【柏レイソル】川崎との決戦続く!リーグ戦&天皇杯決勝「2023Reysol Report Vol.19」

柏レイソル
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 10月8日に行われた天皇杯準決勝で、ロアッソ熊本戦に4−0で勝利したレイソルは、12月9日の天皇杯決勝へのチケットを手にし、11年ぶりの天皇杯優勝に王手をかけた。そして、その決勝戦でタイトルを懸けて戦う相手こそ、今節対戦する川崎フロンターレとなる。
 フロンターレとは、リーグ戦終盤での対戦にして、そこからわずか1カ月半後にカップ戦の決勝で再戦が控えているというこのシチュエーション。それは今回の対戦にどの程度影響するのだろうか。

5月のアウェイ戦では持ち味を出せないまま敗戦 【©️KASHIWA REYSOL】

 決勝戦に限らず、リーグ戦とカップ戦は全く別物だとは、よく聞く話である。レイソルの歴史を振り返ってみても、代表的な例として挙げられるのが、2013年のヤマザキナビスコカップの決勝戦だろう。決勝戦の1週間前に行われたリーグ戦第30節では浦和レッズに1−2と敗れながら、11月2日の決勝戦では、工藤壮人の決勝弾によって1−0で勝ちきったレイソルが14年ぶりのナビスコカップ優勝を成し遂げた。紛れもなく、リーグ戦とカップ戦が全くの別物だということを裏付ける試合だった。

2013年は浦和との連戦でカップ戦を制覇 【©️KASHIWA REYSOL】

 天皇杯決勝が行われるのは、リーグ戦の全日程終了後。となれば、現在はメンバーに入っていない選手でも、この1カ月半の間に大きく調子を上げて、天皇杯決勝の頃には主力としてメンバーに絡んでくるかもしれない。逆に、犬飼智也や山田雄士のように、前所属クラブで天皇杯に出場していたため、リーグ戦では主力としてプレーしていても、決勝戦には出られない選手もいる。つまり、双方が今回の試合と同じメンバー構成で決勝戦を戦うとは限らない。

川崎には世界的ストライカー、ゴミスが加わった 【©️J.LEAGUE】

 もちろん影響がないわけではない。今年8月に加入したフロンターレの外国籍選手、バフェティンビ・ゴミス。かつてオリンピック・マルセイユやガラタサライでも活躍したストライカーは、今節はレイソルにとって初めての対戦となる。圧倒的なフィジカルを誇る元フランス代表選手の実力を、レイソルのディフェンス陣が実戦で体感しておくことは、天皇杯決勝へ向けた対策にもつながる。
 その点に関しては、ジエゴは「リーグ戦に全身全霊を懸けて戦う」ことを前提とした上で「実戦で相手がどういう戦い方をするかを感じることは非常に実践的。相手の出方を見定めて、その上で決勝戦に向けて対抗策を練っていく」と話していた。

5月は負傷欠場だったジエゴ、出場すれば家長封じの大きなミッション 【©️KASHIWA REYSOL】

 フロンターレとの前回対戦は5月28日、井原監督就任2試合目で、まだ新チームとしての戦い方が定まっていない時期でもあった。周知のとおり、レイソルは中断期間中にチームの戦い方が整理され、8月以降は成績が大きく上向いた。前回対戦時と現在とでは、メンバー編成的にも異なる部分が多く、中でも前回対戦ではサイドハーフで出ていた山田康太は、今では2トップの一角を担い、攻守において代えの効かない選手の一人となった。細谷真大と山田康太の前線からの守備は今のレイソルの生命線であるが、決勝戦に向けて手の内を隠そうと、レイソルがその戦い方を変えるわけがない。今は残留が懸かっているのだから、なおさらである。

「天皇杯決勝はリーグ戦が終わってからのことなので、残りの4試合では目の前の1試合1試合に集中する。天皇杯は頭の片隅に置いておくぐらいです」
 井原正巳監督はそう話し、まずはリーグ戦の試合に集中することを重要視しており、レイソルの選手たちも同様に、皆が「まずはリーグ戦に集中」という言葉を発している。その共通意識にブレはなかった。

8月以降チームを立て直した井原監督。最後の山場をどう戦うか 【©️KASHIWA REYSOL】

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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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