【ノルディックコンバインド】エストニア・オテパー大会 葛西春香選手がついに今季初表彰台!渡部暁斗選手はマススタート方式でシーズン最高位

チーム・協会
 ノルディックコンバインドのFISワールドカップ(W杯)は2月9~11日にエストニアのオテパーで男女各個人3戦が行われました。

葛西春香選手がノルウェーの分厚い壁を破る今季初表彰台!

 女子では、2日目の個人第12戦で葛西春香選手(早稲田大学)が2位に入り、ついに今季初表彰台に上がりました。
 
 前日の個人11戦までに4位が5度と表彰台まであと一歩が続く中、前半ジャンプで2位以下に18秒差のトップにつけて後半5kmレースへ。31秒遅れの4番手でスタートした今季5勝でW杯総合トップのイダマリエ・ハーゲン選手(ノルウェー)に1周目終盤で追いつかれ引き離されるも、後続を全く寄せ付けない走りでゴール。2021/2022シーズン最終戦以来となるW杯通算3度目の表彰台となりました。

 今季の女子はW杯総合トップ3につけるノルウェー勢が表彰台独占も珍しくない一強体制を敷いており、この試合までノルウェー以外の最高成績は3位。優勝と2位の座を一度も譲ることなく、他国選手の挑戦をはねのけてきた分厚い壁を最初に破ったのは春香選手でした!これでW杯総合順位も一つ上げて4位に浮上。ノルウェー勢の占めるトップ3の一角を崩すべく残り2戦に挑みます。

今季初表彰台に上がった葛西春香選手 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】

 女子3連戦の結果は以下の通りでした。

葛西春香
第11戦:5位、第12戦:2位、第13戦:4位
「(2位に入った2戦目は)ヒルサイズ近くまで飛び、内容も満足できるもので後半クロスカントリーにつなげることができました。1人に抜かれたけれど、今の自分ができる精一杯の力を出し切れたと思います。残り2試合とも表彰台を目指したい」

中村安寿(株式会社ショウワ)
第11戦:14位、第12戦:15位、第13戦:15位
「14、15、15位とあまり納得のいく結果ではなかったです。ジャンプのイメージはしっかり持てていたもののイメージ通りに動ける(助走)ポジションが定まらなかったこと、ラストスパートや勝負どころで一気に力を出すことができなかったことが原因だと思います。2週間ほど日本で練習する機会があるので、しっかりイメージを固めてオスロ、トロンヘイム大会に臨みたい」

葛西優奈(早稲田大学)
第11戦:15位、第12戦:12位、第13戦:6位(今季最高位)

畔上沙那(日本体育大学)
第11戦:19位、第12戦:20位、第13戦:19位

オテパー大会2日目 葛西春香選手がガッツポーズでゴールの今季初表彰台!

渡部暁斗選手が今季初の一桁順位、山本涼太選手はガッツ注入で走り向上

 男子では、初日のマススタートで渡部暁斗選手(北野建設SC)が前半10kmレースでトップと4秒差の18位でゴール。後半ジャンプで順位を上げて今季初めての一桁順位となる9位に入りました。W杯トップ10の通算回数で歴代2位につけている暁斗選手。歴代1位のエリック・フレンツェル(ドイツ)の187回まであと6に迫る通算181回となりました。

 オテパー大会ではこれまで個人4戦に出場し4位が3度、いずれも写真判定などスキー板数センチに表彰台を阻まれてきたのが山本涼太選手(長野日野自動車SC)。年明けからの遠征で目標に掲げていたオテパーでの表彰台争いには絡めなかったものの「ジャンプ、クロスカントリーともに向上した」ことを実感できる大会に。後半のレースで集団からちぎれることなくゴールできた走りの裏には、同部屋の木村幸大選手(中央大学)から気合いの注入があったことを明かしました。

 男子の結果は以下の通りでした。

渡部暁斗
個人15戦:9位、第16戦:32位、第17戦:27位

山本涼太
個人15戦:22位、第16戦:19位、第17戦:15位
「今シーズンのノーマルヒルの試合が全て終了しました。結果からするとオテパー大会でジャンプとクロスカントリーともに向上してきたのかなと思います。クロスカントリーの向上に関しては、同部屋の木村幸大君と色々話をしてガッツじゃないかっていうようなことになったので、少し気合い入れてやってみたところ、それが功を奏したのかわかりませんが集団に食らいつくことができました。残り個人4戦となりましたが、ここから僕の得意なラージヒルになるので、調整をして3月に向かいたいと思います」

谷地宙(日本航空株式会社)
個人15戦:35位、第16戦:42位、第17戦:39位
「思うようなジャンプが出来ず苦しい試合が続いたが、クロスカントリーの方は体もとても良く、しっかり最後まで動いていたので、テクニックで改善すべきところを改善できればいい走りができるのではないかと思う。日本に帰って練習する機会があるのでしっかり調整して次のラハティで頑張りたい」

山本侑弥(早稲田大学)
個人15戦:47位、第16戦:47位、第17戦:42位

木村幸大
個人15戦:45位、第16戦:43位、第17戦:36位(今季最高位)
「率直に、ジャンプが大きな課題になっている。ゼーフェルトとオテパーは最終戦で(W杯)ポイントを獲得することができましたが、ジャンプでいい位置につければ得意なクロスカントリーでもう少し上の集団で走れ、もっといい順位を取れるということを痛感しました。日本に帰ってジャンプをしっかり調整し、次のW杯では30位以内に入って総合ランキング55番以内で来季のW杯出場枠をしっかり取れるように頑張りたい」

 コンバインドW杯は2週間試合が空き、3月2日のラハティ大会(フィンランド)から今季最後の北欧3大会を迎えます。
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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