【第107回日本選手権10000m】前日会見レポート&コメント
会見に出席したのは、男子10000mで27分18秒75の日本記録(2020年)を持ち、東京オリンピック代表で、前回覇者の相澤晃選手(旭化成)と、女子10000mで2022年オレゴン大会、2023年ブダペスト大会と、2大会連続で世界選手権に出場している五島莉乃選手(資生堂)です。2人は、それぞれに、これまでの状況や大会に向けての抱負を語りました。
以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。
◎相澤 晃(旭化成)
ケガは、昨年7月終わりの合宿で、右脚の後脛骨筋を痛めた。自分では大きなケガではないかな、すぐ治るかなと思っていたのだが、なかなか治らず、今年2月くらいまではほとんど走らないような状況が続いた。ただ、その間もトレーナーさんをはじめ、いろいろな方々に支えられて、走る以外のトレーニングを中心に取り組んできた。僕のなかでは、走るよりもきついトレーニングもあったし、そういうトレーニングを重ねてきて、今のまた走れるようになった自分がいる。明日は、今まで支えてくれた方々のためにも、優勝を目指した頑張りたいと思う。
(参加標準記録27分00秒00をクリアするために必要となる)26分台というタイムは、正直、今の自分にはちょっと難しい記録だと思っている。ただ、目指していないのではなく、現状の自分にはできないと思っているだけなので、来年以降に26分台が出せるよう、まずは今年の日本選手権は、自分が持っている日本記録(27分18秒75、2020年)を更新して、新しい自分をつくれたらいいなと思っている。
明日は、ウェーブライト(電子ペーサー)のペース設定が、27分15秒(スタートから9000mまでは1周65.6秒のペース、ラスト1000mは1周 63.6秒のペースに設定予定)ということで、自分もそこを目標にやっていこうかなと考えている。もちろん多少前後するとは思うが、そのタイムを出せば日本記録となる。(勝負は)そのあたりの(タイムを狙った)争いになるかなと考えている。
優勝した過去2回(2022年、2020年)は、ラスト2000m以降で、後続を引き離して勝つレースだった。ただ、今年に関していうと、ほかの選手もわかっていると思うし、自分自身も同じようなレースパターンで勝てるとは思っていない。故障していた期間から今までやってきたことをしっかり出せば、ラスト1周でも勝てる。ラストの競り合いになっても負けない気持ちで明日は臨みたい。
◎五島莉乃(資生堂)
目標は、パリオリンピックにつながるような走りをすること。今の自分の力をすべて出しきれるよう頑張りたい。
パリオリンピックに向けては、一つ一つステップアップして、つながるようにしたいと考えている。30分40秒00という参加標準記録はもちろん目標にはしているが、まずは今の自分の実力をしっかり出しきれるようにしたいという気持ち。タイムとしては、最低でも31分10(秒02、2021年)の自己記録は更新したいなと思っている。
パリオリンピックは、入社したときから、ずっと出たいと目標に思っていた大会。少しでもそこに届くようにしたい。
大会は12月10日、日没を迎えるタイミングの東京・国立競技場で開催。男女ともに1組での決勝で行われ、女子は16時03分に、男子は16時43分に、それぞれスタートします。男女ともにパリオリンピックの参加標準記録(男子27分00秒00、女子30分40秒00)をマークして優勝すれば、その段階でパリオリンピックの日本代表に内定。ブダペスト世界選手権で入賞を果たしている廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G)については、この大会で参加標準記録を突破すれば、順位を問わず代表に内定します。
日本陸連では、今回、観戦される皆さまがよりレースを楽しめるよう、様々なタイプのチケットを設定しました。すでに完売しているものもありますが、スタンドのお気に入りの場所から観戦できる「一般シート」やグラウンドレベルでレースを見られる「グラウンド観戦シート」、特別ベストと一緒にグッズを使って応援する「応援団シート」は、現在も前売り券を販売中。当日に会場でお買い求めいただくこともできます。
また、レースの模様は、NHKBS1において、生放送(16:00~17:30)が予定されているほか、日本時間の25:30~、NHKワールド・プレミアムで放映されることになっています。
日本陸連公式サイト内にオープンしている「日本選手権10000m」特設ページ( https://www.jaaf.or.jp/jch/107/10000m/guide/ )では、タイムテーブルやスタートリスト、パリオリンピックの代表内定条件、過去の大会情報や展望記事、チケット販売情報など、大会に関するさまざまなインフォメーションを掲載しているほか、Googleフォームを用いて出場選手に応援の気持ちを伝える「応援メッセージキャンペーン」の募集も、競技終了まで実施します。
頂点を目指して25周にチャレンジする選手たちの観戦および応援に、ぜひ、お役立てください。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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