通算13アンダーで逃げ切り、完全優勝を飾ったマークセンは2度目のプロシニア制覇、通算17勝目

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第61回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ 最終ラウンド

 
 プラヤド・マークセン(56=タイ)が、通算13アンダーで逃げ切り、第1ラウンドから首位を守る完全優勝で、今季2勝目、通算17勝目を挙げた。日本シニアオープンの同一年日本タイトル2冠は過去3人(高橋勝成、中嶋常幸、マークセン)が記録しているが、2016年以来自身2度目となるのは初の快挙で、今季賞金ランクトップに立った。5打差2位に宮本勝昌(50)、追い上げた谷口徹(53)が3位に入った。2位スタートの室田淳(67)は5位に終わった。

 マークセンはスタートから30分ほどで勝負を決めた。

 1番パー5。第2打でグリーン横のフェアウエーに運び、アプローチで1メートルに寄せてバーディー発進。

 2番パー3。右奥のピンを狙って手前2メートル弱につけ、決めてバーディー。

 3番パー4。フェアウエーからピン左上4メートルほどにつけて3つ目のバーディー。

 3連続バーディーで、スタート時点で1打差2位の室田淳、2打差の宮本勝昌を突き放した。この3連発で勝てると思いましたか?「ハイ。室田さん、宮本さんが(そこから)どういうゴルフをするか分かりませんでしたが、自分の調子がいいので行けそうだと思いました」と、振り返った。

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 この日はいつもより早く、スタート時間の2時間半ほど前にクラブハウスに来た。「早くやりたくてしょうがなかった」という。気持ちも乗っていたようだ。

 4番以降、チャンスを外してちょっとイラっとしたような表情も見せたが、それもパットを外した一瞬だけで、あとは室田、宮本と談笑しながらの終始にこやかにプレーした。11番でバーディーを取り、パーを重ね、16番パー3では2メートル強を入れてダメ押しと言えるバーディー。17番でグリーン右手前のラフからのアプローチが寄らず、初ボギーをたたいたが大勢に影響はなかった。最終18番ではティーショットを打って歩いている途中で室田が近づいて握手を求め「おめでとうと言われました」という。最後はバーディーを取り返して締め、宮本に5打差をつける完全優勝を達成した。

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 今回の勝因は「3番ウッドの調子がよかったことと、パターを替えたこと」だという。空き週にタイに戻って、3、5番ウッドを最新のステルスにしてシャフトを調整してきた。

 「今日も3番ウッドをティーショットで6,7回使った」と、ラフが深く、フェアウエーキープをいつも以上に求められるコースで威力を発揮した。パターはオデッセイ#5から#7に替え「狭かったスタンスを広くしたら調子が良くなった」という。

 9月の日本シニアオープンに続き、シニアの日本タイトルを同一年に制した。同一年2冠は、高橋勝成(2000年)、中嶋常幸(2006年)、マークセン本人が日本デビューした2016年に達成している。今回2度目の日本2冠が初めてと知り「そんなすごいことをしたんですね。日本シニアオープン3連覇(2016〜18年)と同じぐらいすごいことだと驚いています」とびっくりしてみせた。

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 これで賞金ランクもトップとなり、2位藤田寛之に263万円あまりの差をつけて逆転した。2018年以来4度目の賞金王も視野に入ってきた。

 とにかく「丈夫」だ。コロナ禍の制限が緩和されていきた今季は5,6月にアジアンツアーを回り、夏場からはシニアツアーに参戦している。シニアツアー最終戦を終えるとまたアジアンツアーに戻る。年間どのぐらい試合をこなすのだろう?

 「いっぱいあって分からない」と笑った。それで体は大丈夫?「はい、どこも痛くありません。明日天気がよければ、ゴルフをしたい」とまた笑った。

 笑顔が絶えない。笑顔の練習をしています?「ウィラチャンのようにはやっていない(笑い)。ただ、私が笑っていなかったら、疲れているんだと思ってください」。

 日本勢にとって、マークセンが笑顔のうちは、打ち負かすには苦労しそうだ。

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