久保はフル出場、レアル・ソシエダはCLベスト16で敗退

レアル・ソシエダ
チーム・協会

【©︎RealSociedad】

ムバッペの決定力がラ・レアルの夢を打ち砕く

 チャンピオンズリーグ(以下、CL)ラウンド16第二戦、ラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)は本拠地レアレ・アレナにPSGを迎えた。3週間前の第一戦では2−0で完敗を喫し、今夜の試合では2点差以上での勝利が次ラウンドへの最低条件という中でのキックオフとなった。スタジアムは逆転でのベスト8進出を願うサポーター達で埋め尽くされた。また、フランスとの国境からわずか20kmに位置するサン・セバスティアンでの試合ということでパリからはもちろん、近隣のフランス人も大挙して押しかけた。

 アドバンテージのあるPSGは序盤から攻勢を仕掛けるラ・レアルの選手を走らせながら、隙を見るやエースで主将を務めるムバッペへと鋭いパスを送り、効率的にチャンスを作っていく。そして試合を優位に進めるPSGが先制するまでに要した時間は15分、デンベレのスルーパスに抜け出したムバッペがスベルディアをフェイントでずらし、角度のないところから逆サイドのネットにシュートを突き刺した。

 一方のラ・レアルもこの日左サイドで先発した快速ベッカーがロングフィードからPSGの守備ラインの裏を狙い続ける。そして中央でもオヤルサバルがCFとして攻撃の起点となる。前半終了間際にはPA外から久保が放ったミドルシュートはゴール左隅へと飛んでいくがわずかに枠をとらえられず。時間と空間を支配するPSGを前に0−1と厳しい結果で後半を迎えることとなった。

【©︎RealSociedad】

 得点を求めるラ・レアルに対し、ネットを揺らしたのは再びPSG。56分、後半から途中出場した韓国代表イ・ガンインのパスを受け、先制点と似たシチュエーションから、ムバッペが今度はニアにゴールを決める。守備陣の対応を嘲笑うかのようにシュートコースを見つけ確実に決め、わずかにあったラ・レアルの希望を打ち砕く追加点となった。

 失点後、途中出場したバレネチェアが得意のドリブルで左サイドを崩していく。出場からわずか2分後の63分にはスビメンディの浮き球のパスをヘッドで決めるがオフサイドの判定となった。この後もオヤルサバルへのスルーパスなど次々とチャンスを作っていく。試合も終盤となった89分、ついにラ・レアルがゴールネットを揺らした。久保のパスを受けたトゥリエンテスがシュート性のクロスを中央へ送り、これをイタリア代表GKドンナルンマが弾いたこぼれ球をメリーノがPSGゴールに叩き込んで1−2とした。

 試合終了のホイッスルまで同点弾を求め攻撃の手を止めないラ・レアルだが、無情にもアディショナルタイムの3分が経過し、欧州の旅に終止符が打たれた。全てを出し切ったチームをサポーター達はスタジアムを去ることなく讃え続けた。次戦は9日、アウェイでのグラナダ戦。国王杯、CLと二つのカップ戦で敗退した今、来季の欧州の舞台への出場権を賭けた戦いに集中する。試合後、久保は親交の深いイ・ガンインと実現しなかったアジア杯での日韓戦でする予定だったユニフォーム交換をし、互いの健闘を讃えた。
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著者プロフィール

レアル・ソシエダは1900年代初頭に創設され、2度のリーグ優勝と3度の国王杯を制したスペインの名門サッカークラブです。過去にはミケル・アルテタやシャビ・アロンソといった名選手がプレーし、2022年からは日本代表の久保建英が所属しています。

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