Team HRC with 日本郵便が2連覇達成 4位までをHonda勢が独占
EWC 2023 第3戦 【本田技研工業株式会社】
8時30分から9時15分までウォームアップランが行われました。Team HRC with 日本郵便(高橋巧、長島哲太、チャビ・ビエルゲ)は2分7秒029のトップタイムをマーク。2番手はYART Yamaha Official EWC TEAM(ヤマハ)が2分7秒801を記録し、この2台のみが7秒台となりました。
3番手に2分8秒031でF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ、アラン・テシェ、タラン・マッケンジー)がつけます。4番手には2分8秒561のAstemo Honda Dream SI Racing(作本輝介、水野涼、渡辺一馬)。5番手に2分8秒708でTOHO Racing(清成龍一、國峰啄磨、榎戸育寛)と、上位の多くをHonda勢が占めました。
決勝前の天気は晴れ、ドライコンディションで11時30分にスタートが切られました。Yoshimura SERT Motul(スズキ)のグレッグ・ブラックが好ダッシュで飛び出し、2番手にTeam HRC with 日本郵便の高橋、3番手にTOHO Racingの國峰、4番手には予選10番手からジャンプアップしてきたF.C.C. TSR Honda Franceのディ・メリオがつけます。
オープニングラップはブラック、高橋、ニッコロ・カネパ(ヤマハ)、ディ・メリオ、國峰と続きます。3周目にカネパが首位に出て、それをブラック、ディ・メリオ、高橋、國峰が追う形に。高橋は7周目にトップに出ますが、9周目にカネパが首位を奪い返し、3番手のブラックまでがトップ争いとなります。11周目には高橋がトップに立ち、それをカネパ、グレッグが追う展開。その後方セカンドグループでディ・メリオ、ダン・リンフット(スズキ)、國峰、SDG Honda Racing(名越哲平、浦本修充、埜口遥希)の浦本が4番手を争います。
15周目、トップの高橋は2番手のカネパに対し差を2秒に広げます。3番手のブラックもやや離れて単独走行に。2番手、3番手は2分10秒台で周回する中、高橋は2分8秒台のラップタイムで走行し、その差は周回を重ねるごとに広がっていきます。
19周目にはディ・メリオがシケインで転倒を喫します。マシンを起こしてコース復帰し、その後ピットで修復作業を受けました。
20周目には高橋が独走態勢に持ち込み、2番手カネパ、3番手ブラックがそれぞれ単独走行。その16秒後方、4番手に水野が浮上します。5番手にリンフット、6番手争いを國峰、浦本、Honda Dream RT 桜井ホンダ(伊藤和輝、日浦大治朗、荒川晃大)の日浦、渥美心(スズキ)が繰り広げます。25周目に入ると、1回目のライダー交代のためピットがあわただしくなります。Team HRC with 日本郵便はEWCフル参戦勢をしのぐ速さでピットストップをこなし、長島に交代してコースへと復帰しました。
首位を走る長島は2分7秒台にタイムを入れ、後続を引き離します。2番手のカレル・ハニカ(ヤマハ)も2分8秒台とペースアップしますが、その差は32周目の時点で22秒901と大きく広がります。
13時05分過ぎ、2番手を走るハニカがスロー走行となり、順位が変わります。45周目トップは長島、2番手にシルヴァン・ギュントーリ(スズキ)、3番手に渡辺一馬、6番手に埜口、7番手清成、8番手荒川となります。
トップの長島はリードを1分以上に広げ、53周目にピットに向かい、ビエルゲにライダー交代を行いました。
決勝レース4時間が経過 Team HRC with 日本郵便がリードを広げ全車を周回遅れに
チャビ・ビエルゲ(Team HRC with 日本郵便) 【本田技研工業株式会社】
70周目をビエルゲはトップでクリア。2番手はエティエンヌ・マッソン(スズキ)。3番手が渥美心(スズキ)、約9秒遅れでSDG Honda Racing(名越哲平、浦本修充、埜口遥希)の名越が4番手。5番手にはTOHO Racing(清成龍一、國峰啄磨、榎戸育寛)の榎戸、6番手にはHonda Dream RT 桜井ホンダ(伊藤和輝、日浦大治朗、荒川晃大)の伊藤が続きました。75周目には榎戸が3番手、伊藤が5番手、9番手には浦本と変わります。
