【ノルディックコンバインド】「抜群に滑るスキー」で4選手全員が順位を上げてゴール 高速集団の渡部暁斗選手、山本涼太選手はシーズンベストの走り

チーム・協会
ノルディックコンバインドのFISワールドカップは今季最後の第4ピリオドの初戦、ラハティ大会(フィンランド)が3月2、3日に開催されました。

2日に行われた2人1組のチームスプリントは山本涼太選手(長野日野自動車SC)と渡部暁斗選手(北野建設)の組が12位、木村幸大選手(中央大学)と山本侑弥選手(早稲田大学)の組が18位でした。

どちらの組もクロスカントリーで順位を落とす結果となりましたが、翌3日の個人戦では「抜群に滑るスキー」が当たり、全4選手が10kmレースで順位を上げてゴールしました。

渡部暁斗選手は走力なら5本の指に入るクロカン猛者らと高速レースを展開すると、今季最高となる全体4位のタイムをマーク。前半ジャンプ30位から17位まで順位を上げました。
調子が上向いていることに「手応えがある」と話すジャンプでは、試合前の試技で条件も味方にK点を10メートル以上超えて8位につけたものの、本番では条件に恵まれず。「最近は本番でいい風をもらえていない」と少し悔しそうにしつつ、「日頃の行いに何かあるんでしょうね…」と苦笑い。4勝を挙げている次のオスロ大会で猛烈な向かい風が吹くことを願うのみです。

山本涼太選手はラスト1周まで暁斗選手らの高速集団に食らいつくと、クロスカントリーをシーズンベストの14位のタイムで走り、順位を3つ上げてゴール。
シーズン中の風邪の影響で不完全燃焼のままシーズン終了を迎えていたこれまでとは違い、今季は「今が一番元気」と、まだまだ余力がありそう。「血を吐く」くらいの勢いでシーズン最終盤に臨みます。


17位:渡部暁斗
「試技は風もジャンプも良かった。全て噛み合ってくれるとああいうジャンプができる手応えがありながら、最近は本番で上手く(風が)もらえていない。日頃の行いが何かあるんでしょうね。走りは問題ないとずっと言っていて、この走りを生かせないジャンプになっているのが悔やまれる。試技のようなジャンプをしたかった。ジャンプが飛べればきっといい結果に結びつくという手応えがある。なかなか上手くいかない中で最低限、いい走りが出来たのでそこは評価できる。コースに塩を撒いてガリガリにしてあったので、前日と違ってすごいスピードレースになり、集団の中で走りやすかった。今日は板が抜群に滑っていた。いい走りが続けられていることはポジティブな気持ちを持ち続けられる一つの要因。そのポジティブな気持ちをいい形でジャンプに表現できればいい。オスロは相性もいいので、ぜひいい結果につなげたい」

渡部暁斗選手 【【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】】

22位:山本涼太
「ジャンプはもう少し距離が欲しかった。風が強くて上手くいけばそれに乗って行けるような状況だったが、乗り切れなかったのは自分のジャンプに問題があるから。全く戦えていないわけではないが、もどかしい状況が続いていて悔しい。シーズン中に風邪をひいたもののいい状態で来ているので、今は一番元気がある。シーズン最後の最後でどこまで満足してやれるか。いつもは風邪をひいて全然走れなかったな…でシーズンが終わってしまうけれど、それがなくなりそうな感じがする。最後の最後まで血を吐きながらじゃないですけど、最後まで追い込めるようにやっていければいいなと思う」

34位(=シーズン最高位):木村幸大
「今日はスキー板が滑ったので良かった。走る方は本当に状態がいいのでジャンプが残念です。やっぱりこの難しさがコンバインドだなと…。クロスカントリーは速い人について行って勝てるようにと思って走っている。走りのモチベーションは大丈夫。ジャンプでもっといい位置につけられると総合順位ももっと上げられる。あと2大会頑張ります」

44位:山本侑弥
「今季のレースの中では一番上手く走れたかな。まずまずだった。スキーが滑ってくれたので集団に楽について行けた。あとは、少しずつ調子が良くなってきているなとも思う。今シーズンは今までで一番いい状態でワールドカップに来ることができたと思っていたが、それ以上に世界のレベルが上がっていた。シーズン前に想定していた成績よりはるか下で自分がすごく甘かったと感じている。転戦中に修正できるところもあるが、自分の癖が修正の邪魔をしてしまい上手くいかなかったりする。残り2大会、続けられること、上げていけるところはしっかりやっていきたい」

ワールドカップ次戦は3月7日から10日にオスロで女子1試合、男子2試合が行われます。
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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