【ラグビー/NTTリーグワン】運命に導かれ、異色の道を歩む男。 確乎不動の竹内が見据える“3年後”<浦安D-Rocks>

浦安D-Rocks 竹内柊平選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

首位に立つ浦安D-Rocks(以下、浦安DR)が、2ポイント差で2位につける豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。上位争いの行方を大きく占う天王山だ。

昨秋、日本代表のジャージーを身にまとった屈強な男たちが、遠くフランスで激闘を繰り広げているとき、竹内柊平は浦安DRの合宿地である宮崎県にいた。ラグビーワールドカップ2023フランス大会の初戦・チリ戦の夜、地元のパブリックビューイングに宮崎県出身の選手としてゲストで登場。一度は選考のテーブルに乗りながらも本大会の舞台に立てなかった悔しさを押し殺し、盛り上がる会場で勝利を見届けた。

「地元の後輩がきていましたし、子どもたちがプロ選手とあまり触れ合う機会がないのは分かっていたので、そういう機会は大事にしないといけないと思っていました。ただ、内心はめちゃくちゃ悔しかったですよ。複雑でした。でも、『次はあの思いをしない』と心をあらためるいい機会になりましたね」

当時をこう振り返る竹内のラグビーとの出会いと歩みは面白い。小学5年生のときに赴任してきた先生が怖くて断れずに参加したラグビー体験会がきっかけで、中学時代には何度も辞めようと思ったが、それを伝えようと決心した日に限って監督が不在と、“たまたま”に導かれるようなラグビー人生を歩んできた。そして、高校も大学も「まったく強くない」無名校で続けたが、「高校の先生になる」という夢を抱き、社会人でプレーするつもりはなかった。

それでも、高校時代の恩師から「高校の先生はラグビー選手にチャレンジしたあとでもできる」と、大学の監督からも「ラグビー選手を経験してから先生になったほうがお前のしたい恩返しにつながる」と説得され、プロ選手の道に進むことを決断。それならば、日本代表を目指すと誓い、ナンバーエイトからプロップへの転向を図った。

気が付けばプロの世界に飛び込んで5年目となり、“失意の落選”から約5カ月半後の今年2月には、『男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿』のメンバーに選出され、「とてもモチベーションになりましたね」と刺激を受けて帰ってきた。

「『3年後のラグビーワールドカップに必ず出る』と、いまのゴールは明確です。どんなに遠回りしてもいいけど、絶対にそこにたどり着けるようにベクトルを自分に向けてやっていきたいです」

ここから3年間の道のりでいろいろな困難は絶対にある。うまくいかない時期も、自分ではどうしようもできない出来事にもぶつかるだろう。ただ、そのたびに竹内はそれらを原動力に変えていく。座右の銘である『確乎不動』の精神で、竹内は一歩ずつ前へ進んでいく。

(須賀大輔)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント