早大ラグビー蹴球部 計10トライの猛攻を見せ、70ー7で成蹊大に圧勝! 

チーム・協会
関東大学対抗戦 10月1日 対成蹊大 栃木・足利ガスグラウンド
【早稲田スポーツ新聞会】記事 川上璃々、写真 原旺太

 時折小雨が降る中、栃木・足利ガスグラウンドにて成蹊大との関東大学対抗戦(対抗戦)第3節が行われた。「ディフェンス、ブレイクダウンにしっかりコミットしよう」(CTB伊藤大祐主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)と挑んだ早大は、激しいプレーで猛攻を仕掛け、前半のみで42得点を獲得。後半も、安定感のあるセットプレーを見せトライを量産し、70ー7で快勝を収めた。

 成蹊大のキックオフで試合はスタート。前半12分、敵陣22メートル地点でのラインアウトから左へ展開。伊藤からFB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)へ素早いパスがつながり、ギャップを突いて先制トライを挙げた。直後には、NO・8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)が自陣から相手を振り切って一気に敵陣奥深くへ前進。インゴールには届かなかったものの、相手のハイタックルでペナルティーを獲得し、ラインアウトモールで押し込みトライに成功した。続く20分、フェーズを重ね、徐々に敵陣に攻め入った早大。LO細川大斗(社4=東京・早実) が22メートルラインまで駆け上がると、サポートに入った松沼がインゴール中央へ飛び込んだ。その後も相手に得点機を与えず、常にマイボールを保持。そして35分に、再びルーキー松沼が魅せる。CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台) 、伊藤を中心に大きくボールを動かした展開プレーで相手ディフェンスを翻弄していく。最後は22メートルラインから松沼が相手を一人、二人見事にかわし、ゴール中央にグラウディング。合計6トライを獲得し、42ー0で試合は後半へ。

本試合4トライを挙げ、プレーヤーオブザマッチに選出されたNO・8松沼 【早稲田スポーツ新聞会】

 迎えた後半、6分、11分、21分に3連続でラインアウトモールから得点を重ねた早大。「永嶋(FL永嶋仁、社4=東福岡)を筆頭とした5人の4年生FWが中心になって、まとまっていた」と大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)も評するように、安定感のあるセットプレーを見せた。30分には、松沼がディフェンスの隙を突き、22メートルラインまで駆け抜けると、パスを受けたFL粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が力強いキャリーでつなぐ。再び松沼がボールを持ち出し、勢いよくインゴールへ飛び込んだ。SO野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星) が計10回分全てのトライのキックを成功させ、早大は70得点に。終盤に自陣奥深くで反則を取られ、モールトライを献上したものの、終始相手を圧倒し、70ー7で対抗戦3連勝を飾った。

相手をかわし、キャリーするCTB伊藤 【早稲田スポーツ新聞会】

 80分間常に主導権を握り、大差で勝利を挙げた早大。しかし、伊藤が「コミュニケーションのミスで、あとちょっとのところでトライを取りきれないシーンが何度かあった」と振り返るように、パスの乱れから好機を生かせない場面が見受けられた。本試合のプレーヤーオブザマッチに選ばれた松沼が、「チームにとってプラスになる仕事を探す必要がある」と意識したように、仲間の動きに対してどう効果的に反応できるかが、今後カギとなる。ただ、本試合は残す対抗戦4試合に向けて、チーム伊藤の可能性、伸びしろが十分に感じられる試合となったことには間違いないだろう。

コメント

大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)

――今日の試合はどのようなテーマで臨まれましたか

 今日のテーマは一人一人の迫力を意識していました。筑波戦ではコリジョンの部分で前に出る場面もありましたが、意地でも前に出てやるという気迫が足りていなかったと思います。今日の試合はその部分で、しっかりと前に出続けるということをテーマにしていました。

――テーマの達成度具合はいかがですか

 1試合を通してよくできていたと思います。ペネトレーションのところでしっかりと前に出ることができていました。

――セットプレーで圧倒していましたが、どう感じましたか

 とても良かったと思います。今のFWは、永嶋を筆頭とした5人の4年生が中心になって、まとまってできていると思います。夏に厳しくやってきたので、その成果が出ていると思います。

――次回への修正点があればお願いします

 やはりBKのアタック部分ですね。ディフェンスは失点数を見てもよくできていました。

――次の青学戦に向けて意気込みをお願いします

 後に控える帝京大戦、慶應大戦、明治大戦に向けて、青学大戦では確実に勝ちにいきたいと思います。

CTB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――前回試合を踏まえ、どのような意気込みで試合に挑んだか教えてください

 ディフェンス、ブレイクダウンにしっかりコミットしようとチームで意識していました。実際、できている部分も多くて良かったと思いますが、もっとできるなと感じました。良くなかった点もあったので、次戦までに課題をしっかり修正していきたいです。

――具体的にどの点が良くなかったと感じているのでしょうか

 やっぱり仕留め切る部分ですね。コミュニケーションミスで、あとちょっとのところでトライを取りきれないシーンが何度かありました。個人のミスもありつつ、コミュニケーションで修正できる点もあると思います。こういったミスが続いているので、もう一度チームで見直していきたいです。

――ご自身ののプレーを振り返っていかがでしたか

 最後の仕留めの部分で上手くいかないところはありましたが、おおよそ悪くはないと思います。体も段々と動いてきているので、残りの試合に向けて、もう1段階レベルをあげていきたいです。

――一時、伊藤選手がSHとしてプレーしてる場面からトライも生まれるシーンがありましたが、振り返っていかがでしたか

 チームとして何が起きるか分からないので、自分も含めてチームとして機能していけるように、仲間に気を遣えるように、プレーできたらと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 やっぱりチームとしても、個人としても良くないプレーがありました。これでは、今後の試合で勝てないので、次いい形で勝てるように一つ一つ課題を潰して挑みたいです。

NO・8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)

――今日のご自身のプレーを振り返っていかがですか

 8番として前に出なければいけないところは出れたと思いますが、オフザボールやディフェンスのところで80分走り切れていないところが反省点でした。

――4本トライがありましたが、どれが印象的でしたか

 1本目のところはしっかりアタックを継続できていて、最後チームで繋いだボールを決めきれたので良かったと思います。

――立大戦後に監督が調整能力が高いとおっしゃっていましたが、ご自身はどう思っていますか

 FWでもパスやランなど幅広いことをできるのが武器だと思っているので、その点を評価してもらえていると思っています。

――マンオブザマッチのインタビューでは、まだ甘さがあるとおしゃっていましたが、それはどういった部分でしょうか

 オフザボールの部分で、もっとボールに絡みに行く、ボールがないところへももっと走ってプラスになる仕事を探すということが必要だと感じました。

――対抗戦も中盤に入ってきましたが、続く試合に向けてご自身のどういった部分を伸ばしていきたいですか

 ワークレートの部分はもちろん、帝京や明治はFWのフィジカルが強いのでそこで自分が前に出るためにフィジカルの強化が必要だと考えています。また、フィジカルで劣る分はフットワークや、ずらすプレーなどで頭を使っていきたいです。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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