【ラグビー/NTTリーグワン】初勝利につながった“選手ミーティング”。次は開幕戦のリベンジを<清水建設江東ブルーシャークス>

【©JRLO】

前節、公式戦で初勝利(不戦勝の2試合を除く)を収めた清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)。欲しかった勝利をようやくつかむことができ、チームは大きな喜びに包まれた。ビジターゲームで釜石シーウェイブスRFC(以下、釜石SW)との一戦だったが、現地まで足を運んだファン・サポーターも多く、選手たちを後押しした。

その勢いのまま白星を飾りたい今週末の一戦。相手は開幕戦で敗れた豊田自動織機シャトルズ愛知となる。

先週は、チームとして規律の部分での課題と向き合っていた。大隈隆明監督は、「ファイトする気持ちはそのままに、“冷静になること”も場面によっては必要になる」と選手たちに伝えたという。選手たちはそれを試合でしっかりと体現していた。80分間集中力を切らさず、ハンドリングエラーは試合をとおして2つ、ペナルティは前半に6つ、後半にはたった1つと数値としても劇的な変化をみせた。

また、厳しいチーム状況を立て直すために選手たちが自発的に行動していた。その一つとして、チームの全体ミーティングのあとに、各リーダーが監督に相談に来て、“選手たちだけで話がしたい”と申し出たそうだ。監督やスタッフ陣が部屋を出たあと、選手たちだけで話し込み、その部屋からグラウンドに出てきたときには様変わりしていた。選手全員が声を出し始めたことで、雰囲気がガラリと変わり、さらには一人ひとりの集中力が増し、練習中のミスが格段に減っていた。このような意識変革が実を結び、釜石SW戦で今季初勝利をつかんだ。

その試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに表彰され、チームを勝利に導いた選手が、ここまでの試合でも主力としてチームを支えてきたオルビン・レジャーだ。風が強く吹いていた釜石の地でプレースキックを確実に決めた。その活躍の裏には毎練習後にキックの自主練習を欠かさずに行っており、チームの中でも“努力家”として知られている。さらにはトライも決め、チームの勝利に大きく貢献した。

また、デビュー戦で初トライを決めたウサ・バレイラウトカも「みんなから愛される良いムードメーカーで、チームの雰囲気を変えてくれた」と大隈監督は話す。メンバー発表時にウサ・バレイラウトカの名前が入った時点で、チーム全体が盛り上がったそうだ。その様子からもチームメートから愛される人柄が垣間見える。

今季ここまで戦い、チームの雰囲気をはじめ、規律、セットピース、アタック、ディフェンスなどさまざまな面で確実にレベルアップしている江東BS。その変化は選手たちの努力があってこそであり、前節の試合後に大隈監督は「ありがとう」と伝えたという。今週末は、青く染まる江東区夢の島競技場でファン・サポーターに“勝利”と“笑顔”を届けるべく、S愛知に挑む。

(山村燿)
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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