早大航空部 関東大会で10年ぶりに団体優勝し、快挙を達成!
関東学生グライダー競技会 10月8日〜10月15日 埼玉・妻沼滑空場
【早稲田スポーツ新聞会】記事 荒井理沙、写真 部提供
関東大会で10年ぶりに団体優勝し、快挙を達成!
快挙を成し遂げ笑顔を見せる部員たち 【早稲田スポーツ新聞会】
勝敗が決まったのは3日目の13日。まず最初に大森悠矢主将(基理4=神奈川・鎌倉)が約55分で今大会初の周回をし、そのままの流れに乗り藤芳一大(政経4=群馬・高崎)が36分ととても早いペースで周回を達成。続いて、稲葉宏人副将(基理4=大分・東明)が37分で周回し、小島健人(基理3=東京・渋谷教育渋谷)が43分で周回をした。3日目で個人の部の1位が藤芳、2位が稲葉、3位が小島と早大選手が上位を独占した。また、団体の部でも2位の慶大に約630点ほどの差をつけて、トップに躍り出た。翌日の14日は条件が悪い中、東大選手が唯一得点をあげ個人の部で1位となる。
最終日の15日は悪天候のため、ノーコンテストとなり結果は変わらず、個人の部で藤芳が準優勝、稲葉が3位、小島が4位と好成績を収めた。また、団体の部では悲願の優勝を果たし、素晴らしい結果を残し関東大会を終えた。
閉会式後の部員たち 【早稲田スポーツ新聞会】
この悔しさから1ヶ月。夏の団体準優勝という敗北から得た気概と成長を胸にして関東大会に挑んだ。その結果、団体の部優勝という早稲田大学航空部として歴史に刻まれる快挙を達成した。この輝かしい瞬間は、選手、クルーの努力と航空部のチームワークの賜物であるだろう。冬に控えた早慶戦や全国大会は今大会で培ったものを活力に高みを目指すための舞台。その舞台で次なる飛躍を果たすべく、空に羽ばたく部員たちの姿が待ち遠しい。
円陣を組む部員たち 【早稲田スポーツ新聞会】
結果
優勝 2905点
▽個人
藤芳 2位 1000点
稲葉 3位 991点
小島 4位 915点
コメント
――関東大会を振り返り、心境はいかがですか
まずは悲願であった団体優勝を掴むことができ本当に嬉しいという気持ちが大きいです。関東大会団体優勝という結果は2013年の第29回大会以来の10年ぶりとなりました。昨年12月に主将に就いてから競技会で勝ち続ける『常勝早稲田』を目指し、本気で直向きにグライダーに取り組んできました。その選手クルーを含めた部員全員の努力が報われた瞬間でもあり、同時に常勝早稲田に向けた第一歩となったと思います。支えてきてくださった宗監督をはじめとしたコーチ陣や日頃ご声援いただくOBOGの皆様に対して感謝いたします。
――ご自身のプレー、成績を振り返ってみていかがですか
今大会は六大学戦とは違い、競技日の5日間の内、4日間の中日が設けられ前半の2日間の競技は天候が芳しくなく条件が出ず(高度を獲得するための上昇気流が発生しない)得点フライトがなかったためコンディションやモチベーションを保つ必要がありましたが後半戦1日目から条件が出始めた競技開始で他機体が得点できていないタイミングから最速かつ大会全体で初となる周回を達成することができ1番手パイロットとしての役割を果たせたと思います。後に続く頼もしい同期と後輩のフライトは本当に団体優勝校に相応しいものだったと思います。最終日では唯一得点した東大のパイロットと同じ時間で飛んでいましたが自分は得点できず、悔しさとともに沈下の少ないラインを飛ぶ技術に課題を感じました。
――六大戦から成長した点、取り組んだことなどはありますか
六大戦の反省点としては選手層の厚さや減点の多さが際立ち団体優勝をあと一歩で慶大へ譲る形となりました。前者に関しては今大会は各大学1機のみの出場でせいぜい4〜5名でしかパイロットがフライトを行わず、他大との各パイロットの技量の差はなかったと思います。後者に関しては六大学戦後コーチを交えた分析で減点率を数値で出し如何に減点を少なくするかが勝敗を決めることを選手で共通認識として臨んだため今大会はほとんど減点なく得点できたことは非常に大きいと思います。
