南関東の重賞馬が佐賀に集結!はがくれ大賞典データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年はがくれ大賞典優勝グリードパルフェ 【撮影:佐賀県競馬組合】

第21回 はがくれ大賞典(地方全国交流、3歳以上、ダート2000m)
3月24日佐賀6レース 18時05分発走予定


今年は南関東と高知から実績馬が4頭参戦で、面白いメンバーが揃った。地方全国交流とあって、力比較の難しい一戦を、ここでは2013~24年の過去10年のデータを元に分析を行う。

7勝の兵庫所属馬は不在で、コース好相性の高知か

地方全国交流の一戦で、過去10年で兵庫(園田・姫路)が7勝と圧倒的な強さを見せる。ただし内訳はエイシンニシパ4勝、エーシンクリアー2勝、サウスウインド1勝で、同一馬による複数勝利が多い。
4勝を挙げるエイシンニシパは2022年12月の園田金盃5着後、骨折による長期休養に入り、ここで復帰を目指していたが、直前に出走を断念。そのため、今年は兵庫所属馬は不在となった。
そうなると注目したいのは、佐賀の馬場と好相性の高知所属馬で、過去10年を見ても3着内率50%。大井所属馬は23年メイショウワザシの1頭のみの出走ながら3着に入っている。今年は船橋からユアヒストリーが遠征するが、船橋所属馬は過去10年で出走馬はいなかった。

所属別成績 【表1】

1番人気の見極めが鍵を握る

勝ち馬は単勝4番人気以内に広く分布し、1番人気の3着内率60%は高いとは言えない。1番人気が4着以下に敗れた4回はいずれも単勝1倍台に推されての敗戦とあって、うち3回で3連単万馬券の波乱を引き起こした。特に20年は4番人気→2番人気→9番人気で3連単58万7040円の配当。
一方、1番人気が3着以内に入ると3連単平均配当は2668円と非常に堅く収まるため、1番人気の信頼度の見極めが重要だ。

単勝人気別成績 【表2】

先行・差し馬有利で、逃げは未勝利

舞台となるダート2000mは向正面の引き込み線から1周半のコース。向正面をいっぱいに使って先行争いができる。最も勝利を挙げるのは先行馬の8勝で、3着内率も44.4%。中距離戦では前半を自分のリズムで運ぶことができるため、差し馬も好成績を残す一方、逃げ馬は過去10年で未勝利に終わっている。

脚質別成績 【表3】

5番より外が好成績

馬番別では5番が4勝で3着内率50%。それより外の枠も比較的好成績で、真ん中より外の馬番がいいと言えるだろう。それにはコース形態も影響しており、向正面をいっぱいに使ってのポジション争いができるため、外目の枠だと取りたい位置を比較的狙いやすいと言える。

馬番別成績 【表4】

4歳~6歳が安定した走り

馬齢別では5歳馬が勝利数、3着内率ともに好成績を残す。9歳と高齢での勝利もあるが、これは当レース4勝を挙げるエイシンニシパでのもの。地方競馬は年齢を重ねても長く活躍する馬も多いが、3着内率としては4~6歳が高い値となっている。

馬齢別成績 【表5】

狙いは姫路・白鷺賞3着以内組

まずは大きな存在感を示す遠征馬についてローテーションを見てみると、姫路競馬場で行われる重賞・白鷺賞で3着以内に入った馬がここでも3着内率80%と非常に好相性。小回りコース、ダート2000m、西日本地区での開催など共通点が多く、結果も連動しやすい。
地元・佐賀所属馬では前走を佐賀2000mで勝っていることが一つの目安となるだろう。

ローテーション別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

① 高知所属馬
② 先行・差し馬
③ 5番より外枠
④ 4歳~6歳
⑤ 白鷺賞3着以内or前走が佐賀2000m勝ち
※1番人気馬の信頼度次第で、馬券の買い方・点数を検討すべし

グリードパルフェ(高知)は昨年覇者で、距離が延びるほどに強さを発揮するタイプ。今年は南関東から有力馬2頭が参戦するが、そのうちのセイカメテオポリスとは笠松・オグリキャップ記念(ダート2500m)でアタマ差の接戦を演じた。小回り適性があることに加え、半年近い休養明けだった前走・白鷺賞(5着)を使った上積みが期待できる。①②③に当てはまる。

ユアヒストリー(船橋)は昨春にJRAオープンから船橋に移籍し、移籍後は重賞を含め掲示板を外さぬ安定した走りを見せている。佐賀は初だが、同じく小回りコースの浦和・埼玉新聞栄冠賞3着の実績あり。南関東で強豪馬たちと互角に戦っており、長距離輸送はJRA時代に経験もある。なお、鞍上の澤田龍哉騎手(浦和)は少年時代、佐賀の調教師の下で約1カ月、騎手になるための特訓を受けた経験がある。②③④に当てはまる。

セイカメテオポリス(大井)は22年金沢・白山大賞典(JpnIII、ダート2100m)で4着など、ダートグレード競走でも上位争いを繰り広げる。2000m以上で特に好成績を残し、吉原寛人騎手(金沢、現在は高知で期間限定騎乗中)とのコンビもお馴染みだ。こちらも初の佐賀コースとなるが、②④に該当する。

トランセンデンス(高知)は浦和時代に羽田盃など重賞2勝を挙げた実績馬。昨秋に高知に移籍し、前走・白鷺賞では前の馬をしっかり捉えて2着だった。今回は浦和時代に5回の騎乗経験がある本橋孝太騎手(船橋)が手綱をとる。①④⑤に当てはまる。

地元馬では「前走が佐賀2000m勝ち」に当てはまる馬が今年はいないが、2走前に佐賀ダート2000mを勝ち、前走は佐賀記念(JpnIII、ダート2000m)で6着だったタガノファジョーロ、大井から移籍2戦目のサトノディードあたりか。

第21回はがくれ大賞典 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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