鈴木愛が好発進『ほぼ完ぺきな内容』

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鈴木 愛 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)第1日

 鈴木愛にとって、当コースはラッキースポット。首位から1打差の4位は19年以来、2度目のVへ向け好スタートといえるだろう。最終18番、カップをかすめた、あわやイーグルのシーンに大勢のギャラリーからため息が漏れる。本当に惜しかった。それでも、より慎重にバーディーパットを沈める。ちょっとした油断が怖い。

 「15番でちょっと待ち時間があり、少し眠くなった。17番で1メートルのパーパットを外したのは、そんな気のゆるみが影響したのかもしれない」。見事なバウンスバックの裏には、そんな事情があった。

 前週、ショットの不調に苦しんだ。「1W以外、まっすぐにボールが飛ばない。だから、スイングのことばかりを考えていた」という。ところが、今回は一変。「ショットを含め、ほぼ完ぺきな内容です」という。これがゲンの良さだ。夏から秋口にかけて不調にあえいだが、19年は今大会から一変。3週連続優勝を飾り見事、2度目の賞金女王へ輝いた。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 「練習場が打ち下ろし。スイングのことばかりを考えすぎたから、リセットした。シンプルにアドレスの向きを徹底チェック。そういう時って、打ち下ろしがいいんです」と解説する。続けて、「アドレスと感覚のズレを修正したら、本当にショットが良くなって…。しかも、アイアンショットがすごくいいから、ほぼ狙い通りに手前から攻められた。おかげで難しいバーディーパット、惜しかったバーディーパットがない。こういうプレーをしていれば、日を追うごとにパッティングが良くなる」と、確かな手応えを得た。

 ただし、「結果ばかり求めてもいいことはありません。他の選手より、ちょっといいショットを打って、他の選手よりちょっといいパッティングをすればいい。それを実現するために、練習をします」と、笑顔で練習場へ直行している。

 そういえば、少しだけ変化を発見。最近のウェアは黒を好むことが多い。以前は青。そして、白へと変遷していく。この日は黒。「前は黒を着ると、スコアがいまひとつだったから…。だけど、プライベートでは大半が白か黒ばかりです。モノトーンが好きだから」と打ち明けた。

 ちなみに、黒色はプロフェッショナルに見える効果があるそうだ。あすはムービングデー。ラウンド中のリラックスは大切だが、気のゆるみは絶対に禁物-を再確認した第1日だった。 (青木 政司)
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