センバツ4強の中央学院・相馬監督 大阪体育大学大学院で投手の心理を研究「スポーツ心理学が今の指導に役立つ」

大阪体育大学
チーム・協会

センバツ4強の中央学院・相馬監督 大阪体育大学大学院で投手の心理を研究「スポーツ心理学が今の指導に役立つ」

 第96回選抜高校野球大会で大阪体育大学卒業・大学院博士前期課程修了の相馬幸樹監督(44)が率いる中央学院高校(千葉)が、30日の準決勝で初の決勝進出に挑む。
 相馬監督は1998年、市立船橋高校から体育学部体育学科に入学し、投手として阪神大学リーグ記録となる連続イニング無失点記録(64回3分の2)を達成。卒業後は社会人野球シダックスで野村克也監督の指導を受けた。現役引退後の2005年、大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科博士前期課程に入学。土屋裕睦教授(スポーツ心理学)の指導でスポーツ心理学を学び、修士(スポーツ科学)を取得。その後、中央学院高校の監督を務めている。

【大阪体育大学】

 土屋教授は、日本スポーツ心理学会理事長。公認心理師・スポーツメンタルトレーニング上級指導士として日本代表選手やプロスポーツチームの心理支援を実践しているほか、体罰などとは無縁なグッドコーチの育成に取り組み、「NO!スポハラ」活動の実行委員会委員を務めている。
 土屋教授は相馬さんについて「野球の心理学に関する研究に従事し、好奇心旺盛、信念をもってコツコツと努力するタイプだった」と話す。大学院での研究テーマは、「投手における心理状態尺度の開発とメンタルトレーニングへの応用」。土屋教授によると、論文は投手の心理状態を測定する新しい尺度(PSP)を開発し、それを用いて投手にメンタルコーチングを実践する内容だ。
 相馬さんは大学院時代、大阪体育大学野球部で投手コーチを務め、2006年の全日本大学選手権で優勝。当時、監督だった中野和彦ゼネラルマネジャーは「印象深いのは、投手陣に『マウンドに上がったらまず、自分が打たれた時に見つめて心を落ち着かせる場所を、スコアボードでもどこでもいいから探しなさい』と指導していたこと。大学院で得た知識を指導に活かしていた」と話す。「フォーカルポイント」という集中力の高め方だ。
 相馬監督は「大学院で学んだスポーツ心理学は、カウンセリングマインドを持ったコーチングなど、今のチームでの指導でもとても役立っている。大学の投手コーチとして全日本大学選手権で優勝した経験も大きい」と話している。
 なお、中央学院高校の福嶋翔平野球部長(34)も大阪体育大学体育学部スポーツ教育学科の卒業生。体大コンビで頂点をめざす。

相馬 【大阪体育大学】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント