三ヶ島かな-漆黒の決意で64『もう勝つしかない』

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 JLPGAツアー2023シーズン第36戦『第39回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が11月10日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,741ヤード/パー72)で開幕。大会第1日、三ヶ島かなが64をマークし、8アンダーで首位に立った。1打差の7アンダー、2位は岩井明愛。3位タイの6アンダーで蛭田みな美、鶴岡果恋、小祝さくら、ペソンウが追う。
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《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:22mm》

 今季2度目の64。三ヶ島かなが9バーディー、1ボギーと素晴らしいプレーを披露し、ロケットスタートを決めた。「パッティングが良かった。もちろん、ショットもですけどねぇ」という。漆黒のウェアに身をつつみ、この日はより強さを想起させた。今季も残り3戦。「もう、勝つしかない」との心情が伝わってくる。

 メルセデス・ランキングは現在、67位。しかし、JLPGAツアー選手権リコーカップを21年に優勝し、複数年シードを取得済み。もし、シード圏外でも権利を行使すればいい。しかし、「使うつもりはありません。QTの準備もしています」と話した。続けて、「(シードが)ダメでももう一度、自力で復活したい。(複数年シードは)大事にとっておくものだし、私は引退するまで使いたくはありません」と胸中を語った。

 今季の不振は3月のアクシデント、左ヒザのじん帯損傷が大きく影響。満足のいくラウンドは、「きょうと、第2戦の第1日ぐらいです」と振り返った。続けて、「悪いことを引きずってしまうタイプ。でも、残り試合が少ないから、今を大事にしよう。たとえミスをしても開き直ればいい。そんな感じで割り切ったら、今回は調整の段階から、すべてがうまくいった。おかげで、きょうはどのショットもうまく打てましたよ」とほほ笑んだ。

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 追い込まれて強さを発揮することがプロの証明。前記したように、複数年シードを使わない-固い決意がそうさせたのだろう。努力は報われる。この日、幸運のアイテムとなったのは、10月のスタンレーレディスホンダゴルフトーナメントから使い始めたクラシックパター。26年前のミズノプロRH-63だ。「古いパターに興味をもって、いろいろと試してきました。ただ、使い始めてから、私向きにいろいろと改良を重ねて、ようやく今回、ピタッと合うように・・・。ストロークした感じが何ともいえないように素晴らしい。思い通りの打球が出て、グリーン上でボールの推進力がすごい。きれいな回転をする」と、大絶賛の言葉が次々と飛び出す。まさに、エースだ。

 しかも、「ヘッドが真っ黒で光っていないところも、お気に入りのひとつです。こういうものを求めていた。どのぐらい打てば、どのぐらいの距離が出るなどフィーリングもつかんだ。とても、いい出会いです」。これは、もう、当の本人しかわからない世界だ。

 スタートの10番、8メートルのバーディーをカップインさせた。続く11番では残り152ヤードの第2打をピン50センチへ運ぶ、アイアンショットの切れがさえる。心技体がひとつになって、スーパープレーを後押し。漆黒のウェア、黒のパターヘッドまでも、主役である選手を一段と引き立てた。(青木 政司)

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

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