【女子W杯】スペイン戦大勝の裏に守備陣のハイパフォーマンスあり。3試合無失点の守備陣がチームを支える
1次リーグの首位通過をかけたスペインとの第3戦。4-0と大勝を飾った攻撃陣もさることながら、安定感のある守備陣が見せたパフォーマンスは見事の一言だった。
【@FIFA+】
大会独特の緊張感こそあったものの、ザンビア、コスタリカに連勝を飾った日本は、2試合を終えた時点で決勝トーナメント進出が決定。最初のミッションをクリアし、第3戦のスペイン戦を迎えていた。
第3戦で相対したスペインは、決勝トーナメントで激突する強敵との戦いを前に自分たちの現状を図る上では申し分ない相手。そんな欧州の強豪国に対し、どこまでのパフォーマンスが見せられるかは一つのポイントだった。
先に結果を言えば、スペイン戦は大勝で終わる。12分に遠藤純のラストパスに反応した宮澤ひなたが先制点を奪うと、29分には鋭いカウンターから植木理子が決め切って追加点。40分には植木のパスに抜け出した宮澤が見事なシュートを沈め、大きな3点目を奪った。後半に入ってもうまくゲームをコントロールした日本は、相手の攻撃を跳ね返しながら82分に途中出場の田中美南がダメ押し弾を奪って勝負あり。強敵を相手に4-0で勝利した日本は、グループCを首位で終えることになった。
この勝利に大きく貢献したのは”攻撃陣”と言いたいところだが、スペイン戦で見事なパフォーマンスを見せていた”守備陣”を称賛するべきだろう。枠内シュート5本で4ゴールという素晴らしい決定力を見せた日本だが、ボール支配率が23%だったことを考えると、いかに相手にボールを持たれていたかがわかる。スペインのパス数は934本を記録。日本は守備に追われる時間が長かったのだ。
【@FIFA+】
ただ、90分を通して相手のビッグチャンスはほぼゼロ。キャプテンマークを巻くDF熊谷紗希を中心に強固なブロックを敷き、相手のパスワークをシャットアウトすれば、チームとして課題だったクロス対応でもDF陣やGK山下杏也加が跳ね返してチャンスを作らせなかった。また、奪っては素早く一つ飛ばして前線にパスを供給。植木理子のポストプレーや中盤からの展開力が生まれるなど、後ろが安定していたからこそ多彩な攻撃を仕掛けることができていた。
守備陣のハイパフォーマンスはスペイン戦に限ったことではない。例えばザンビア戦は、初戦の重みのある難しい試合だったにも関わらず、集中力の高い守備で対応。VAR判定が複数回あって集中が途切れてもおかしくなかったが、最後まで後ろが踏ん張り続けたことで攻撃陣が躍動できたとも言える。初戦の被シュート数がゼロだったことを考えても、守備陣が支えた面も大きかった。
加えて、球際への厳しいアタックをしているにも関わらず、警告数がゼロなのも素晴らしい。特に3試合全てにフル出場している熊谷と南萌華は、どの試合でもパーフェクトなディフェンスを見せており、彼女らを中心とした堅固な守備陣は日本の強みと言っていいはずだ。
決勝トーナメントが一発勝負ということを考えれば、今後、失点をしないことは勝利への近道となる。スペイン戦で見せた守備を継続していくことで優勝への道を切り開いていきたい。
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