カタール2022を経験した権田修一の思い:「常に高いレベルを目指して、日常を変えていかないといけない」
サムライブルーがカタール2022のグループステージでドイツを破る金星をあげてから1年。チームを牽引した守護神の権田修一にFIFAが独占インタビューを行い、当時の心境や大会後の学びについて語ってもらった。
【@FIFA】
全世界のサッカーファンを熱狂と興奮に巻き込んだカタール2022から早くも1年が経過した。アルゼンチンの優勝で幕を閉じた1ヶ月間に及ぶトーナメントでは、予想もしない多くのサプライズが巻き起こった。
グループEのサムライブルーの躍進はまさにそのサプライズのうちの一つだろう。大多数の者が優勝経験のあるドイツとスペインが勝ち上がることを予想していたグループで、結果的にその2チームを破ってノックアウトステージに進出し、文字通り世界を驚かせてみせた。
この快進撃の発端であるドイツ戦で、日本のゴールマウスを守って逆転勝利に貢献し、MOMを獲得したのがキーパーの権田修一である。世界的ゴールキーパーのマヌエル・ノイアーの壁を打ち破った堂安律や浅野拓磨のゴールに焦点が集まりがちだが、数多くの窮地を救った権田のセーブがなければ、この試合の日本のサプライズは実現しなかったことだろう。
カタール2022の日本対ドイツから1周年のこの日に、FIFAは権田修一選手に独占インタビューを行い、彼の印象的なパフォーマンスや大会を通しての心境の移り変わりなどについて聞いた。
FIFA:カタールワールドカップから1年が経過しましたが、あらためて権田選手にとってはどのような大会だったのでしょうか。
権田:ワールドカップという大会はサッカーをやっている人なら誰もが夢見る大会です。僕は2014年のメンバーには選出されていましたが、2018年の大会には選ばれませんでしたので、(カタール2022は)8年越しの思いが詰まった大会でした。
日本代表はグループステージを突破しましたが、目標であったベスト8には届かず、悔しさやもっと貢献したいという思いが強かったです。自分の夢が叶ったという嬉しさと同時に、また次の大会でもっといい成績を残したいと思わせてくれた大会でした。
ドイツ戦では先制を許しながら、劇的な逆転勝利。見事なパフォーマンスを見せた権田選手はMOMを受賞しました。8年越しのワールドカップでデビュー戦の相手がドイツでしたが、あの時の試合の振り返りと心境を教えてもらえますか。
もちろん国を背負う重圧は感じていましたが、今まで自分が培ったことを信じてそれをピッチで発揮するだけだという気持ちで臨みました。
あの試合では、僕のミスで前半にPKを与えて先制を許してしまったので、試合の入りはよくなかったです。試合を通してピンチは多かったですが、ドイツ相手ならばそれは想定通りでしたし、自分たちも多くのチャンスを作り出せるとは思っていませんでした。
勝つ確率を少しでも上げるために、最少失点で抑えようという意識は高かったですし、自分のミスで先制を許して動揺してもおかしくない展開でしたが、冷静さを保ちながら90分間いいパフォーマンスを続けられたからあの結果に繋がったと思います。ただ正直に言うと、勝ったことが嬉しすぎて、試合が終わった後は自分がMOMに選ばれたという感覚がなかったです。
グループEのサムライブルーの躍進はまさにそのサプライズのうちの一つだろう。大多数の者が優勝経験のあるドイツとスペインが勝ち上がることを予想していたグループで、結果的にその2チームを破ってノックアウトステージに進出し、文字通り世界を驚かせてみせた。
この快進撃の発端であるドイツ戦で、日本のゴールマウスを守って逆転勝利に貢献し、MOMを獲得したのがキーパーの権田修一である。世界的ゴールキーパーのマヌエル・ノイアーの壁を打ち破った堂安律や浅野拓磨のゴールに焦点が集まりがちだが、数多くの窮地を救った権田のセーブがなければ、この試合の日本のサプライズは実現しなかったことだろう。
カタール2022の日本対ドイツから1周年のこの日に、FIFAは権田修一選手に独占インタビューを行い、彼の印象的なパフォーマンスや大会を通しての心境の移り変わりなどについて聞いた。
FIFA:カタールワールドカップから1年が経過しましたが、あらためて権田選手にとってはどのような大会だったのでしょうか。
権田:ワールドカップという大会はサッカーをやっている人なら誰もが夢見る大会です。僕は2014年のメンバーには選出されていましたが、2018年の大会には選ばれませんでしたので、(カタール2022は)8年越しの思いが詰まった大会でした。
日本代表はグループステージを突破しましたが、目標であったベスト8には届かず、悔しさやもっと貢献したいという思いが強かったです。自分の夢が叶ったという嬉しさと同時に、また次の大会でもっといい成績を残したいと思わせてくれた大会でした。
ドイツ戦では先制を許しながら、劇的な逆転勝利。見事なパフォーマンスを見せた権田選手はMOMを受賞しました。8年越しのワールドカップでデビュー戦の相手がドイツでしたが、あの時の試合の振り返りと心境を教えてもらえますか。
もちろん国を背負う重圧は感じていましたが、今まで自分が培ったことを信じてそれをピッチで発揮するだけだという気持ちで臨みました。
あの試合では、僕のミスで前半にPKを与えて先制を許してしまったので、試合の入りはよくなかったです。試合を通してピンチは多かったですが、ドイツ相手ならばそれは想定通りでしたし、自分たちも多くのチャンスを作り出せるとは思っていませんでした。
勝つ確率を少しでも上げるために、最少失点で抑えようという意識は高かったですし、自分のミスで先制を許して動揺してもおかしくない展開でしたが、冷静さを保ちながら90分間いいパフォーマンスを続けられたからあの結果に繋がったと思います。ただ正直に言うと、勝ったことが嬉しすぎて、試合が終わった後は自分がMOMに選ばれたという感覚がなかったです。
【@FIFA】
チームの雰囲気はどんな感じだったのでしょうか。ドイツに勝利して、これはさらに自信が深まったのでしょうか。
まずは目標としていた初戦のドイツ戦に勝利したことで、自分たちが積み重ねてきたことが間違ってなかったということにまず自信を持つことができました。また、この試合に勝利したことで、日本もドイツのような世界のトップのチームと対戦しても渡り合えるんだという自信をチーム全体として深めることができたと思います。
その後グループステージ第二戦のコスタリカ戦では、欲しかった勝ち点を得ることができずに敗戦。あの逆境を権田選手はどのように感じていましたか?