――団体優勝することができた要因は何ですか
選手は分析と毎訓練で課題を明確に練習を重ねてきたことはいうまでもありませんが、要因として大きかったことは地上でサポートしてくれたクルーだと思います。早稲田は人数の多さから他大の得点管理や、地上気温のプロット、機体磨き、他機体の情報など選手のフライトへのサポートがどこの大学よりも団結して行えていたと思います。パイロットだけでなくこういった強さが団体優勝を裏付けたといっても過言ではないと思います。
――早慶戦、全国大会に向けての課題などはありますか
今年度の早慶戦は2月中旬に開催予定ですがこの時期の妻沼滑空場では非常に強い風が例年吹きます。そういった状況下ではソアリングの仕方も変わるため、強風下での練習を視野に準備を進めています。またこの競技では如何に上昇気流が強い方に機体を寄せるかが重要ですが、トンビのようにそのセンサーをさらに磨いていくことが課題です。
――早慶戦、全国大会に向けての意気込みをお願いします
学生生活の集大成となる絶対に負けられない2大会です。最強で最高のライバルの慶大に勝ち、日本一の航空部、日本一の学生パイロットを目指します。
ご声援のほどよろしくお願いします!
稲葉宏人副将(基理4=大分・東明)
――関東大会を振り返り、心境はいかがですか
久しぶりの団体優勝、個人3位という成績にはすこし達成感があります。全国大会、早慶戦ではもう負けられないという思いです。
――ご自身のプレー、成績を振り返ってみていかがですか
点をつけるなら50点くらいだと思います。最終日、自分が点を取れていれば個人優勝ができたと感じます。
――六大戦から成長した点、取り組んだことなどはありますか
減点をしないこと、あまり気負わないことです。また、練習の度に大会を意識していました。
――団体優勝することができた要因は何ですか
部全体の雰囲気が良く、優勝するのは選手陣の技量が上がるのを待つのみでした。日々の積み重ねだと思います。
――早慶戦、全国大会に向けての課題などはありますか
全国大会に向けて、自分自身の技量がまだまだ足りないと思います。そのため練習を積み重ねることが課題です。
――早慶戦、全国大会に向けての意気込みをお願いします
団体優勝は必ず達成します。
藤芳一大(政経4=群馬・高崎)
――関東大会を振り返り、心境はいかがですか
六大戦で最終日に慶應に逆転されて団体準優勝となり、悔しい思いをしたので、関東大会でリベンジできてとても嬉しいです。個人は最終日に逆転されて準優勝になってしまいましたが、減点に気をつけてフライトできて良かったです。久しぶりの団体優勝でOBや関係者の方からコメントをいただき、次もまた優勝したいという思いが強くなりました。
――ご自身のプレー、成績を振り返ってみていかがですか
条件が出ていたので、サーマルを選んで時間を短く周回できたことが良かったです。六大戦の振り返りから、より減点に気をつけてフライトできた点も良かったと思います。
――六大戦から成長した点、取り組んだことなどはありますか
六大戦の振り返りを選手とコーチで行ったことで、六大戦に比べて、大会前に戦略を明確にできていたと思います。地図を改良したり出場機の情報を修正し、減点しないよう気をつけました。
――団体優勝することができた要因は何ですか
六大戦後の期間で振り返りを行ったのが良かったと思います。個人の役割や飛び方、気をつけることをチームで共有できていました。
――早慶戦、全国大会に向けての課題などはありますか
冬の強風条件での経験を積んでいきたいと思います。
――早慶戦、全国大会に向けての意気込みをお願いします
部の勢いが良くなってきてると思うので、さらに上を目指して他大学を引き離していきたいです。4年間の集大成として優勝して終わりたいです。
小島健人(基理3=東京・渋谷教育渋谷)
――関東大会を振り返り、心境はいかがですか
