令和5年度「スポーツの日」中央記念行事 スポーツ祭り2023

日本オリンピック委員会
チーム・協会

【令和5年度「スポーツの日」中央記念行事を開催(写真:アフロスポーツ)】

 日本オリンピック委員会(JOC)は10月9日(月・祝)、スポーツ庁、日本スポーツ振興センター、日本スポーツ協会などと共催で、令和5年度「スポーツの日」中央記念行事を開催しました。「スポーツの日」中央記念行事は、1964年に開催された東京オリンピックを記念し、国民がスポーツに親しみ健康な心身を培うという趣旨で祝日に制定された「スポーツの日」に開催しています。

 会場となった東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター・イーストにて抽選で選ばれた参加者が各プログラムを楽しんだほか、特設サイト、YouTube(スポーツ祭り2023チャンネル)において、ライブ配信も実施されました。

■開会式/スポーツ庁長官によるセルフチェックと改善エクササイズ

 まず、午前の部の冒頭に開会式が行われました。開会式にはゲストアスリートとして、宇山賢さん(フェンシング)、小西ゆかり選手(射撃/ライフル射撃)、堀水宏次郎さん(射撃/ライフル射撃)、廣田武司さん(パラ射撃)、土井健太郎選手(パラ卓球)、吉田信一選手(パラ卓球)の6名が参加しました。
 はじめに、室伏広治スポーツ庁長官が、「皆様が今いらっしゃるのは、味の素ナショナルトレーニングセンター・イーストです。ここでは普段、オリンピアンやパラリンピアンの選手たちがトレーニングをしています。今日は色々な体験ができる1日となっていますが、その中にこの施設の見学もあります。世界でも最先端のトレーニング施設ですので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。スポーツの中にはメダルを目指すだけではなく楽しむものもあります。今日は1日楽しんでまいりましょう」と、主催者を代表して挨拶を行いました。

【ゲストアスリートとして参加した、左から宇山賢さん(フェンシング)、小西ゆかり選手(射撃/ライフル射撃)、堀水宏次郎選手(射撃/ライフル射撃)(写真:アフロスポーツ)】

【ゲストアスリートとして参加した、左から廣田武司選手(パラ射撃)、土井健太郎選手(パラ卓球)、吉田信一選手(パラ卓球)(写真:アフロスポーツ)】

 また、来賓を代表して山田加奈子北区区長が、「スポーツは心身の健康のみに留まらず、コミュニティの拠点や街の生きがいを作るなど、人と地域と国を元気にするものだと思います。味の素ナショナルトレーニングセンターを始めとするスポーツ施設が北区にあることは、北区にとっても宝です。今日主催をされておりますスポーツ庁始めとした各団体の皆様とともに、北区も国に向けて、スポーツの発信や振興のお手伝いをさせていただきたいと思います。今日は1日、怪我のないよう楽しんでください」とご挨拶しました。

【挨拶をする室伏広治スポーツ庁長官(写真:アフロスポーツ)】

【挨拶をする山田加奈子北区区長(写真:アフロスポーツ)】

 開会式に続き、『スポーツ庁長官によるセルフチェックと改善エクササイズ』プログラムが行われました。このプログラムではオンサイトだけでなく、広島県尾道市や秋田県にかほ市の会場、そして各ご家庭からもリモートでの参加がありました。
 『セルフチェック』は室伏長官が独自に考案したメソッドで、健康的な日常生活のために自分の身体の状態を把握し、意識的に身体を動かすきっかけ作りを目的としたもので、老若男女問わず自分のペースで簡単に取り組むことができます。今回は11種類あるプログラムのうちの1つである『上半身と下半身の可動性とバランス』のセルフチェックを行いました。片方の肘を90度に曲げてから腕を上げた状態にセットし、肘を下ろすと同時に同じ側の膝を上げて肘が膝頭につくか、そしてバランスを崩さないでその状態を5秒間キープできるかを確認します。このとき背中を丸めないように気をつけるのがポイントです。会場やオンラインの参加者も早速挑戦しましたが、中には上手くできない人もいました。そのような人たちのために、改善するためのエクササイズも室伏長官がレクチャーしました。
 また、セルフチェック以外にもいくつかのエクササイズが紹介されました。新聞紙や紙風船を使用するユニークなエクササイズで、手法自体は子どもでも取り組めるわかりやすいものでした。その反面、普段使用しない筋肉を使うなどエクササイズの効果は高く、室伏長官と一緒にステージ上で実践した宇山さんも汗をかいていました。
 『スポーツ庁長官によるセルフチェックと改善エクササイズ』プログラムが終了すると、参加者は『スポーツ教室&練習見学』『アクティブ・チャイルド・プログラム』『レッツ・チャレンジ!おもしろスポーツ』の3つのプログラムに分かれて参加しました。

【セルフチェックをする室伏長官(左)と宇山さん(写真:アフロスポーツ)】

【子どもたちと触れ合う室伏長官(写真:アフロスポーツ)】

■勝ち飯®教室

 午後の部では『勝ち飯®教室』『安全登山体験』『レッツ・チャレンジ!おもスポパフォーマンス』『スポーツ教室&練習見学』『アクティブ・チャイルド・プログラム』『レッツ・チャレンジ!おもしろスポーツ』の6つのプログラムが行われました。
 『勝ち飯®教室』では、北京2008大会に出場し、現在は管理栄養士として活躍する柴田隆一さん(水泳/競泳)が講師を務め、『「勝ち飯®」の基本を理解し、明日からの食生活に活かしていこう!』のテーマの基、勉強会が行われました。

