久保は延長前半までプレー、レアル・ソシエダはPK戦の末に国王杯敗退

レアル・ソシエダ
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【©︎RealSociedad】

元日本代表監督のハビエル・アギーレ監督の率いるマジョルカが決勝へ

 国王杯準決勝第二戦、4季ぶりの優勝を目指すラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)は満員の本拠地レアレ・アレナホームにマジョルカを迎えた。リーグ戦も含めると3週間で3度目の対戦となる。第一戦の結果はスコアレスドローで、どちらにもチャンスがある状態でのキックオフとなった。主将オヤルサバルが6試合ぶりに怪我から復帰し、ベンチ入りを果たした。

 ホームの大声援の後押しを受け序盤から攻勢を仕掛けるラ・レアルとカウンター主体の5バックで時間を使いながらリスクを最小限に抑えたゲーム運びをするマジョルカという構図となった。久保は対峙するマジョルカDFコペテの執拗なマークを受け思うようにプレーをさせてもらえない。徐々に流れはマジョルカへと移り、自陣に押し込まれていたラ・レアルだが、前半終了間際にスビメンディのあげたクロスがライージョの手に当たり、PKを獲得する。キッカーは務めたブライスメンデスの放ったシュートはGK正面。先制のチャンスを逃し、スコアレスで後半へ。

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 後半開始からアンドレ・シルバに代えベッカーを投入したイマノル監督。そしてオヤルサバルがウォーミングアップを開始し、スタジアムには「ミケル!ミケル!ミケル・オヤルサバル!」のチャントが響く。しかし、レアレ・アレナの熱狂とは相反し50分マジョルカが得点を挙げる。ジャウメ・コスタのクロスに後ろから走り込みジョバンニ・ゴンサレスが放った豪快なヘッドがゴールへと吸い込まれる。アドバンテージを得たマジョルカはさらに試合巧者ぶりを見せていく。

 対するラ・レアルはベッカーのスピードを活かした速い攻撃でマジョルカの裏をつく。そして63分、大歓声の中ついにオヤルサバルがピッチへと立つ。待望の復帰を果たした主将がその輝きを見せるのに時間は必要なかった。71分、スビメンディ、久保、メリーノと流れるようにボールがマジョルカの守備陣の間を縫っていき、最後はオヤルサバルがGKの位置を確認し冷静に狙い澄ましたシュートを決めた。試合を振り出しに戻す同点弾に揺れるスタジアム。ギアが上がるラ・レアルを尻目に勝ちを急がないマジョルカはペースを乱さず、試合は延長へ。

 95分、久保のクロスをメリーノが折り返し、こぼれ球に反応したティアニーの放ったシュートをサム・コスタがゴール内で死守。試合の結果を左右する重要なプレーに主審はVARスタッフとしっかり時間をとり確認した後、ノーゴールの判定を下した。104分、同点弾を演出したメリーノと久保は交代でピッチを後にした。延長後半も得点は入らないまま120分の死闘を終え、PK戦での決着をつけることとなった。

 1人目のキッカー、オヤルサバルがスポットに立ったのは、日付を跨いだ0時13分。普段からPKキッカーを務め絶対の自信を持つ主将の放ったシュートはマジョルカGKグレイフに止められてしまう。その後は両チーム、ミスすることなく全てシュートを決めていき、最後はダルデルのPKが成功し雌雄が決した。キックオフから約3時間、元日本代表監督ハビエル・アギーレ率いるマジョルカが2002/03シーズンの優勝時以来の決勝へと駒を進めた。

 タイトルへの挑戦の夢が潰えたラ・レアル、ゴール裏のサポーターは最後まで残り、チームの健闘を讃えた。次戦は3月2日、アウェイでのセビージャ戦。奇しくも国王杯の決勝が行われるスタジアム、カルトゥハがある街での試合が待ち受ける。
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著者プロフィール

レアル・ソシエダは1900年代初頭に創設され、2度のリーグ優勝と3度の国王杯を制したスペインの名門サッカークラブです。過去にはミケル・アルテタやシャビ・アロンソといった名選手がプレーし、2022年からは日本代表の久保建英が所属しています。

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