琉球ゴールデンキングスがB1部門2連覇を達成!
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圧倒的な強さが際立った琉球ゴールデンキングス
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1stクォーター:マーケティング
平均入場者数
2021年シーズンにおけるB1の平均入場者数は2,028 人で、前年比+448人(+28.4%)となりました。トップは琉球の5,166人、2位は川崎の3,209 人、3位は千葉Jの2,953人で、琉球は昨シーズン比+2,921人(+130.1%) と大幅に増加させています。
新設された沖縄アリーナは、従来の本拠地と比較して収容人数は倍近くの8000人で、大型ビジョンやスイートルームが設置されており、従来の国内にはなかったような観戦体験に興味を持ったファンが多くアリーナを訪れたことが想定されます。今後数年にわたって、Bクラブの本拠地として利用されるアリーナが複数竣工予定となっていますが、新アリーナでの目新しい観戦体験を呼び水に新規の観客を獲得したり、リピート客を増加させたりしたクラブは、年間を通して入場者数の水準を高く維持できる可能性があります。
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2ndクォーター:経営効率
1勝あたりチーム人件費
2021年シーズンにおけるB1の平均は、前年比+4.0百万円(25.5%)の19.5百万円でした。入場制限が緩和され観客は増加傾向にあった一方で、選手の新型コロナ感染などで中止試合が昨シーズンの26試合から56試合と倍増したことも影響し、本KPIは前年比で増加する結果となりました。
最も効率的に勝利を重ねたのは信州で、B1平均の半分程度のチーム人件費にも関わらず、勝率0.519で28勝していて、約9.2百万円で1勝を挙げたことになります。
各クラブは自クラブの相対的な位置付けを客観的に把握しながら、いかに限られた原資で効率的に勝利を挙げられるかを模索する、BM施策への真摯な向き合いが重要であるといえます。チーム人件費への投資は、魅力ある試合をファン・ブースターに提供していくために不可欠ですが、同時に費用対効果を見極めていくことが重要となるため、フロントにはBMの手腕が試される分野となります。
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このKPIは1勝の相対的な価値を表していますが、①1勝をいくらで販売することができたのか、というクラブ側の視点と、②1勝をいくらで買ったのか、という観客側の視点の両面の性質を有する指標となっています。また、クラブ側はこのKPIをできるだけ高くしたいと考える一方、観客側はできるだけ低くしたいという、トレードオフの関係を内包する指標ともいえますが、本分析はBMの分析であるため、クラブ側の視点に立ったランキングとしている点にご留意ください。
2021年シーズンにおけるB1の1勝あたりの入場料収入の平均は、前年比+1.7百万円(+33.1%)の6.7百万円でした。トップの琉球が15.9百万円となっており、それを新潟が12.9百万円で追う結果となっています。
しかしながら両チームの内容を比較すると、琉球の勝利数が22クラブ中1位(49勝)、入場料収入も22クラブ中1位(779.6百万円)であるのに対し、新潟は勝利数が22クラブ中22位(7勝)、入場料収入が22クラブ中19位(90.5百万円)と顧客満足度に大きな差が出ています。観客側からの視点では、琉球のファンはある程度の対価は払っても満足という感覚、新潟のファンは結果としては満足度に比べて高い対価を払ったという感覚だと考えられます。
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3rdクォーター:経営戦略
売上高・チーム人件費率
2021年シーズンにおけるB1の平均は、前年比+2.8P(+6.7%)の44.6%となり、Bリーグ開幕以降初めて減少を示した昨シーズンと傾向が変わり増加となりました。チーム人件費は+83百万円と大幅に増加していますが、コロナ禍の制限が緩和されたため平均売上高はそれを上回る+158百万円だったことが主な要因です。
本KPIは、クラブにおいて期初の売上予算からチーム人件費が設定される傾向があることを踏まえると、BM戦略が反映されやすい指標といえます。また、チーム人件費への投資はFM面の強化につながる一方、クラブの経営を圧迫する要素にもなるため、諸刃の剣となり得る性質も有します。2021年シーズンは、コロナ禍の規制が緩和されてきたことに加え、ワクチン接種の浸透により観客動員数に戻りが見え、クラブの想定以上に売上高が増加したものと考えられます。
2021年シーズンのB1で本KPIが最も低かったのは横浜BCで29.6%(▲13.0P)でした。横浜BCは、勝率は前年と大きく変わらず4割弱ですが、人件費増減率は▲1.3%とB1全体で最も低かった千葉Jに次ぐ2番目に抑えつつ、一方で売上高は増減率+42.3%とB1全体で5番目の上昇率となっており、勝率に左右されない強いBM力を示した形になりました。
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4thクォーター:財務状況
売上高
2021年シーズンにおけるB1の売上高は、前年比+158百万円(+16.4%)の1,118百万円でした。コロナ禍の影響によって試合の開催が中止となるケースも発生し、困難な状況ではあったものの増収となりました。入場料収入では収容率100%での開催が復活したことや、ダイナミックプライシング導入による単価増が好影響となっています。
本KPIのトップは千葉Jの2,126百万円、最下位は新潟の473百万円と、同一ディビジョン内でおよそ4.5倍の差が開いている状況です。千葉Jは2位の琉球に152百万円の差をつけて2年連続のトップとなりました。B1平均の2倍近いスポンサー収入に加え、入場料収入も前年比+66百万円の328百万円と増加しています。
B1の平均的な売上高構成比は、スポンサー収入の割合が最も高く57%を占めていますが、本KPIトップ4クラブにおける傾向を比較してみると違いが見て取れます。スポンサー収入は大企業の資本傘下にあるクラブが高い傾向にあり、千葉J(ミクシィ)は64.7%、A東京(トヨタ自動車)は86.6%と大きなウェイトを占めています。一方で、リーグ過去最多の動員記録を打ち立てた琉球は、売り上げに占める入場料収入の割合が39.5%と高く、よりバランスの取れた売上構成となっています。琉球や宇都宮は、スポンサー収入が約30~45%、入場料収入・物販収入の合計がそれぞれ約30~50%という状況です。
このように、スポンサー収入をベースとしつつも、いかにしてファン・ブースターに支えられた収益をさらに伸ばしていけるかが、今後の成長における課題であるといえます。
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