10年ぶりの関東大会団体優勝を達成でき、その一助となれたことが嬉しかったです。また、大会期間を通して共に尽力してくれたクルーにも感謝しています。
――ご自身のプレー、成績を振り返ってみていかがですか
条件が段々と悪くなってゆくなかで他大を追い抜いて周回できたことで差を広げることができました。他大の選手が高度を落として苦戦しているのを見ていたので常に高度を保つことを意識した結果だと思います。
――六大戦から成長した点、取り組んだことなどはありますか
六大戦では他機と接近して大幅な減点をされてしまったので、なるべく素早く他機のいない所で上昇するよう意識していました。
――団体優勝することができた要因は何ですか
1〜3番手が早いタイミングでバトンを繋いでくれたことでまだ条件が残っているタイミングで私が出発できたことが勝因だと思います。また、地上作業面においても不安を感じることがなく、全体としても和気藹々とした雰囲気だったことでフライトに落ち着いて臨めたことも大きな要因だと思います。
――早慶戦、全国大会に向けての課題などはありますか
条件の悪い中で粘り、ワンチャンスをものにする力がまだまだ不足していると感じています。また、もっと視野を広く持ち、大気の対流や雲などの空が与えるヒントに対してより敏感になる必要があると思います。
――早慶戦、全国大会に向けての意気込みをお願いします
条件のあるときには確実に周回し、しぼみゆく中でも粘り強く周回をねらえるよう準備します。
森祐翔(法3=佐賀・佐賀西)
――関東大会を振り返り、心境はいかがですか
六大戦では届かなかった団体優勝が届いて非常にうれしく思います。
――ご自身のプレー、成績を振り返ってみていかがですか
自分に関しては、目立ったことをすることなく終わりました。滞空する条件がしぼんできたタイミングでしたので、特に何もすることができませんでした。しかし他大の同期が周回していたので、自分の力不足を痛感しました。
――六大戦から成長した点、取り組んだことなどはありますか
教官との複座トレーニングを積極的に行い、複座で練習、単座で実践というサイクルを繰り返し行いました。しかし完全に自分のものにすることができず、あまり結果には結びつかなかったという印象です。
――団体優勝することができた要因は何ですか
周回しなければならないときに周回できて、良い流れを作ることができたからだと思います。今大会は周回できる日が結果的に1日しかなく、後手に回ってしまったら逆転するのが難しい大会となっていました。滞空する条件が整ったタイミングで、1番手の誰よりも早く周回をしてきて、2番手に良いタイミングでつなぎ、そこからの3人が自分ができる最大の速度で周回してきました。その日早稲田の2,3,4番手は個人成績のトップ3を独占していました。チームのポイントになるのは、チーム内得点の上位3人までで、トップ3を独占できたのは、これ以上ない成功でした。1番手の飛行速度は他の3人に比べて遅かったので、成績は団体得点には含まれませんでしたが、1番手がその瞬間に飛行していたどの機体よりも早く周回してきたことで、良い流れを作り、早稲田がトップ3を独占することができたと思っています。
――早慶戦、全国大会に向けての課題などはありますか
六大戦でも関東大会でも自分が足を引っ張ってしまっていました。課題としてはサーマルについての理解度が足りていなかったり、操縦が荒かったりと様々です。早慶戦、全国までは時間があるので、それぞれの課題を正しく認識して、一つずつつぶしていきたいと思います。
――早慶戦、全国大会に向けての意気込みをお願いします
自分が周回できる選手になったら、もっと楽な戦いができると思います。早慶戦、全国大会では得点をして、チームに貢献できるように勉強と練習します。
宗裕雄監督
――関東大会を振り返ってみていかがですか