【『勝ち飯®教室』で講師を務めた柴田隆一さん(水泳/競泳)(写真:アフロスポーツ)】

 まず、それぞれの年齢や日常における運動レベルに応じた、1日に必要なエネルギー量の目安を確認しました。モデルケースとして扱われた『日常的にスポーツに取り組んでいる体重38kgの10歳男子』の場合は、1日に必要なエネルギー量は約2,670kcalという計算になりました。単純にエネルギー量を満たすだけなら、1個260kcalのあんパンを10個食べれば良いという計算になりますが、実際は栄養バランスを整えた上でエネルギー量を満たす必要があります。
 どのように栄養バランスを整えたら良いのかという部分で『勝ち飯®』が紹介されました。『勝ち飯®』は『食事』と『補食』の2つの柱から成り立っています。1日3回の食事においては『主食』『汁物』『主菜』『牛乳・乳製品』『副菜』の『5つの輪』を揃えることを意識すること、そして食事は汁物からスタートするとメリットがあるということが紹介されました。続けて、スポーツ選手は3回の食事だけでは必要な栄養を満たせないことが多いということから、目的に応じて必要な栄養を必要なタイミングで摂るための『補食』について説明がありました。エネルギーやたんぱく質の補給を目的とした際に推奨される補食の例などが紹介された後、味の素株式会社がアスリートのコンディションをサポートするために考えた『勝ち飯®』メニューである『Power Ball®』が紹介されました。『Power Ball®』はだしのうま味が効いた小分けのおにぎりで、試合の合間や練習時など、時間のないときでも 手軽に食べることができるのが特徴です。試食した参加者からは「美味しい」という声がたくさんあがりました。
 最後に柴田さんが「食事は目的ではなく手段です。スポーツやそれ以外のことでも、それぞれの目標を達成するために食事を摂るということが大切です。あまり突き詰めすぎず、何よりも『みんなで楽しく食べる』ということを大事にしてください」とコメントし、プログラムが締めくくられました。

【『Power Ball®』を試食する参加者(写真:アフロスポーツ)】

■スポーツ教室の実施

 当日は、卓球、フェンシング、ライフル射撃の専用練習場内でオリンピアン協力のもと、スポーツ教室等が実施されました。

卓球の体験教室では、馬場美香さん(オリンピアン)や開会式にも参加した土井健太郎選手(パラアスリート)、吉田信一選手(パラリンピアン)が、子どもたちと一緒に汗を流しました。ウォーミングアップやボール遊びで体を温めてから、卓球の基本となるフォアハンド打ちやバックハンド打ちの練習と、車いす卓球を体験しました。その後、参加者とスタッフとでチャレンジマッチを行い、約2時間の体験教室が締めくくられました。参加者の子どもたちは卓球の楽しさを十分に味わい、笑顔で会場を後にしました。

【卓球の体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

 フェンシング場では、宇山賢さん(オリンピアン)の解説の基、日本代表選手の練習見学会が行われました。また、日本代表選手が9月に実施された第19回アジア競技大会(2022/杭州)の金メダルを披露し、参加者は嬉しそうに触っていました。その後、体験教室が実施され、各種目(フルーレ・エペ・サーブル)の違いや競技ルールの説明を行い、基本動作となるフットワークや突きの練習をしました。最後は、プラスティック製の剣やマスクを着用し、フェンシングと車いすフェンシングを体験しました。

【フェンシングの体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

【フェンシングの体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

【フェンシングの体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

 ライフル射撃の体験教室では、小西ゆかり選手(オリンピアン)、堀水宏次郎さん(オリンピアン)、廣田武司さん(パラリンピアン)による数発の射撃デモンストレーションの後、体験教室が行われました。参加の子どもたちは、10m先の的に向かってビームライフルやビームピストルによる射撃をし、最後には、実際の競技会で行われるファイナル(決勝戦)を模した内容で、緊張感あふれるファイナル体験もしました。また、会場内には、実際に選手が着用した競技用ウェアが置いてあり、参加者が興味深く見学する様子が伺えました。

【ライフル射撃の体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

【ライフル射撃の体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

【ライフル射撃の体験教室に参加する子どもたち(写真:アフロスポーツ)】

 またこの日、会場の1階エントランスにはパリ2024オリンピック・パラリンピック関連のパネルやマスコットが展示されました。参加した親子はパネルを見て、来年に迫ったパリ2024大会の情報をチェックしていました。

【エントランスに展示されたパネルやマスコット(写真:アフロスポーツ)】

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著者プロフィール

日本オリンピック委員会(JOC)は、「スポーツの価値を守り、創り、伝える」を長期ビジョンとして掲げ、オリンピックの理念に則り、スポーツ等を通じ世界の平和の維持と国際的友好親善、調和のとれた人間性の育成に寄与することを目的に活動しております。 JOC公式ウェブサイトでは、各種事業の活動内容をはじめ、オリンピック日本代表選手団や、世界で日本の代表として戦う選手やそのチームで構成されるTEAM JAPANに関する最新ニュースや話題をお届けします。

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