マチェイ・スコルジャ監督:「レッズサポーターの応援は言葉にできない」

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FIFAクラブワールドカップ2023にアジア代表として参加する浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督に、この大会にかける思いや同クラブのファンの存在、またグアルディオラ監督との意外な関係性について語ってもらった。

【@FIFA】

12月12日からサウジアラビアのジッタで開幕するFIFAクラブワールドカップ2023。アジア代表からは、4月に行われたACLチャンピオンズリーグ決勝戦でアル・ヒラルとの壮絶なファイナルを制してアジア王者に輝いた浦和レッズが出場する。

日本のどのクラブよりも多い3度のアジア王者を経験している浦和レッズは、その実績だけではなく、国内でも有数の熱狂的サポーターたちの応援が印象的なクラブだ。そしてその浦和レッズを率いるのがポーランド人監督のマチェイ・スコルジャである。

FIFAはスコルジャ監督への独占インタビューで、この大会についての意気込みや展望、さらにJリーグクラブの魅力や過去のグアルディオラ監督とのつながりについて語ってもらった。

FIFAクラブワールドカップ2023にアジア代表として参加する意気込みをお聞かせください。チームはどのような雰囲気でしょうか。

本当に楽しみです。とても大きな大会ですし、私のコーチキャリアにとっても非常に大きな瞬間です。アジア代表として、このクラブワールドカップに参加できることは名誉なことですし、世界中の偉大なクラブと戦える素晴らしい機会です。

チームの中では最近この話題について話す選手やスタッフが多くなってきました。もちろん、今は国内リーグ戦が佳境で、我々は自分たちの掲げた目標を達成するために戦っています。しかし、クラブワールドカップもチームにとってまた大きな目標であり、リーグ戦が終わればそこに全力を注ぎたいと考えています。

アル・ヒラルとのACL決勝戦はかなり壮絶なものでした。あの時の試合を振り返ってもらえますか?

そうですね。とても厳しい決勝戦でした。アル・ヒラルはその前の年も決勝に進出して優勝をしており、とてもタフで強いチームでした。しかしチームが一丸となってゲームプランを実行し、勝つことができてとても誇りに思いましたし、嬉しかったです。あの瞬間は私のキャリアの中でも忘れられない思い出です。

浦和レッズのファンの熱気は日本国内にとどまらず、世界でも有数の規模の熱量だと思いますが、このファンの後押しについて、監督はどのように感じていますか。

本当に言葉にできないです。浦和レッズのサポーターは数だけではなく、本当に熱狂的で、いつも素晴らしい応援でチームを鼓舞してくれます。私自身も力をもらっていますし、彼らの応援はかけがえのないものです。

ACLチャンピオンズリーグの決勝戦のファーストレグでも、サウジアラビアに約700人のサポーターが駆けつけてくれたことを覚えています。彼らの応援は間違いなくチームを助けてくれました。

またホームで行われたセカンドレグでも、彼らが大合唱したチャントは凄まじかったです。あの光景はこれから先も忘れることはないでしょう。今回のサウジアラビアにも、きっと駆けつけてくれてチームを支えてくれるはずです。

【@FIFA】

ACLチャンピオンズリーグのMVPである酒井宏樹選手が怪我で離脱が見込まれていますが、キーマンである彼の欠場はどのように考えていますか。

正直言って、とても難しい状態です。チームのキーマンである酒井宏樹の手術のニュースはとてもショックでしたし、彼だけではなく、多くの重要な選手が怪我で離脱をしています。彼らの欠場はチームにとっては大きな痛手です。

しかし酒井選手は、ピッチ外でもチームに影響力をもたらすことができます。試合に出場できなくても、彼のリーダーシップはチームを助けてくれると信じていますし、彼もきっとそうしてくれるでしょう。

浦和レッズはACLでは3度の優勝を誇っています。これは他のどのJリーグクラブよりも多い回数ですが、同クラブがこの大会でこれだけの強さを発揮できる要因はどこにあるとお考えでしょうか。

説明するのは難しいです。なぜなら私はまだこのクラブに来て1シーズンしか指揮を取っていませんからね。ただその中でとてもユニークな経験はさせてもらいましたし、何よりもJリーグのレベルの高さには驚かされました。

ヨーロッパと日本を比べると、正直に言って日本は過小評価されていると思います。日本のチームは上位から下位までとても実力が均衡していて、非常に難しいリーグです。どのチームも攻撃的で、ビルドアップがとても上手いです。戦術も緻密で、どんなチームと対戦する時も簡単な試合はありません。

このリーグを経験できたことは私のキャリアにとってはとても大きな意味がありますし、ここで仕事ができてよかったと感じています。

初戦では北中米代表のクラブ・レオンと対戦することが決まっています。彼らについてどんな印象、そして勝負の鍵となる部分はどこにあると思われますか。どのような準備をされているのでしょうか。

クラブレオンは若いアルゼンチンの監督が指揮をしていて、質の高い選手たちが揃っています。難しい試合にはなると思いますし、Jリーグで普段対戦している相手とはまた違った展開になるはずです。

このトーナメントでは後先のことは考えずに、まずは目先のこの試合に勝つことが我々にとっての最初の目標になります。まだ試合まで1ヶ月近くあるので、それまでにしっかりと準備をして、この試合に勝つことだけに集中したいです。

同試合に勝利した場合、準決勝ではヨーロッパ王者のマンチェスター・シティとの一戦に臨むこととなります。彼らについての印象も教えてもらえますか。

とても素晴らしいチームですし、対戦が叶ったら夢のようなことです。それは私個人にとっても、キャリアの大きな集大成の一つとなるでしょう。

実は私はシティのグアルディオラ監督とは、FCバルセロナで彼は指揮をしていた際に対戦した経験があります。ヴィスワ・クラクフで私が監督をしていた時、(2008年シーズンの)UEFAチャンピオンズリーグ予選の3回戦でFCバルセロナと当たりました。

初戦を0-4で落としましたが、ホームでバルセロナを1-0で破りました。たしかに2戦合計スコアでは負けて敗退していますが、あれはポーランドのチームがバルセロナを破った初めての試合です。グアルディオラは素晴らしい監督ですし、彼と再会できることを楽しみにしています。

それを再現できれば嬉しいですが、現状でシティが世界最高のチームの一つであることは間違いありませんし、まずは初戦で勝つことが一番重要です。
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