(金)にT-Mobileアリーナで開催され、“UFC FIGHT PASS(UFCファイト・パス)”で独占ライブストリーミングされる。

UFCの会長兼CEOを務めるデイナ・ホワイトは次のようにコメントしている。

「アンデウソン・シウバとチェール・ソネンの初対決は見事だった。この試合はアンデウソンをスター選手へと押し上げ、チェールがこの階級の誰とでも戦えることを世界に知らしめた。この信じられないようなドッグファイトは、5ラウンドマッチのタイトル戦に求めるすべての要素を満たし、今夏にこの試合をUFCの殿堂に迎え入れることを光栄に思う」

2010年8月7日、カリフォルニア州オークランドのオラクル・アリーナで開催されたUFC 117のこの一戦を前に、シウバとソネンはそれぞれ12連勝と3連勝を記録していた。

28勝4敗(UFCでは11勝0敗)の戦績でUFCミドル級王者としてオクタゴンに登場したシウバは、のちにUFC殿堂入りを果たすフォレスト・グリフィン、リッチ・フランクリン、ダン・ヘンダーソン(試合部門)、元UFCウェルター級王者カルロス・ニュートン、元WECミドル級王者クリス・リーベン、元WECヘビー級王者ジェームス・アービン、元ストライクフォースのウェルター級王者ネイサン・マーコート、元修斗ウェルター級王者の桜井速人らを倒してきた。対するソネンは、元ストライクフォースのライトヘビー級王者ヘナート・ソブラル、元WECライトヘビー級王者ジェイソン・ランバート、元WECミドル級王者パウロ・フィリオ、元ストライクフォースのウェルター級王者ネイサン・マーコートに勝利するなど、26勝10敗1分(UFCとWECで7勝4敗)の戦績を持つミドル級のトップファイターとして試合に臨んでいる。

両選手は第1ラウンドからオクタゴン中央で打撃とキックの応酬による激しいスタートを切った。開始52秒、ソネンの左ストレートが炸裂してチャンピオンを驚かせ、シウバはケージに叩きつけられる。ソネンはシウバにプレッシャーをかけ始め、何度か打撃とテイクダウンを加えて試合のペースを掌握。第1ラウンド残り3分23秒の場面で、ソネンはシウバをテイクダウンしてマウントポジションを奪い、ハーフガードで動きをコントロールしながらトップポジションから打撃を打ち込み続けた。残り1分45秒となったところでソネンはフルガードに移り、第1ラウンド終了までシウバの上に乗ったままのポジションをキープ。ソネンはこのラウンドで31発の有効打を記録し、これはUFCのフルでの試合でシウバに与えた有効打数としてはどの対戦相手よりも多い。

第2ラウンド序盤からシウバは勢いよく打撃とキックを連発するも、再びソネンにテイクダウンされる。このラウンドもソネンはマウントポジションから完全に支配し、打撃とエルボーを打ち込んで主導権を握っており、シウバは下から時折反撃を試みる状態。残り15秒、シウバはフェンス際でキムラを狙うが、トップポジションからのソネンのカウンターに阻まれる。

第3ラウンド開始とともに両者はオクタゴン中央へと駆け、シウバの右オーバーハンドがすぐさまソネンに直撃。しかし、間合いを詰めたソネンが開始20秒でシウバからダウンを奪い、そこから試合を支配し続ける。ソネンはまたしてもグラウンドファイトでトップポジションからの打撃とエルボーによる容赦ない攻撃をシウバに与えた。

第4ラウンドにシウバは打撃、キック、エルボーを連打してソネンの虚をつき、ようやく主導権を手にする。互いに何度か打撃を交わした後、ラウンド開始30秒でシウバがソネンからダウンを奪った。残り4分の場面でソネンはレスリングの経験を生かしてリバーサルを決め、トップポジションを取り、トップコントロールからコンスタントに打撃とエルボーを繰り出した。

第5ラウンド開始のゴングとともに2人はオクタゴン中央で対峙。しばらく距離を探りながらの様子うかがいが続くも、ソネンが左オーバーハンドの渾身の一撃を決めてシウバをキャンバスに沈める。トップポジションを奪取したソネンは開始45秒でサイドチョークによってシウバのギブアップを狙うが、シウバがなんとかしのぎ切る。ソネンはグランドでの支配を譲らず、必死に抵抗するシウバに絶え間なく打撃を浴びせた。

試合の残り時間が2分5秒となったところで、シウバが仰向けの状態からの打撃で反撃開始。トライアングルアームバーでソネンを捕らえ、残り1分50秒でテクニカルノックアウトを決め、ミドル級王座の防衛に成功した。トライアングルアームバーによるサブミッションはUFC史上2度目で、試合の経過時間では当時2番目に遅いものだった。シウバは有効打数で60発の差をつけられながらもサブミッションを決めたことで、スタッツを基準とした場合、いまだにUFC史上最大の逆転勝利となっている。

ソネンがシウバ相手に叩き込んだ320発の打撃は、現在も4位につけるUFC記録を打ち立てた。シウバはそれまでの11試合で合計166回しか打撃を受けていなかった。

シウバはこの勝利によってUFCで12連勝を飾り、ホイス・グレイシーの持つUFC最長連勝記録を更新。この試合は“Fighters Only(ファイターズ・オンリー誌)”が主催するワールドMMAアワードのファイト・オブ・ザ・イヤーにも輝いている。

その後、シウバとソネンは続く2戦にそれぞれ連勝し、UFC 148のメインイベントで再戦を果たす。2度目の対戦はシウバが第2ラウンドでテクニカルノックアウト勝ちを収めた。
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