躍進する若手スケーター 赤間凛音が挑むパリオリンピックへの道

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【写真: 2022 Getty Images】

パリオリンピックの開催が1年半後に迫り、出場権をかけた戦いが各競技でヒートアップする中、東京2020で盛り上がりを見せたスケートボード界では、若手スケーターがますます勢いを増している。そのひとりが、オリンピック出場を目指してトレーニングに励む赤間凛音だ。

「東京オリンピックのときは出られなかったのが悔しかったので、パリオリンピックは絶対出たいです」

2022年6月から7月にかけてイタリア・ローマで実施された「ストリート・スケートボード・ローマ2022」で、ストリート・スケートボーダーの赤間凛音(りず)にマイクを向けると、赤間は迷いない口調でパリ2024オリンピックに向けた思いを口にした。

ローマでの大会はパリオリンピックの最初の予選大会という位置付けで実施され、赤間は3位の織田夢海(ゆめか)とわずか0.29ポイント差で惜しくも表彰台を逃して4位。パリオリンピックに向けた世界ランキングでは現在4位に立つ。

技を決めたときの達成感

宮城県出身の赤間は、2009年1月生まれの14歳。サーフィンに取り組んでいた父親に勧められ、小学校2年生でスケートボードを始めた。

10歳のときに出場した2019年第3回日本スケートボード選手権で2位に輝いた赤間は、同年7月のワールドスケートSLSプロツアーで初めて海外での大会に参戦。以来、国内外のスケーターたちと競い合ってスキルを磨いてきた。2021年に行われた第4回日本選手権では、バーレーグラインド(体とボードを180度回転させてレールに乗り、後方車輪の金具で滑り降りる技)を決めて、初めて表彰台の頂点に立った。

「他の人とは違うトリック(技)が得意なので、そういうところを見てほしい」と胸を張る赤間にとって、バーレーグラインドは武器として持つ技のひとつ。ローマ大会でもしっかりと決めて自信につなげた。

「お父さんとか、いつも教えてもらっている荻堂(盛貴)先生に相談して、自分の得意な動きと合わせて色々考えて、新しい技に取り組んでいます」

「大会でいい成績を収めて、お世話になっている人たちに恩返しがしたい」と続ける。

10代前半ながらも国際舞台で堂々と戦い抜く気持ちの強さを持った赤間だが、自信のない技に取り組む際には気持ちがついていかないこともある。だが、それを乗り越えたときの感情は他では得ることはできない。

「(スケートボードで)一番楽しいところは……技を決めたときの達成感がすごいです」

次に挑戦したい技は何かを尋ねてみると、「あるけど、言わないでおこうかな」と秘密。だが、レールに向かって進んでいく赤間の表情を見ていると、どんな技であれ集中してぶつかり、自分のものにしようと努力する姿が目に浮かぶ。

赤間凛音、パリ2024オリンピックへの道

東京2020オリンピック予選を兼ねた2021年の世界選手権に出場した赤間は、予選を7位で通過したものの、準決勝では12位に終わり、決勝進出はかなわなかった。一方、同大会で上位に入賞して世界ランキングを上げた西村碧莉、西矢椛、中山楓奈は東京オリンピックへの切符を獲得。そして西矢、中山が金銅メダルを獲得したのは、皆の知るところだ。

彼らの活躍を間近に見てきた赤間にとって、東京大会は悔しさを感じさせると同時に良い起爆剤にも。それが冒頭で紹介した、「パリオリンピックは絶対出たいです」という言葉につながっていく。

パリ大会のスケートボード女子ストリートの出場枠は各国最大3枠。基本的には予選大会の結果をもとにした世界ランキングによって決定するため、予選大会のひとつひとつが重要となる。

米スケーターのマライア・デュランに憧れているという赤間は、オリンピック予選を兼ねて1月29日〜2月12日(ストリート種目は2月5日まで)に行われる世界選手権に出場を予定している。最初の予選大会で惜しくも表彰台を逃した赤間の次の挑戦を見届けたい。
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