目指すは1位奪還 熱中症からカムバックした山下美夢有
山下美夢有 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
昨年の年間女王であり、今季も賞金ランキングでは1位を走る山下美夢有が久々に元気な姿をトーナメント会場で見せた。7月第5週開催のアムンディエビアン選手権、8月第2週開催の全英女子オープンを戦い終えた後、4週ぶりに出たJLPGAツアーのCAT Ladies 2023では最終日に体調不良のため棄権。熱中症にかかっていたことが判明し、翌週の水曜日まで寝ていたという。「やっぱり体調管理が一番だと思いました。いい状態でプレーできるのがいかに大事かと」。改めて自己管理を徹底することを肝に銘じていたが、原因は海外での食事事情にあった。
日本食のように好きなメニューを選んで食べることができるような環境ではないため、食が細くなってしまったのだ。「ちょっとやせて帰ってきました」と振り返るが、スタミナがなかったところに気温差と時差が絡んで体調を崩した。ただ、それも休養と日本食をたっぷりと口にしたことで解消。今週は久々に本調子で試合に臨める。
気になるのは、しばらくゴルフから離れたことでの試合勘が鈍っていないかだが、その辺りは心配ないらしい。「昨日は9ホール、今日は18ホール回りましたが、ショットもショートゲームの感覚はあったのでそれをやるだけです」。グリーンのスピードを確かめながら、ショットのリズムを重点的に行ったことで、調子がいい頃の感覚を取り戻しつつある。
山下美夢有 【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
「申さんはすごい選手だなと思いますし、海外の試合でも上位で戦えるところは見習わなければいけないなと思います」と、申のすごさは熟知している。実際、申は海外から戻ってきた初戦のニトリレディスでも2位タイに入っている。異なる環境でも結果を残すだけでなく、帰国後もパフォーマンスを維持するところはさすがのひと言に尽きる。
もちろん、山下自身もこのまま負けるつもりは一切ない。今季はJLPGAツアーで4勝を挙げ、ずっとメルセデス・ランキング1位を守ってきた自負もある。今大会後には日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯など、ポイントが高い国内公式競技が3試合控えている。ただ、そのことに意識はあっても焦りはない。「目の前の1打に集中して頑張るだけです」。いつもの台詞が出てくれば、もう大丈夫だ。(山西 英希
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