大怪我から復活した三好康児:「ワールドカップ出場は僕の一番の目標」

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昨年の10月に負った左膝前十字靭帯断裂の重傷から見事に復活を果たしてイングランドのバーミンガムシティでプレーする三好康児。リハビリから現在までの心境や次のワールドカップへの想いなどについてFIFAのインタビューに語ってもらった。

【@FIFA】

若き頃から卓越したテクニックとインテリジェンスを兼ね備えた日本のアタッカーである三好康児は、日本でプロデビューを果たしてベルギーリーグを経験した後、今はイングランドのバーミンガムシティで日々熾烈な競争に巻き込まれながらプレーをしている。

三好は2013年のU-17ワールドカップ、2021年に行われた東京五輪でもU-24日本代表に選出されて出場するなど、各世代別代表の常連メンバーであった。A代表としても通算5キャップを持っているが、昨年10月に左膝前十字靭帯断裂という大怪我に見舞われ、1年近くは最前線から離れることを余儀なくされた。

そんな三好康児にFIFAが独占インタビューを行い、彼の現在地点やバーミンガムという新天地についての振り返り、また次回のワールドカップに向けた想いなどについて赤裸々に語ってもらった。

まずは今シーズンからバーミンガムシティに移籍して、(イギリスの)チャンピオンシップでプレーしていますが、今シーズンをここまで振り返っていただけますか?

8月からシーズンが開幕して3ヶ月が経ちましたが、順応という部分では難しさを感じてやっています。特に最近は監督が交代したこともあり、戦術や新しい監督の考え方に順応するというところで、試行錯誤を繰り返している段階です。

(リーグ戦は全16試合に出場して3ゴール2アシストで)手応えを掴んでいるところもありますし、まだまだ改善しないといけないところもあります。去年は10月に大きな怪我をして、シーズンのほとんどをリハビリに費やしたので、今シーズン序盤はその怪我の回復具合や自分の体と相談しながら順応する難しさは感じました。

徐々にコンディションも上がってきて、今はフルにチームのためにコミットできる状態にまで仕上がっているので、今後はもっと結果を出していかないといけないと思っていますし、自分がチームを引っ張らなきゃいけないという責任感も感じています。

【@FIFA】

チャンピオンシップはとてもハードなリーグだと思いますが、ここまでどのような印象をお持ちですか?

ここのリーグでプレーする前から、このチャンピオンシップはフィジカルやプレーの強度が高いことは知っていました。そこは実際にプレーしてみても想像通りという感じでしたね。

いいポジションを取れなかったり、少しでもプレーの判断が遅くなってしまうとボールを奪われたりしてしまうので、これまで以上に頭を使ってプレーすることを意識しています。

チャンピオンシップは上から下のチームまで実力が拮抗していて、どの試合もどこが勝つか予想が難しいです。そこの部分を楽しめてプレーできていますし、今はこのリーグでプレーする初めての年なので、毎試合しっかり相手チームを分析しながら日々トレーニングに励んでいます。

イングランドはサッカー熱が高いと感じていますし、特にバーミンガムシティのファンは非常に情熱的だと思います。なかなかまだ結果を出しきれていないですが、チームと個人でも毎試合手応えは感じられていますし、自信は芽生えてきていると思います。

先月クラブはイングランド代表のレジェンドであるウェイン・ルーニー氏を監督に招聘しましたが、彼の印象はいかがですか?

誰もが知っているレジェンドの選手ですから、チームの全員が彼へのリスペクトを持っています。監督自身もオープンで選手との対話を望んでいるので、気兼ねなく話せるところはあります。

それでも、まだ就任して一ヶ月なので、深いコミュニケーションはまだ取れていないです。監督には自分の特徴を伝えていかないといけないですし、彼がどのようなサッカーをしたいのかこれから理解する必要はあると思っています。

昨年の10月に左膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、そこからリハビリしての現在ですが、この1年間はどのように思い返しますか?

自分が復帰した時に何ができるかをイメージして、それに向けてリハビリを続けてきました。怪我した時にモチベーションを保つ難しさはありましたが、復帰できる怪我だとわかっていたので、それを励みに努力をし続けることができました。

ちょうど同じ時期にカタール2022が開催されていて、一人で試合を観戦していました。あの大会に参加できなかった悔しさもありましたが、それ以上に次の大会に出るために何をしたらいいかを考えるきっかけを与えてくれて、リハビリを頑張るモチベーションにもなりましたね。

【@FIFA】

入団前のコメントで「(日本代表に再び選ばれることは)僕の目標のひとつですが、まずはここのピッチに立って、自分を証明する必要があります」と言っていましたが、日本代表は三好選手にとってどんな位置付けですか?

今の日本代表の競争は熾烈で、特に自分のポジションである右サイドや真ん中にはクオリティの高い選手が揃っています。それでも自分がそこに割って入って日本を背負ってプレーしたい気持ちは持っています。

まずは所属チームで結果を出し続けないといけないですし、僕は1年間怪我をしていたので、今選ばれている選手たちよりももっと頑張らなきゃいけない立場にいると思っています。

ただ今代表に選ばれてもやれる自信はありますし、他の選手に負けていないとは思っていますが、客観的に見てまだ周りを納得させられるだけの絶対的な結果は出していかないといけないですね。

次のワールドカップはアメリカ、メキシコ、カナダの3カ国で共同開催されます。このワールドカップについて、三好選手はどのような目標を掲げているのでしょうか。

サッカーをやっている中での一番の目標はワールドカップの舞台でプレーすることです。前回大会はメンバーに入れずその舞台を経験できませんでしたが、今の日本代表は次の大会で優勝を目指して戦うという目標を掲げていると思うので、僕自身もその大きなゴールに貢献できればいいなと思っています。

ただまだ3年後で時間はありますし、今は毎日の積み重ねを大事にして目の前のことに集中していけば、その先にきっと道が拓けてくれるはずです。

今インドネシアではU-17ワールドカップが行われており、残念ながら日本はスペイン相手に1-2で破れてしまいました。三好選手も2013年に同大会に参加してベスト16に貢献しましたが、あの時の経験はどのように活かされましたか?

自分自身にとってワールドカップという大会に出たのはあれが初めてでした。チームとして手応えも感じていましたし、グループステージは3連勝でノックアウトステージに進むことができました。

(ノックアウトステージではスウェーデンに1-2で敗れて)結果的に僕らが試合を支配していたにも関わらず足元を掬われた形になってしまいました。どの年代でも
日本は勝負弱いと言われていますが、一発勝負のトーナメントでの弱さはまだまだ課題だなと感じています。

僕はあの大会の時点ではまだプロではありませんでしたが、あの舞台では世界で既にプロとして活躍している選手たちと対峙して、競っていくためにはもっと特徴を出していかないといけないとか、何が必要かを考えさせられました。それが今の海外でプレーするという選択肢にもつながっているんだと思います。
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