初のディフェンディングで臨む吉本ひかるのリスタート

チーム・協会

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 土佐カントリークラブ(高知県)

 「やっぱりいい思い出はありますね」。昨年の今大会でプレーオフの末、ツアー初優勝を飾った吉本ひかる。自身初のディフェンディングチャンピオンとして1年ぶりに会場の土佐カントリークラブを訪れると、優勝したシーンが蘇ったという。ただ、気持ちの中で引っかかることも1つあった。ツアー序盤に優勝したことで、シーズン2勝以上を目標に切り替えたものの、それに到達することなくシーズンを終えてしまったことだ。

 「やり過ぎたといういい方も悪いですけど、調子が良かったせいでもっといい結果を求めてしまい、逆に調子を崩してしまったんです」

 シーズン中にもかかわらず、トレーニングや練習量を増やしたことがオーバーワークにつながり、本来持っていた良さが薄れたのは大きな反省点となった。5月末から9月頭までの12試合で予選通過したのはわずかに3試合しかなかった。ここでさらに練習量を増やすと泥沼に陥りやすいところだが、それを避けるために、あえて練習量を減らしたのは正解だった。その甲斐あって、日本女子オープンでは8位タイ、スタンレーレディスホンダでは5位タイに入った。

 ある意味、天獄と地獄を味わった昨年のシーズンだったが、それを反省材料にして、今季こそ複数回優勝を目指したいところで今シーズンを迎えた吉本。幸いにも開幕戦となった前週の大会では尻上がりに調子が上向きになったという。

 「第1日、第2日は緊張もあってドライバーショットが荒れていたんですが、第3日ぐらいから調子が良くなり、最終日の後半はすごく納得のいくプレーができました」と振り返る。不調の原因は力みにあったとのこと。「ダウンスイングの切り返しで力が入っていたんです。スイングリズムとかに気をつけた結果、自然と入らなくなりました」。シーズンオフに取り組んでいたスイングを実践でもできるようになったとなれば心強い。思い出の地でぜひともリスタートを切りたいところだ。(山西 英希)
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