まずは、今大会1番の目標であった団体優勝ができたことは本当に良かったと思います。残念ながら、天候の関係で競技が成立する日が少ない大会となりましたが、限られた条件を活かし、ミスもなく確実に高得点を獲得することができたのは、日頃の訓練の成果だと評価します。1日の中でも刻一刻と変わる気象条件の中、他の選手よりも早く周回をして次の選手にバトン(機体)を渡す学生のグライダー大会においてはまさに理想的な展開となりました。新体制で臨む初めての関東大会での結果が、六大学戦に続き良い形で残せたことは、監督としても一安心であり、選手を初めクルーやコーチ、応援してくれたOBの方々に感謝します。
――監督に就任してから力を入れたことは何でしょうか
ここ数年ライバル校とのレベルの差は軒並みひらく一方であったため、まずはそのレベルにまでなんとか追いつくことを一つの目標に、部員の高い能力をいかに発揮することができるかがポイントだと考えています。 前例に捉われず、力を合わせて新しいことにも数多く挑戦できるようなチーム作りを目指しています 。成功体験により、自らが成長しているという実感を得ることができますが、経験していないことに挑戦することはなかなか簡単なことではなく、壁を乗り越えることで得られる成長を繰り返して、想像力をより豊かにしていければと思います。 大会で勝つという目標を掲げる中で、最終的に勝つイメージをどれだけ鮮明に持てるかが結果にも影響するため、想像力はとても大事な要素となります 日々発生する問題に対しても、まずは気がつくこと、そしてどうすれば良いのか等を自分たちで考えてより良い答えを導き出して実行するという自律した習慣を浸透させることに力を入れています。
――関東大会で団体優勝できた要因は何でしょうか
とにかくたくさん飛ぶという単純な目標に対してとても分かりやすい目標を掲げ、部員一人ひとりが考えて行動してくれています やる気のある1年生が多く入ってきてくれたおかげで活気もあり、大森主将がリーダーシップを発揮して目標達成に向けて部をしっかりとまとめてくれている中でチームワークが活性化し、日に日に良くなっているという実感が得られています 。さらに良くしたいという雰囲気が生まれることでの良い循環が働き、部のマネジメントが良くなり、競技の結果にも影響を及ぼしたのだと考えています 。この半年間、部員のみんなが監督を信じて厳しい注文にも対応し、しっかりと訓練でその成果を積み上げてきた結果だと信じています。
――六大学戦から成長した部分などはありますか
六大学戦は新体制になって初めての大会であったこと、また相手の実力もよく分からないながらもレベルの差は感じていたので、ライバル校に胸を借りるつもりでの参加となりました 。競技を行う中で、お互いの実力を把握することができて、また、課題も明確になったので、その準備を行い、チームとしても確実に優勝できるイメージで関東大会には臨むことができたのが成長した部分だと思います。
――どのような気持ちで関東大会に挑みましたか
7年前の事故を経験した早稲田の航空部にとって、関東大会はとても大きな意味を持っています 安全に終えることはもちろんですが、ルールを厳守し、少しの減点もないように選手一人ひとりに言い聞かせました 。常に平常心でいられることが少しでも良い結果に結びつくことも分かっているため、結果を追求するよりも、選手を信じていつも通りのフライトを行ってもらうこと、それだけでした。
――早慶戦、全国大会に向けての意気込みをお願いします
自然を相手にしているスポーツ、勝負は時の運もあり、実力だけではなんともならないようなことが起きることは想定内です 。自分でコントロールのできない領域がある中でも、やれることを全てやり尽くしておくことで、どんな結果であれ、納得ができるはずです 残された大会は、航空部としての4年間最後の活動となりますが、最後に仲間たちと楽しい写真が撮れることを鮮明に想像することができて、その結果を楽しみに待てるようなチームに仕上げていくつもりです。
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