悔し涙に終わったスウェーデン戦。なでしこジャパンが今後へと繋げていくべき「フィジカル」の課題
2011年以来の優勝を目指していたなでしこジャパンは、ベスト8でスウェーデンに1-2で敗れ、大会の敗退が決定した。あと一歩、届かなかった今回の試合を踏まえ、今後への糧となるものは何なのか。4年後への課題を考えていく。
【@FIFA+】
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ピッチに立っていた選手、ベンチで試合の戦況を見守っていた選手たち、誰もが涙を流していた。
突きつけられた結果は1-2。快進撃が続き、優勝も見えてきた準々決勝の舞台で、なでしこジャパンの挑戦は幕を閉じた。
これまで国際舞台で幾度となく壁となって立ちはだかったスウェーデンは、ニュージーランドの地でも日本に牙を向いた。前半からボールを握られ、積極的なプレッシングも巧みなパスワークで回避。サイド攻撃を徹底し、日本の嫌がるプレーを終始続けていた印象が残る。
特に今まで対戦したチームと違ったのは、球際にかなり厳しくきていたことだ。後方からボールを繋いでいく日本に対し、スウェーデンは縦にボールが入った瞬間に素早い寄せで対応。ボランチやシャドーに圧力をかけ、そこでフィジカル面の優位性を発揮することで、日本の攻撃をシャットアウトさせることに成功していた。
一方、日本は球際の勝負に上回れなかったことでボールロストが増える形に。競り合いの後のボールがほとんどスウェーデンにこぼれていたのは、運ではなく、しっかりと球際に強く行くフィジカルあってこそだった。ここまでの試合ではスムーズな攻撃を見せていた日本だが、スウェーデン戦は相手のペースに飲み込まれ、躍動感ある仕掛けが影を潜めることになった。
【@FIFA+】
また、大会を通して機能していた守備がハマらなかったことも改善点となる。特にクロス対応やセットプレーの守備は、スウェーデン戦だけではなく、これまでも危ないシーンがあった。絶対的な”高さ”の差はあるが、チームで意思統一しながら地上戦を制することができていただけに、空中戦をどのように抑えていくかは今後のポイントになるはずだ。
今大会、スウェーデンのCKにはどのチームも苦戦している。警戒した上で攻略してくる攻撃は相手を褒めるしかないが、そこを抑えられれば、勝率が上がるのも明らか。相手の対策レベルを引き上げていくこともチームとして重要になってくる。
近年、日本の選手が欧州で戦うことが増え、そんな選手たちが一様に口にしていた「フィジカルの差」。これは4年後への課題となるだろう。選手一人ひとりがフィジカルをつけていくのはもちろんだが、身体作りをしつつ、その差を埋めるための新たな手法を取り入れていくことだってできる。答えは一つではないのだ。
「また強くなって帰ってくるしかない」。試合後、主将の熊谷紗希はそう言葉にした。
再び頂を目指す舞台に戻ってくるためにーー。今回できていたことを継続させながら、プラスアルファを構築していくことで日本の未来へとつなげていく。
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