【ラグビー/NTTリーグワン】いまは“フィジカル一辺倒”ではない。 新たな一面を見せるクリスチャン・ラウイ<NECグリーンロケッツ東葛>

NECグリーンロケッツ東葛 クリスチャン・ラウイ選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

「久しぶりに良い試合ができました」

クリスチャン・ラウイはそう言って満面の笑みを浮かべた。

NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、先週の第8節・レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)戦の前半38分、クリスチャン・ラウイのパスを起点に尾又寛汰、アッシュ・ディクソンと素早くつなぎ、左サイドを鮮やかに切り崩した。そしてアッシュ・ディクソンからパスを受けたクリスチャン・ラウイはライン際を疾走し、今季自身初となるトライを決めた。

目を引いたプレーはトライだけではない。後半24分には絶妙なオフロードパスを小幡将己に通してチャンスを広げ、後半26分にもニック・フィップスの守備によってこぼれたボールをキャッチすると、右サイドへパスを展開してマリティノ・ネマニのトライをお膳立てした。

「大勢の人からは、フィジカルプレーは得意だけど、ゲームメークやパスは苦手だと見られていると思います。でもこれからのラグビー人生を考えたら、いろいろなプレーができるセンターにならなければいけないと思いました。この前の試合では『僕はこういうプレーもできるんだよ』というところを見せられたと思います」

昨季、クリスチャン・ラウイはディビジョン1のレギュラーシーズンで14試合に出場し、チーム最多タイとなる6トライを記録した。その反面、「トライは取れたけど、できないプレーがたくさんありました」と課題も感じていた。

今季の開幕当初はけがの影響もあり、調子が上がらなかった。試合のメンバーから外れることも多かった。その間は、バックス担当のポール・フィーニー コーチの下でスキルの強化に励んだ。

「自分はチームのために何ができるのだろうかと考えたときに、パスをうまくつなげたり、良いオフロードパスを出せたりできるようになれば、それは自分のためにもなるし、チームのためにもなると思いました」

フィジカルを前面に押し出したパワー一辺倒のプレーに、テクニカルな要素を身につけることで新たな自分を見いだす。進化を期したクリスチャン・ラウイの取り組みは、調子が向上するにしたがい、徐々に成果となって表れ始めた。

「以前はできなかったゲームメークやオフロードパスが、この前の試合ではできるようになりました。今季は試合に出られない時期もあったけど、RH大阪戦では練習してきたものを出せてうれしかったです」

しかもRH大阪戦では、レメキ ロマノ ラヴァを欠きながらGR東葛は9トライを奪う攻撃力を見せた。クリスチャン・ラウイは「自分自身も、チームも、成長している実感があります」と話す。

その自信を携えて、GR東葛は3月17日に、釜石鵜住居復興スタジアムで行われる日本製鉄釜石シーウェイブスとの一戦に臨む。

(鈴木潤)
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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