【ラグビー/NTTリーグワン】見ることしかできなかった敗戦を糧に。 プライドを胸に臨むリベンジマッチ<清水建設江東ブルーシャークス>
前回対戦の第4節は、スクラムで相手に押され、さらにペナルティで自陣への進入を許し、ラインアウトモールなど合計5トライを喫しての敗戦。「完全にフォワード負けした試合」と選手たちは振り返る。前半をリードして折り返した中での逆転負けだった。
そして迎える今節に特別なモチベーションで臨む選手がいる。前節のクリタウォーターガッシュ昭島戦でセットピースの要として重要な役割を担い、試合終盤には今季初トライを決めた日髙駿だ。
日髙は、先述のSA広島戦でメンバー外となり、スタンドから試合を見ていた。「自分がグラウンドに立っていたら……」と何もできない自分に不甲斐なさを感じていた。
前回のSA広島戦前、チームはモール、スクラムに自信をもっていた。そのため相手に押される展開を予想しておらず、試合中の修正が間に合わずに相手にやりたいラグビーを展開されてしまった。「外から見ていると、パワーだけでなく、モールを引き倒すディフェンスや、空中戦で競り合うなどほかの選択肢の必要性を感じていました」(日髙)。
高校時代からロック一筋の日髙。加入初年度から試合に出場し、先輩にもまれながらロックのスキルを深く学んできた。ラインアウトのサインマスター(コーラー)としての経験値にも自負がある。「あの試合に出ていたら違うコールを出せた自信がある。あのとき、こうできたのでは……」と、出場できなかったことにもどかしさを隠せなかった。
今節、そんな悔しさを晴らすチャンスが巡ってきた。「ラインアウトの要として、アタックもディフェンスも整えることがサインマスターの役割。その役割を100%全うしたいです」と意気込む。フォワード陣をいかに動かし、試合をコントロールすることができるか。
日髙は、昨季は肉離れで苦しみ、公式戦は終盤の2試合のみの出場だった。そのぶん、今季に懸ける思いも大きい。
チームとして掲げる今節のフォワードのテーマは“プライド”。今週は練習の中でもセットピースに時間を掛けて取り組んできた。“プライド”を胸にSA広島とのリベンジマッチに挑む。
(山村耀)
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