3回目のライダー交代が始まり、ビエルゲは80周目にピットイン。2番手に1分45秒もの差をつけて高橋へと交代します。高橋はトップのままコースイン。2番手はマッソン、3番手榎戸、4番手伊藤、8番手に浦本で、10番手をHonda Asia-Dream Racing with SHOWA(モハメド・ザクワン・ビン・ザイディ、アンディ・ファリド・イズディハール、ナカリン・アティラプワパ)のアティラプワパが走行します。
90周をトップでクリアした高橋は2番手に1分53秒もの差を築きます。2分8秒台で周回しているのは高橋のみで、その差は周回を重ねるごとに拡大。2番手マッソンは変わらず、3番手のマーセル・シュロッター(スズキ)と津田拓也(スズキ)のバトルが落ち着くと、そこへ浦本が迫り始めます。
98周目、追い上げてきた國峰が3番手に浮上します。4番手に渥美、5番手ダン・リンフット(スズキ)、6番手日浦、8番手埜口で周回します。100周目をトップで通過した高橋は、変わらずに2分8秒台のぺースで周回を重ねていきます。
107周目、トップは高橋、2番手にグレッグ・ブラック(スズキ)、3番手に國峰、4番手に渥美、5番手にリンフット、6番手に日浦、7番手に埜口のオーダーで周回を重ねます。10番手にザイディが上がってきたところで、4時間が経過しました。
4回目のライダー交代で、高橋から長島へ。110周目の順位は、長島がトップ、2番手にシルヴァン・ギュントーリ(スズキ)、3番手渥美、4番手リンフット、5番手日浦、6番手埜口、7番手荒川、8番手清成、9番手にザイディとなっています。
決勝レース6時間が経過 Team HRC with 日本郵便の優勢変わらず
長島哲太(Team HRC with 日本郵便) 【本田技研工業株式会社】
各チームのピットインタイミングで順位が変動し、125周目にはTOHO Racing(清成龍一、國峰啄磨、榎戸育寛)の清成が3番手に浮上します。6番手にHonda Dream RT 桜井ホンダ(伊藤和輝、日浦大治朗、荒川晃大)の荒川、7番手に名越となり、10番手にHonda Asia-Dream Racing with SHOWA(モハメド・ザクワン・ビン・ザイディ、アンディ・ファリド・イズディハール、ナカリン・アティラプワパ)のイズディハール、11番手にF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ、アラン・テシェ、タラン・マッケンジー)のテシェが続きました。
128周目に長島は2分7秒601とタイムアップし、トップを快走します。周回遅れが絡むとタイムは落ちますが、2番手のシルヴァン・ギュントーリ(スズキ)が2分10秒台で走る中、際立つ速さを披露します。129周目、3番手の清成も2分9秒台の周回を重ねていきますが、2番手ギュントーリとの差は1分20秒と大きなものです。
134周目、Team HRC with 日本郵便は長島からビエルゲに交代します。ビエルゲはトップのままコースイン。136周目、ビエルゲとギュントーリとの差は1分54秒972となりました。3番手の清成は2分9秒台のペースで追い上げ、ピットインして榎戸へと交代します。
西ストレートでクラッシュがあり、16時33分にセーフティカーが入ります。16時49分にセーフティカーが解除され、144周目の順位はビエルゲ、エティエンヌ・マッソン(スズキ)、津田拓也(スズキ)、榎戸、名越、マーセル・シュロッター(スズキ)となります。145周目、3番手津田と4番手榎戸の差は8秒357。名越はシュロッターの先行を許し、6番手にダウンしました。
148周目、榎戸が3番手となり、5番手に名越が上がります。ビエルゲは150周をクリアし、2分9秒台の安定したペースで周回を重ねます。2番手にマッソン、3番手に榎戸が続きます。150周目、SDG Honda Racingは名越から浦本に交代。浦本は好ペースで周回し、155周目には5番手を走行する日浦の背後に迫りました。163周目にビエルゲはピットに入り、高橋へとライダー交代します。この時点での順位は、高橋、マッソン、榎戸、ダン・リンフット(スズキ)、日浦、浦本のオーダー。マッケンジーは9番手まで浮上、アティラプワパも10番手をキープして周回を重ねています。
Team HRC with 日本郵便が圧勝 2位にTOHO Racing、3位にSDG Honda Racingが入りHonda勢が表彰台独占
Team HRC with 日本郵便 【本田技研工業株式会社】
