【世界陸上】3日目モーニングセッションコメント:男子400mで佐藤、ウォルシュが準決勝進出!男子マラソン西山は世界選手権日本人最高記録で13位
【写真提供:フォート・キシモト】
スタート時の気温が13℃、フィニッシュ時は16℃と、涼しく、雲の多い天候下で行われた男子マラソンは、ゆったりとしたペースでの入りとなった前半から一転して、終盤で大きくペースアップする展開に。優勝したのは34kmあたりでリードを奪ったTamirat TOLA選手(エチオピア)で、大会新記録となる2時間05分36秒をマークしました。ともに2度目のマラソンとなった日本の西山雄介選手(トヨタ自動車)と星岳選手(コニカミノルタ)は13位と38位でのフィニッシュ。西山選手は、世界選手権における日本人最高記録となる2時間08分36秒をマークしました。
世界選手権では2001年エドモントン大会以来のフルエントリーとなった男子400mは、佐藤風雅選手(那須環境、45秒88)とウォルシュジュリアン選手(富士通、45秒90)がともに予選を4着でフィニッシュ。プラスで拾われる競技者の2・3番手で準決勝へ駒を進めました。
モーニングセッションにおけるトラック唯一の決勝種目として行われた男子10000mには、田澤廉選手(駒澤大学)と伊藤達彦選手(Honda)が出場。田澤選手が20位、伊藤選手は22位という結果でした。
午前のセッションに出場した選手のコメントは、下記の通りです。
◎西山雄介(トヨタ自動車)
【写真提供:フォート・キシモト】
足に来たのは27〜28kmくらい。30kmのときには、少しまだ残っていた感じだったが、ペースが3分05(秒)になったり2分50(秒)になったりと、ほぼ給水のタイミングのところで上げ下げがあった。(集団の前に)いたかったので毎回対応していたところが、足に来てしまったのだと思う。
練習で、自分のやるべきことを本当にしっかりやってきて、ほぼパーフェクトでできたなかで、練習でも後半の落ち込みがないように意識して練習してきたので、そこは練習の成果がまとめられたことはよかったのかなと思う。タイムについては、正直、特に意識していなくて、自己ベスト以外、そんなに気にしないので、今回の結果もなんともいえないという感じである。それよりも、タイムというよりも、勝負できなかったことが悔しい。
こういったペースの上げ下げを世界の舞台で経験できたことは大きかったし、日本のように30kmまでペースメーカーのいない、生きたレースを経験できたことは今後につながると思う。これを絶対に無駄にしちゃいけない。練習のレパートリーとか、バリエーションとかを、これから増やしていかなければいけないということを、すごく感じている。
◎星 岳(コニカミノルタ)
【写真提供:フォート・キシモト】
今日のレースは、「積極的、かつ冷静に、ペースの上げ下げにもうまく対応できる」ことを意識していた。序盤はうまく流れに乗れていたと思うが、やはり力不足の部分が大きくて、後半は全く対応できなかったなと思う。
対応できなかった部分は、最初は足に来た。2周目が終わる直前の上りのタイミングで、ペースが上がったタイミングで動かすことができなくて、置いていかれてしまった。
対応しやすいように、前のほうにポジションをとることを心掛けて、序盤は位置取りをしていた。
結果は振るわなかったと思うが、今日のレースと、代表として向き合っていた時間と、本当にすごく成長できたなと思う。自分のなかではプラスしかないので、今後に生かしたい。
◎ウォルシュジュリアン(富士通)
【写真提供:フォート・キシモト】
うまくいかなかったと思うのは、後半が持たなかったこと。タイムと自分の感覚とのギャップもすごくあった。練習からめちゃ調子がよく、アップもめちゃよかったのだが、(その割にタイムが伸びず)あれ? という感じである。
調子は一番いい状態に持ってきたつもりなので、走りは今季で一番よかったと思う。
今、入りの(200mの)タイムがわからない状態であるが、最近、前半を行きすぎてしまって、後半が持たないということが(課題として)ある。準決勝は、前半を積極的に行くけれど、そのなかでも冷静に、レースを展開していきたい。
◎佐藤風雅(那須環境)
【写真提供:フォート・キシモト】
今シーズンは、前半をうまく走れていたので、この試合でもそれは変えずに前半からしっかり勝負しようと臨んだが、向かい風が強かったぶん少し力んだ前半となってしまった。300mまでは海外選手と変わらないタイムで行けたが、彼らの元々のスピードが速いぶん、ラストの直線で彼らには余力があったのに対して私はもう出しきった状態で、落ちないようにするので精いっぱいだった。ラストは少し脚が流れてしまったが、たれているなかでも最低限まとめきれたと思う。ただ、今シーズンやってきたことが、できていない走りになってしまったので、準決勝では、日本選手権や調子がよかったレース(の映像)をもう一度見直して、今回と何が違うのかを分析して準決勝に臨みたい。
◎川端魁人(中京大クラブ)
【写真提供:フォート・キシモト】
(対戦した外国人競技者は)走る前は、自分よりもひと回りもふた回りも大きいなと思ったが、予選のボーダーラインをとかを見てみると、突破できないわけではない。そこは世界との壁というよりは、自分との壁という感じ。力を出しきれない自分を弱いなと感じた。
マイル(4×400mリレー)に関しては、個人で準決勝に行った(佐藤)風雅さん、(ウォルシュ)ジュリアンさんもいて、アベレージで見ても近年のなかでもとてもいいメンバーが揃っている。チームとして、2分台というのを絶対条件として、まず決勝に駒を進めることを目標にしているので、(レースまでの)残り1週間で、自分がやるべき仕事をしっかりと状態を整えて挑みたい。
◎田澤 廉(駒澤大学)
【写真提供:フォート・キシモト】
自分のなかでは、先頭は5000mを13分45秒くらいで通過するのではないかと思っていたので、比較的余裕を持って、ペースが上がったところで自分も(ペースを)上げて、粘るレースをしたかったので、それができなかったことは、もったいないなと思う。
今回、スタートラインに立てたことはよかったと思うし、今後の自分の陸上人生においても、なんらかのプラスになると思っていたので、改めて振り返ってから今後に向けて考えたい。
◎伊藤達彦(Honda)
【写真提供:フォート・キシモト】
10月に5000mで13分10秒台を出すことを目標にしていたので、それに向けて、ショートインターバル系とか、レペティションなどをやっていたのだが、VO2max系の練習をしていなかったので、スピードに対応できなかったというのはある。
日本選手権(で上位を得ること)や(参加)標準記録を切ることに100%を使っていつも挑んでいるが、そこで使いきってしまうと、本番をベストコンディションで迎えられないことが東京オリンピックでも、また今回でも感じたので、日本選手権を楽勝で、ダントツで突破して内定を決めて、この舞台に立てるように、またこの1年を頑張りたい。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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