パッティング好調の鈴木愛が狙う7年越しのリベンジV
鈴木 愛 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
(天候:雨 気温:25.6℃ 風速:2.5m/s)
《グリーン=スティンプ:9 1/2フィート コンパクション:21mm》
今季、北海道meijiカップで2年ぶりの優勝を飾った鈴木愛が、シーズン2勝目へ向けて好調なスタートを切った。この日は朝から雨が降ったり止んだりの天候の上、強風が1日中吹き続けた荒天だったが、鈴木には無関係だったようだ。
「私は低いショットを打つのが得意なので、フルショットを避け、コントロールショットを心がけていました」。単にライン出しのように大きめのクラブを持ち抑え目に打つだけではない。左からのアゲンストに対しては低いフックを打つことで風の抵抗を最小限にしていた。そんなテクニックがあるからこそ、悪条件でもピンをデッドに攻めるショットが多かったという。
ただ、鈴木の本領が発揮されたのはパッティングだ。ここ最近は3-4メートルぐらいのバーディーチャンスを外すことが多かったが、その原因は自分が打ちたいと思っていた距離に対し、ボールがスムーズに転がらなかったことにあった。「狙ったところには打てているのに、ボールの初速が弱いため、最後にラインから外れてカップの周りをクルンとなっていたんです」。微妙な距離感のズレがパッティングの成功率を下げていたわけだが、今大会の前にはしっかりと修正ポイントを見つけていた。
「アドレスしたときに顔が右を向いていたんです。その結果、インパクトで詰まるような動きになり、フォローでボールを押し出すことができず、ショートしていたと気づきました」。もちろん、顔が大きく右を向いていたわけではないが、構えたときに視界に入っていたキャップのツバがいつもより右にあったことで気がついた。パッティングの練習量が多く、動画などでも自分のストロークを研究している鈴木だからこそ気がついたといえる。現在平均パット数(パーオンホール)が1.7419で第3位につけているように、ツアーでも有数のパット名手ある鈴木だが、修正能力の高さを改めて感じさせた。
鈴木 愛 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
今回と同じコースで開催された16年大会では、最終日を首位タイでスタートしながら、1メートルのパットを5回外したことで、6位タイに終わった鈴木。狙いは7年越しのリベンジのみだ。(山西 英希)
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