18時過ぎ、1コーナーに雨が降り出したという情報が飛び込みます。雨はすぐにやみ、路面はドライコンディションのままでしたが、黒い雲が1コーナー方面にかかり、再び雨が降りそうな状況となります。コースのほかの場所では、明るいながらも雨がぱらついて、フラッグポストからはレッドクロスフラッグが提示。それでも、上位陣のタイムは大きく変わりませんでした。
178周をトップでクリアした高橋のラップタイムは2分09秒722。それでも、各ピットではレインタイヤの用意が進みます。サーキットの上空は暗くなり、18時12分過ぎに雨が降り始めました。
レインタイヤへの交換のため、ピットインを指示するチームも出始めます。184周目、高橋は2分34秒548までタイムが落ちますが、トップチームの多くはスリックタイヤのまま周回することを選択。一方で、SDG Honda Racingの埜口、Honda Dream RT 桜井ホンダの伊藤はピットインしました。
高橋はペースを落としながらも、大きなリードを活かして慎重に周回を重ねていきました。難しいコンディションの中、清成は2分21秒870と、高橋の2分33秒116に比べて10秒以上速いタイムで周回し、前を行くブラックにプレッシャーをかけます。ライトオンのサインが出されて夜の走行へと移行した後、ブラックはレインタイヤに交換してピットアウトしますが、アウトラップで転倒し大きくポジションを落としました。
ブラックの転倒により、清成は2番手へと浮上します。ラップタイムは2分26秒877と、ライバル勢と比べてハイペースで周回。186周目には2分15秒635とぺースアップします。
高橋は189周目にピットインして長島に交代し、スリックタイヤを交換してコースイン。2番手には清成、3番手に津田拓也(スズキ)、4番手に埜口、5番手にはディ・メリオが浮上してきました。7番手に伊藤、8番手にザイディ、10番手をAstemo Honda Dream SI Racing(作本輝介、水野涼、渡辺一馬)の渡辺が走行します。
190周目、長島は2分10秒587とタイムを上げ、2番手清成も2分11秒135を記録します。埜口は2分12秒675で先行する津田を追い、188周目に3番手へ浮上。5番手走行のディ・メリオも2分11秒750で追い上げ、伊藤も6番手へ浮上します。
レッドクロスフラッグは振られ続け、雨が降り続く状況の中でレースは進んでいきます。193周目、長島は2分17秒471とペースダウンしますが、首位は変わりません。2番手に清成、3番手埜口で周回を重ねました。ディ・メリオはテシェに、清成は榎戸へと交代し、それぞれポジションをキープしてコースインしました。
200周目は長島がトップで通過、2番手に榎戸、3番手埜口で通過、4番手にはテシェが浮上してきます。5番手にマーセル・シュロッター(スズキ)、6番手は荒川で通過。スタンドのファンは応援するチームのカラーのペンライトをともし始めます。
残り30分、雨は上がり、終盤の戦いとなりました。長島は2分10秒841で201周目をクリアします。榎戸も2分09秒772とペースアップし、埜口は2分12秒045で通過します。埜口がピットインし、最後に名越へとライダーチェンジ。タイヤ交換、給油を終え3番手のままコースに復帰しました。
210周をトップで長島がクリア。2番手榎戸、3番手名越、4番手テシェ、6番手荒川、8番手イズディハール、10番手渡辺の順でコントロールラインを通過しました。残り15分を切り、暗闇の中で周回を重ねていきます。
19時24分過ぎ、215周目に長島がピットイン、給油のみを行ってトップのままコースへと復帰します。チェッカーライダーとして飛び出していった長島は、危なげなく216周目を走り切って歓喜のチェッカーを受け、Team HRC with 日本郵便が連覇を達成。高橋は通算5勝目を挙げ、宇川徹が持つ最多優勝記録に並びました。
2位にはTOHO Racing、3位にSDG Honda Racingが入り、Honda勢が表彰台を独占。4位にはF.C.C. TSR Honda Franceが入り、EWCレギュラー参戦チームの中ではトップでチェッカーを受けました。6位にHonda Dream RT 桜井ホンダ、8位にHonda Asia-Dream Racing with SHOWA、10位にAstemo Honda Dream SI Racingと、トップ10までに7台のHonda勢が入りました。
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