「Bリーグ マネジメントカップ2022」B1優勝を2連覇で飾ったのは琉球ゴールデンキングス

チーム・協会

【©2023. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group】

Bリーグ所属クラブをビジネスマネジメントの側面でランキング。B1は琉球ゴールデンキングスが2連覇、B2は仙台89ERSが4連覇
デロイト トーマツはスポーツビジネスの一層の発展に向けて、事業や経営といった観点での関心と理解を広げることを目的に、「マネジメントカップ」を発表しています。クラブのマネジメントにおいて、いかに試合に勝つかという「フィールドマネジメント」とともに重要なのが、いかにビジネスとして収益を上げ、また事業拡大をするかという「ビジネスマネジメント」(以下、BM)です。「Bリーグ マネジメントカップ」は、Bリーグから公表されたB1とB2に所属する全クラブの財務情報などの公開情報をもとに、BMにおいて重要なテーマである「マーケティング」「経営効率」「経営戦略」「財務状況」の4つの視点で計11のKPIを設けて分析し、それぞれの集計を基にランキングにしています。

5回目となる今回の「Bリーグ マネジメントカップ2022」は、感染拡大防止のための入場制限が緩和されたことなどにより、ほとんどのクラブで平均入場者数が増加傾向に転じコロナ禍からの回復の兆しがみられる結果となりました。B1連覇の琉球ゴールデンキングス、B2で4連覇を果たした仙台89ERSとも平均来場者数が大幅に伸びており、昨シーズンから売上規模を増やすことに成功しています。琉球ゴールデンキングスはクラブとアリーナの一体経営やアリーナを生かした様々な施策を講じることでB1トップの成績を挙げました。仙台89ERSはファンのすそ野を拡大する施策や高い集客力により入場料、スポンサー、物販収入において、大幅に売上を伸ばしています。両クラブを含め、コロナ禍におけるデジタル施策を充実させSNSを通して多くのファンにリーチできているクラブほど制限緩和後に入場者数が回復している傾向がみられ、スポーツ経営においてもSNS等のデジタル活用が重要性を増しています。

今回の発表では、B1の1位は琉球ゴールデンキングス、2位に宇都宮ブレックス、3位は川崎ブレイブサンダース、B2の1位は仙台89ERS、2位に西宮ストークス、3位は熊本ヴォルターズとなりました。

B1では、全4分野で最高点を上げた琉球ゴールデンキングスが二連覇

【©2023. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group】

琉球ゴールデンキングスはマーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の全分野で1位を獲得し、11あるKPIのうち9つの指標で3位以内に入るなど圧倒的な力を見せ、2位の宇都宮に46ポイントもの大差をつけて堂々の2連覇となりました。今シーズンはホームゲーム全試合を昨シーズン完成したばかりの沖縄アリーナで興行した効果もあり、入場料収入は前年比+458百万円(240%増)と驚異的な伸びを記録しました。入場者数制限が緩和されて以降徐々に観客も増え、ゴールデンウィークやチャンピオンシップセミファイナルでは満員のアリーナでの試合が実現しました。

B2では、仙台が安定した強さを見せつけて4連覇

【©2023. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group】

仙台89ERSはマーケティング、経営効率、経営戦略の各分野で1位、財務状況分野で4位と安定した成績を残し、2位の西宮ストークスに20ポイントの大差をつけて堂々の4連覇となりました。入場者数制限の緩和に加え、デジタルマーケティングの精度向上に向けた取り組みなど戦略的なビジネスマネジメント施策が功を奏し集客力が高まったことが好成績の大きな原動力のひとつになりました。先が見えないコロナ禍において難しい舵取りが求められる中でも、柔軟な発想で土台を固め中長期的な成長戦略を描き、着実に実行していくことで安定した経営を行っています。

ランキングの算出方法

【©2023. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group】

マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況に対して、デロイト トーマツ独自のKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)に基づく項目別ランク付けを行い、そのランキングに応じたビジネスマネジメントポイントを付与していきます。各KPIは以下の通りです。
・マーケティング:平均入場者数、アリーナ集客率、客単価
・経営効率:1勝あたりチーム人件費、1勝あたり入場料収入
・経営戦略:売上高・チーム人件費率、SNSフォロワー数、グッズ関連利益額
・財務状況:売上高、売上高成長率、自己資本比率

KPIについてB1の1位であった場合は22BMポイント、B2の1位は14BMポイント獲得(ディビジョンによって集計できるKPIが異なるものがあるためディビジョン別ランキングとする)
順位が1下がるごとに1ポイントずつ減らしたBMポイントを付与
最終的に4つのクォーターの累計BMポイントでCup Winnerを決定
BMポイントが同率の場合は、1stクォーターの順位が上のクラブが上位となる(以下、2ndクォーター、3rdクォーター、4thクォーターの順に同様の判定)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

デロイト トーマツ グループは、財務会計、戦略、マーケティング、業務改革など、あらゆる分野のプロフェッショナルを擁し、スポーツビジネス領域におけるグローバルでの豊富な知見を活かしながら、全面的に事業支援を行う体制を整えています。またコンサルティング事業の他、国内外のスポーツ関連メディアへの記事寄稿などを通し、スポーツ業界全体への貢献も積極的に行っています。

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント