【ラグビー/NTTリーグワン】夢見るはS愛知の日本一。異色のコーチ兼通訳は日本語と英語を駆使し選手と同じ夢を追いかける<豊田自動織機シャトルズ愛知>

豊田自動織機シャトルズ愛知 安井コーチ 【©ジャパンラグビーリーグワン】

昨年12月に幕を開けたNTT ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン2もリーグ戦は今週末で最終節を迎える。ここまで勝ち点29を積み上げた豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)は、パロマ瑞穂ラグビー場で日本製鉄釜石シーウェイブスと対戦する。

S愛知の試合前のウォーミングアップを見ると、ひと際若いコーチがホイッスルを持ち、指示を飛ばしている姿がある。コーチングコーディネーターと通訳を兼務する安井拳は現在30歳。その経歴は少し特殊だ。

幼いころに3年ほどオーストラリアに住んでいたという安井。帰国後は大阪府で過ごし、ラグビーに初めて触れたのは中学生のときだった。その後、大阪桐蔭高校に進学し、主にフランカーを担当。転機を迎えたのは大学進学時だった。

「親が『海外の大学でチャレンジしてもいいよ』と言ってくれて、ラグビーが盛んで英語も勉強できるオーストラリアの大学に進学しました」

オーストラリアでもプレーしていたが、主な目的は勉強にあったため卒業と同時に選手は引退。帰国して1年間は家業を手伝っていたものの、先輩に誘われ5年前にS愛知の通訳としてチームに加わった。

「最初はフォワード担当の通訳でしたが、そのあとにバックスの担当になりました。そのときに徳野(洋一)ヘッドコーチから『通訳だけではなくて、コーチ業にもかかわってみたらどうだ』と声を掛けてもらって、それがコーチを始めるきっかけになりました」

学生時代はフォワードが主戦場で、バックスの経験はほとんどなく、社会人ラグビーでのキャリアも積んでいない中での一大チャレンジ。「難しいながらも、徳野さんやトゥシ(・ピシ)アシスタントコーチのサポートを得ながら、できることをやっています」。

バックスのユニット練習や全体練習時に、日本語と英語を織り交ぜながら指導を行う。通訳時代の経験を生かして、コーチ陣の考えや思いを真っすぐ選手に伝えられるようになったという。

そんな安井の夢は「このチームが日本一になる姿を見ること」。S愛知は選手だけでなく、コーチ陣をはじめとしたスタッフも同じ夢を描いている。

(齋藤弦)
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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