300ヤードの飛距離もダボも両方「自分らしい部分」岩井明愛、首位キープ

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 JLPGAツアー2023シーズン第28戦『第54回住友生命Vitalityレディス 東海クラシック』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が9月16日、愛知県美浜町・新南愛知カントリークラブ美浜コース(6,534ヤード/パー72)で行われた。岩井明愛がスコアを4つ伸ばし、通算13アンダーで首位を守った。3打差の通算10アンダー、2位タイで鶴岡果恋、イミニョン、稲見萌寧、山下美夢有が続く。ディフェンディングチャンピオンの尾関彩美悠は通算9アンダー、6位タイで大会連覇を狙う。
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《グリーン=スティンプ:10 1/4フィート コンパクション:22mm》

 406ヤードの9番パー4。岩井明愛がティーショットを放った瞬間、強烈な打球音に、ギャラリーから驚愕のどよめきが起こった。岩井自身も手応えありげに、ドライバーの先端をくるくるっと回す。ボールはフェアウェイを転がり、ピンまで残り77ヤードの位置に止まる。直前の8番で今週初のボギーを叩いたうっぷんを晴らすかのような、300ヤード級のロングドライブで、同組の山下美夢有に30ヤードの差をつけた。

 最近の岩井の打球は本当によく飛ぶ。前週終了時点のドライビングディスタンス(平均飛距離)254.58ヤードは今季JLPGAツアー7位にランクされており、もともとロングヒッターの部類ではあるが、今大会は2日間で出場選手中トップの268ヤードに及んでいる。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 アプローチは思ったほど寄らず、ピン手前4メートルにとどまったが、ラインを読み切りバーディー。右の拳をぐっと握りしめた。飛んで、なおかつ曲がらないティーショットは大きなアドバンテージだ。

 12番パー5でこの日7個目のバーディーを奪った時点で15アンダー。独走状態を築くとともに、3日間のトーナメントレコードの198(18アンダー)まではっきりと見えていた。ところが、好事魔多しだ。13番でティーショットをバンカーに打ち込みボギー。続く14番でもティーショットが左の深いラフに落ち、「ボールが埋まってしまっていて、第2打はどういう飛び方をするかわからないほどでした」。その第2打はグリーンに届かず、転がしたアプローチは約8メートルもオーバー。パーパットは約2メートル残してショートし、ボギーパットも外してまさかのダブルボギーとなった。「私はパーパットを強く打ってしまう癖があるので、それを意識し過ぎてショートし過ぎました」と弱気に見えたパーパットを悔やむ。この時点で山下ら2位グループとは一気に2打差に縮まった。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 しかし、今季はプレーオフで3度敗退するなど辛酸をなめ、「優勝」の2文字を意識せず自分のプレーに集中すると決めている。悔しさを振り切って臨んだ15番は、得意とするパー5。エッジまで207ヤードの第2打は5Wを使い、2オンに成功した。イーグルパットは2.5メートル届かなかったものの、バーディーパットを無事決め、思わずホッとした笑顔を浮かべた。

 「結局この日は8バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの68。通算13アンダーで2位グループに3打差をつけて最終日に臨むことになった「ボギーもダボもありましたが、そこは自分らしい部分でもあります。バーディーがたくさん取れてよかったです」と前向きだ。勝負所でパッティングがショートしたことは反省しつつ、「明日そういうことはあまりないと思う。ガツガツ行こうと思います」と攻めの姿勢に徹するつもりだ。

 「目標は順位とかではなく、周りを気にせず楽しく自分のゴルフをすることです」と強調。残り18ホールを終えるまでは、思い切りのいいスイングでギャラリーを沸かせることだけを考える。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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