大会前の抽選でコスタリカと同組になった時に、コスタリカとの試合はとても難しい試合になることは予想できていました。日本にとってはこれまで北中米のチームに苦戦する傾向がありましたから、厳しい試合になるはずだとチーム全体として考えていました。
コスタリカは初戦でスペインに大敗しており、第二戦はしっかり守備をして堅実な戦いをしてくることは見えていましたので、簡単な試合になるとは思っていませんでした。予想通り、コスタリカは僕らが嫌がることをやってきましたし、結果的に勝ち点が取れなかった苦しい試合になってしまいました。
幸いにも僕らの試合が昼に行われて、夜に同じ組のドイツ対スペイン戦がありました。コスタリカ戦の後に宿泊先に戻って、チーム全員で食事をしながらその試合を観戦していました。負けた事実が変わらない中で、ドイツとスペインが引き分けたことで、次の試合に勝つしかないということが明確になったので、すぐに気持ちを切り替えることができました。
あの時に僕らの試合(日本対コスタリカ)が後だったら、また違っていたかもしれません。大会のレギュレーションによって変わりますが、今回は僕らの試合が先だったということが幸運だったと思っています。
今後日本がトップを目指すためにはどのようなことをが求められますか?
今や多くの日本人がヨーロッパの主要リーグでプレーするようになってきて、今シーズンはチャンピオンズリーグやヨーローパリーグでプレーする日本人選手もいます。そういったワールドカップに近い雰囲気や重みのある大会やリーグで経験を積むことが必要になってくるかと思います。
日本がワールドカップに初出場した時には、アルゼンチンのバティストゥータやサネッティなどのビッグネームに怖気付いていたところもあったかもしれませんが、今はブンデスリーガでプレーする日本人が増えて、ドイツ代表と対戦してもプレッシャーに感じることはなくなりました。
たくさんの日本人選手がトップレベルの環境でプレーすることが日常となったことが、日本サッカーにとっては大きな成長だと感じていますし、今後さらにそういった選手が増えてくることが重要だと考えています。
[フルインタビューはFIFAのホームページでご確認ください]
まずは目標としていた初戦のドイツ戦に勝利したことで、自分たちが積み重ねてきたことが間違ってなかったということにまず自信を持つことができました。また、この試合に勝利したことで、日本もドイツのような世界のトップのチームと対戦しても渡り合えるんだという自信をチーム全体として深めることができたと思います。
その後グループステージ第二戦のコスタリカ戦では、欲しかった勝ち点を得ることができずに敗戦。あの逆境を権田選手はどのように感じていましたか?
大会前の抽選でコスタリカと同組になった時に、コスタリカとの試合はとても難しい試合になることは予想できていました。日本にとってはこれまで北中米のチームに苦戦する傾向がありましたから、厳しい試合になるはずだとチーム全体として考えていました。
コスタリカは初戦でスペインに大敗しており、第二戦はしっかり守備をして堅実な戦いをしてくることは見えていましたので、簡単な試合になるとは思っていませんでした。予想通り、コスタリカは僕らが嫌がることをやってきましたし、結果的に勝ち点が取れなかった苦しい試合になってしまいました。
幸いにも僕らの試合が昼に行われて、夜に同じ組のドイツ対スペイン戦がありました。コスタリカ戦の後に宿泊先に戻って、チーム全員で食事をしながらその試合を観戦していました。負けた事実が変わらない中で、ドイツとスペインが引き分けたことで、次の試合に勝つしかないということが明確になったので、すぐに気持ちを切り替えることができました。
あの時に僕らの試合(日本対コスタリカ)が後だったら、また違っていたかもしれません。大会のレギュレーションによって変わりますが、今回は僕らの試合が先だったということが幸運だったと思っています。
今後日本がトップを目指すためにはどのようなことをが求められますか?
今や多くの日本人がヨーロッパの主要リーグでプレーするようになってきて、今シーズンはチャンピオンズリーグやヨーローパリーグでプレーする日本人選手もいます。そういったワールドカップに近い雰囲気や重みのある大会やリーグで経験を積むことが必要になってくるかと思います。
日本がワールドカップに初出場した時には、アルゼンチンのバティストゥータやサネッティなどのビッグネームに怖気付いていたところもあったかもしれませんが、今はブンデスリーガでプレーする日本人が増えて、ドイツ代表と対戦してもプレッシャーに感じることはなくなりました。
たくさんの日本人選手がトップレベルの環境でプレーすることが日常となったことが、日本サッカーにとっては大きな成長だと感じていますし、今後さらにそういった選手が増えてくることが重要だと考えています。
[フルインタビューはFIFAのホームページでご確認ください]
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