代表ウィークを挟んで再開される明治安田J1リーグ。セレッソ大阪は、湘南ベルマーレをホームに迎え、3連勝を目指して明治安田J1第5節に挑む。

開幕からの2試合、セレッソは相手を上回る内容を披露しながら、いずれも引き分けに終わっていたが、前々節の東京ヴェルディ戦で今季初勝利を挙げると、前節は敵地でサガン鳥栖を2-0で撃破。連勝で順位も3位に上がった。もっとも、鳥栖戦では、前半は思うように攻守がハマらず苦しい展開も余儀なくされた。東京V戦も含め、相手の対策も進んでいる。それでも、そうした逆境も打破できる力が今季のチームには備わっている。うまくいかない展開でも焦れないメンタル、相手を見ながら試合を進めることができるインテリジェンス、さらにはベンチも含めたチーム全体の層の厚さが今季の武器であり、鳥栖戦でも、後半から入ったヴィトール ブエノが1得点1アシストで試合を決定付ける活躍を見せれば、柴山昌也も途中出場からファーストタッチでJ1初ゴール。「鳥栖の圧力が強く、苦しい立ち上がりでしたが、やるべきことを選手たちが徹底してくれて、徐々に自分たちのゲームプランになったことは成長を感じました」と指揮官もチームが見せたパフォーマンスに手応えを語る。中断期間は「個の強化」（小菊昭雄監督）に充てるとともに、チーム力のさらなる上積みも図った。負傷者も続々と戻り、新外国籍選手のジャスティン ハブナーも合流。「競争があってこその一人一人の成長、チームの成長」と指揮官もチーム内での競争力激化を歓迎する。

3連勝が懸かる今節。相手は前節、浦和レッズと4-4という激しい打ち合いの末に引き分けに終わった湘南。この試合では、新外国籍選手のルキアンと鈴木章斗、2人のストライカーがともに2得点を奪うなど、攻撃陣が爆発。中盤の池田昌生や田中聡も含め、どこからでもシュートを打ってくる積極性も光っていただけに、セレッソとしては自陣ゴール前ではしっかりと体を寄せ、フリーでシュートを打たせないようにしたい。攻撃では、前からマンツーマン気味に人を捕まえにくる相手に対し、どうプレスをはがして前進するかは今節のポイント。「相手の矢印、勢いをしっかり見ながらコントロールしたいですし、どの味方が浮いているか、全員で共有しながらボールを動かすことも大事。ピッチの中で、相手の隙をうまく見つけながらゲーム運びができればと思います」と話したのは登里享平だが、立ち位置でマークをずらして運びつつ、「ポケットへのロングボールも駆使しながら、相手の狙いを混乱させるような攻撃」（小菊監督）も繰り出していきたい。3トップにブエノが加わった攻撃には迫力があるだけに、彼らに生きたボールを配球し、相手のゴールに迫ることが重要だ。「強度の高い、スリリングな試合になる」（小菊監督）ことも予想されるだけに、球際の攻防やセカンドボール争い、攻守の切り替えでも相手を上回っていきたい。

中断期間もあったことで、「試合をするのが楽しみ」（登里）と、選手たちは今節を心待ちにしている。春の訪れとともに桜の開花も近づいてきた、ホーム・ヨドコウ桜スタジアムに集うサポーターとともに勝利を掴み、桜満開となる3連勝を達成したい。
（文=小田尚史）