【柏レイソル】細谷真大、二桁ゴール到達の先へ「2023Reysol Report Vol.18」

柏レイソル
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残留争いのライバル、横浜FCを退ける決勝点をマーク 【©️KASHIWA REYSOL】

 横浜FC戦の前半38分、山田康太の三度にわたる前線からのチェイシングに連動し、右サイドで片山瑛一と山田雄士がプレッシングにかかる。「ただプレッシャーに行くだけでは意味がない。行くからには奪ってやろうと迫力を持って行った」と勢いを持って寄せていった山田雄士は、相手DFのミスを見逃さずにボールを奪い取ると、ゴール前に入ってきた細谷真大にパスを送った。

「角度がなかったので、さすがにシュートは打たないだろうと思ってゴール前に入ってきました。ヤマ(山田)がGKをうまく引きつけてくれてよかったです」(細谷)
 パスを受けた細谷はインサイドキックでゴールへ流し込んだ。細谷にとっては、これが自身のキャリアハイ更新となる二桁得点到達となった。
「去年到達できなかった二桁得点を今年できたことは良かったです。ひとつの目標として二桁得点を目指していましたが、このタイミングで達成できたことに満足せず、もっと取れると思うので積み重ねていきたいです」

 細谷はそう言って、今後に向けて得点量産を誓った。
 昨季記録した8得点はチーム最多の数字ではあったものの、シーズン終了後に「チャンスは多かったので、もっと取れた」と振り返ったように、本人からすれば満足のいく結果ではなかった。それだけに、今季に懸ける意気込みも強かった。

アウェイ三ツ沢に大挙駆けつけたレイソルサポーターを喜ばせた 【©️KASHIWA REYSOL】

 この二桁得点到達の一因に、井原正巳監督はチームの戦い方を挙げている。
「真大の攻撃力をチームとして最大限に活かして、彼のストロングを活かした攻撃の形をチームとしてもやっています。彼の得点数が増えたのには、そういう理由もあると思いますし、コンビを組む選手も真大の動き出しを見て、彼をうまく使うことができるようになったと思います」
 ただ、先述の細谷自身の「もっと取れると思う」という言葉同様、指揮官もまた、「もっと決められたチャンスはあったと思いますし、もっと取れたと思っています」と言い、細谷の成長に期待を込めた。

 井原監督が細谷に求める進化形態とは、どのような姿だろうか。井原監督が続ける。
「真大にはよく、『自分が出し手になるときのプレーの質を上げていけば、自分のチャンスももっと増える』という話をしています。そうなることで、相手のDFも読みづらくなりますし、的を絞れなくなるので、そこでチームの得点だけでなく、彼自身の得点は増えると思っています」

ドリブルやパスでのチャンスメイクにも期待がかかる 【©️KASHIWA REYSOL】

 細谷も「自分がチャンスを作るプレーには、まだまだ課題が多い」と正面から向き合い、課題の改善へと努めている。
 とはいえ、リーグ戦7試合を残しての二桁得点は立派な数字である。レイソルの選手による二桁得点は、2020年のオルンガ以来3年ぶり。日本人選手に限ると、2015年の工藤壮人以来、8年ぶりだ。二桁得点をクリアした細谷が次に見据える目標は、その工藤を超えることだ。工藤が初めて二桁得点に到達したのは、同じくプロ4年目の2012年だった。その時の得点数は13。残りの7試合で「その数字は超えたいですね」と細谷は言う。

 また、2012年といえば、レイソルが天皇杯で優勝したシーズンでもある。出場停止で決勝のピッチには立てなかった工藤だが、準々決勝と準決勝では決勝点を挙げて、エースとしてチームを決勝戦へと導いた。
さらなる得点量産へ。リーグ戦の残り7試合と天皇杯へ向けて、細谷真大は“レイソルのエース”としての道をひた走る。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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