皐月賞へ向けた一戦・弥生賞を分析する
【データ分析】
近年は人気サイド中心の傾向が鮮明に
■表1 【人気別成績】
穴なら4着以下1回の馬
■表2 【5番人気以下からの3着以内好走馬(背景緑:重賞)】
キャリアは2~4戦
■表3 【キャリア別成績】
表3はキャリア別の成績。キャリア2~4戦の馬が計【9.7.8.45】。10年で9勝を挙げ、複勝率も34.8%と高い。対してキャリア1戦以下と5戦以上は合計で【1.3.2.35】同14.6%とかなりの差がついているため、2~4戦の馬が主軸になる。
前走G1出走馬が高複勝率
■表4 【前走クラス別成績】
前走が芝1800~2000m重賞なら5着以内
■表5 【前走芝1800~2000m重賞からの好走馬】
このうち、前走で芝1800mの重賞に出走していた5頭中4頭は前走が重賞初出走で、前走が重賞3戦目だったダンビュライトは表2で挙げた5番人気以下のデータに該当していた。一方、前走芝2000m重賞組はこのところホープフルS出走馬しか好走していない。このホープフルS組は昨年のトップナイフを除き、2走前以前に4着以下がなかったことで共通している(芝2000m重賞組全体では11頭9頭が該当)。
なお表は割愛したが、前走1勝クラス組は好走馬4頭中3頭が1勝クラス以下では4着以下の経験がなく、もう1頭(2020年1着サトノフラッグ)は本競走と同じ芝2000m戦で2連勝中だった。
【結論】
前走ホープフルS2着のシンエンペラーが最有力
他のメンバーは一長一短。前走芝1800m重賞組のシュバルツクーゲルは4番人気以内(表2)の支持を得られるかどうか。1勝クラス組のトロヴァトーレとファビュラススターも4番人気以内が条件になり、加えて1勝クラス組のキャリア2戦馬は【0.1.0.3】(2000年以降で【0.1.0.9】)と、あまり良い結果が残っていない点も気にかかる。
ならば5番人気以下の穴候補として、ニシノフィアンスとレッドテリオスに注目したい。ニシノフィアンスは新馬戦1着、京成杯5着で表2の「4着以下1回を前走または前々走の重賞で記録」と表5の「前走5着以内」を同時にクリア。レッドテリオスは表2本文で挙げたシュヴァルツリーゼと同じ1戦1勝馬だ。近年は穴馬の出番が減っているレースだが(表1)、今年はヒモ荒れの可能性もあるとみたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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