【柏レイソル】細谷真大、二桁ゴール到達の先へ「2023Reysol Report Vol.18」
残留争いのライバル、横浜FCを退ける決勝点をマーク 【©️KASHIWA REYSOL】
「角度がなかったので、さすがにシュートは打たないだろうと思ってゴール前に入ってきました。ヤマ(山田)がGKをうまく引きつけてくれてよかったです」(細谷)
パスを受けた細谷はインサイドキックでゴールへ流し込んだ。細谷にとっては、これが自身のキャリアハイ更新となる二桁得点到達となった。
細谷はそう言って、今後に向けて得点量産を誓った。
昨季記録した8得点はチーム最多の数字ではあったものの、シーズン終了後に「チャンスは多かったので、もっと取れた」と振り返ったように、本人からすれば満足のいく結果ではなかった。それだけに、今季に懸ける意気込みも強かった。
アウェイ三ツ沢に大挙駆けつけたレイソルサポーターを喜ばせた 【©️KASHIWA REYSOL】
「真大の攻撃力をチームとして最大限に活かして、彼のストロングを活かした攻撃の形をチームとしてもやっています。彼の得点数が増えたのには、そういう理由もあると思いますし、コンビを組む選手も真大の動き出しを見て、彼をうまく使うことができるようになったと思います」
ただ、先述の細谷自身の「もっと取れると思う」という言葉同様、指揮官もまた、「もっと決められたチャンスはあったと思いますし、もっと取れたと思っています」と言い、細谷の成長に期待を込めた。
井原監督が細谷に求める進化形態とは、どのような姿だろうか。井原監督が続ける。
「真大にはよく、『自分が出し手になるときのプレーの質を上げていけば、自分のチャンスももっと増える』という話をしています。そうなることで、相手のDFも読みづらくなりますし、的を絞れなくなるので、そこでチームの得点だけでなく、彼自身の得点は増えると思っています」
ドリブルやパスでのチャンスメイクにも期待がかかる 【©️KASHIWA REYSOL】
とはいえ、リーグ戦7試合を残しての二桁得点は立派な数字である。レイソルの選手による二桁得点は、2020年のオルンガ以来3年ぶり。日本人選手に限ると、2015年の工藤壮人以来、8年ぶりだ。二桁得点をクリアした細谷が次に見据える目標は、その工藤を超えることだ。工藤が初めて二桁得点に到達したのは、同じくプロ4年目の2012年だった。その時の得点数は13。残りの7試合で「その数字は超えたいですね」と細谷は言う。
また、2012年といえば、レイソルが天皇杯で優勝したシーズンでもある。出場停止で決勝のピッチには立てなかった工藤だが、準々決勝と準決勝では決勝点を挙げて、エースとしてチームを決勝戦へと導いた。
さらなる得点量産へ。リーグ戦の残り7試合と天皇杯へ向けて、細谷真大は“レイソルのエース”としての道をひた走る。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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