サウジアラビアで開催されるクラブワールドカップ2023にアジア王者として臨む浦和レッズ。これまで日本のチームの最高成績は2016年に鹿島アントラーズの準優勝だが、レッズは今大会でJリーグのクラブとして2度目の決勝進出および優勝を狙う。

浦和レッズは今年の5月に史上3度目のACLチャンピオンズリーグ制覇を達成した。マチェイ・スコルジャ率いるチームは、洗練された守備を武器に終盤まで国内タイトル争いに絡み、4位で2023年のJリーグを終えた。

FIFAはサウジアラビア2023に参加する浦和レッズの中から注目すべき3人の選手を紹介する。

西川周作

37歳となった西川は、そのパフォーマンスは衰えるどころか進化している。AFCチャンピオンズリーグ決勝の2試合ではほぼ完璧とも言えるパフォーマンスを見せ、アジア王者奪還の立役者となった。

規律正しい守備を基調としたチームにおいて、西川は浦和レッズの最後の砦として欠かせない存在だ。さらに西川の大きな特徴は守備だけではなくその積極的な攻撃参加にある。最後列からの精度の高いキックがレッズの攻撃の一つの武器にもなっている。

今シーズンはリーグ戦の34試合全てにフル出場し、リーグ最小失点（27）に抑える活躍が認められて2023年のJリーグベストイレブンにも選出されている。

アレクサンダー・ショルツ

西川と並んで、浦和レッズの堅実なディフェンスを構築しているのがアレクサンダー・ショルツだ。2021年から加入したデンマーク人ディフェンダーは、チームにとって替えのきかない不動のセンターバックである。

恵まれた体格から繰り出されるパワーは圧巻で、地上・空中問わずデュエルで無類の強さを発揮する。さらに危険なタックルで強引に奪うシーンは極端に少なく、常に最善の状況判断と準備ができるインテリジェンスも兼ね備えている。

また興味深いことに、センターバックのショルツはPKを得意としており、これまでのキャリアでは7月のセレッソ大阪とのリーグ戦での唯一の失敗以外、全てネットを揺らすことに成功している。

伊藤敦樹

2023年に急激にその知名度を上げたのがミッドフィルダーの伊藤敦樹である。今年の6月には日本代表にも選出された25歳の伊藤は、浦和レッズの攻守の要として躍動する。

ボランチにとって必要な球際の強さに加えて、攻撃面でも推進力のあるドリブルが持ち味であり、チャンスがあれば積極的にミドルシュートで得点を奪う能力も魅力である。90分間を通してインテンシティを発揮できれば、常に相手の脅威になれるプレイヤーだ。

今シーズンはチームの中心選手として活躍し、西川やショルツと同じく2023年のJリーグベストイレブンに選出された。11月中旬に負った怪我の状態が心配されていたが、最終節には先発として復帰しており、コンディションが整っていればサウジアラビアでも浦和にとってのキーマンになるだろう。