【アルビ日記】2023-31:vs京都 1-0

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チーム・協会

【【アルビ日記】2023-31:vs京都 1-0】

【これはnoteに投稿されたしなのがわの大輔さんによる記事です。】

「貫くこと、変えること」

試合情報

・10/28(土)14:00キックオフ
・@サンガスタジアム by KYOCERA。晴
・新潟11位、京都15位

アルビレックス新潟・スタメン

GK小島享介。DF藤原奏哉、トーマス・デン、渡邊泰基、新井直人。MF秋山裕紀、高宇洋、松田詠太郎、高木善朗、太田修介。FW鈴木孝司。
【途中出場】三戸舜介、ダニーロ・ゴメス、小見洋太、谷口海斗、舞行龍ジェームズ。

試合ダイジェスト

【前半】
34分、セットプレーから新潟が先制。右サイドで得たFK、高木のクロスをファーに回り込んだ渡邊泰基が左足で合わせた。1-0で前半終了。

【後半】
京都はハイプレスを緩めず。新潟もロングパスを織り交ぜながら対抗する。終盤、パワープレー気味に押し込んでくる京都に対し、新潟は5バックを敷いて応戦。新潟が逃げ切り、1-0で試合終了。

いなし方

新潟は豪雨に見舞われたが、画面の中の京都はさわやかな秋晴れ。西日本の天気が羨ましい季節になってきた。

J2時代からハイプレスvsポゼッションで真っ向勝負を繰り広げてきた京都は、アルビにとって良きライバルだ。
この試合も京都は、やっぱり猛烈なハイプレスをかけてきた。京都がブレずに京都のサッカーを貫いてくれるのは、相まみえるこちら側としてもなんだか嬉しい。いろんなスタイルが見られるのがサッカーの醍醐味。



京都のハイプレスは、どのチームにも増して激しい。前節の鳥栖もなかなかだったが、京都のハイプレスは音がする。ビシビシ、ギュンギュンと鳴る。

アルビの呼吸(ビルドアップ)を止めに来ているわけだが、今日のアルビの組み立ては、少し趣を変えていた。

前線へのロングパス多め

右の松田詠太郎、左の太田修介が、裏抜けのアクションを何度も見せる。それに合わせるように、後方からロングパスが供給される。

3トップがアルビDF陣にかける京都のプレッシング、その的を絞らせない。ずらす。それから裏への脅威を与え続け、ラインを高く上げさせない。
で、後ろにスペースをできたら、ボールを回す。

こういう臨機応変さが、この試合、アルビに勝点3をもたらした。



ハイプレス対策としてのこの方法は、ショートパスとロングパスのバランスが大事。あまり長いのをやりすぎても単調になるし、短いのばかりだと窮屈になる。

ただ、京都のサッカーのいなし方としては、アルビのやり方は功を奏していたように見えた。

労を厭わない京都の前線からの追い込みは脅威で、ショートパスにこだわっていたらアルビのサッカーはもう少ししんどくなっていただろう。

パワー対策

今日のアルビは、後ろ3枚の奮闘が光った。

日本代表に選出されて帰ってきたGKの小島享介は、安定したボールさばきで後方からの組み立てを司った。ピッチ全体が良く見えていて、相手FWに追いかけられながら、空いているところにピシッと届けるキックは職人芸。終盤、京都FW木下のヘディングを防いだビッグセーブは、一点ものだった。

CBのトーマス・デンは、しなやかな身のこなしでプレスの勢いを削ぎながらボールをグイグイ前進させる。彼の「運び」は本当に効いている。

相棒の渡邊泰基は、もちろん今日のヒーロー。先制ゴールを奪い、その後も集中したディフェンスで隙を与えなかった。
サイドバック出身。クロスを上げまくっていた左足から放たれるロングパスやサイドチェンジは、組み立てのいいアクセントになっている。



終盤、京都はパワープレー気味に圧をかけてきた。
原大智を筆頭に、木下康介、パトリックと重量級FWを次々と投入。アルビを圧死させようとしてきた。

対するアルビも、これまでなかなかった見られなかった策で応戦。

ボランチの高宇洋に代えて、舞行龍ジェームズを投入。舞行龍はデン、渡邊泰基の間に陣取り、5バックを形成した。

これまでのアルビだったらなかなかみられない戦術だった。
中盤を減らし最終ラインを増やす。
残り10分とはいえ、ボール保持を最優先とするアルビにとっては、一貫性が揺らぎかねない決断だったかもしれない。

ただ、これは成功だった。パトリックらに集めてくるハイボールを、屈強なDF陣が跳ね返す。後ろが厚い分、前のボールにも思い切って出ていける。

さらに交代で入ったフレッシュな前線(谷口、三戸、小見、ダニーロ)がカウンターの鋭さを担保していて、京都も「全員攻撃」というわけにはいかなかった。

結果的に京都を完封し、アルビはアウェーで勝点3を手に入れた。



ポゼッションスタイルを貫き、結果を出してきたアルビ。

ここに来て、ロングボールや5バックといった「変化」が見え始めた

スタイルを貫く哲学もいいが、勝点3をとる、という目標を見据えて、柔軟に方法を変えるやり方も、いい。

ある意味、一貫性のあるスタイルに自信があるから、状況に応じた変化をつけられる、という見方もできる。

立ちかえる場所があるというのは、心強い。


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