「頂点を、つかむ。」 マリーンズ戦記 6月5日 ジャイアンツ戦 今季初二桁得点、今季最多の5本塁打で勝利

千葉ロッテマリーンズ
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【2022年千葉ロッテマリーンズ チームスローガン】

 土俵際で踏ん張った。6月5日、東京ドームでのジャイアンツとの交流戦3戦目。1戦目、2戦目を落として絶対に負けられないゲーム。いきなり2点の先制を許し、嫌な流れもチーム一丸、集中して冷静にゲームを進めていった。
 
二回だ。「東京ドーム大好き!」とレアードの東京ドームでは21本目となる豪快な10号2ランで同点に追いつくと、3四死球で満塁とした三回にもレアードが勝ち越しの犠飛。さらに五回にはマーティン、佐藤都の連続本塁打。八回にも岡の犠飛とマーティンの6号3ランで加点。九回にもレアードが東京ドーム22本目となる12号ソロ。効果的に点数を重ねていった。

 「ポイントゲッターが打ってくれた。レアードの一発でしっかりと追いついて、中盤、後半としっかりと点を取れた。マーティンもよく打ってくれた。ウチはやはり両外国人の前にランナーをおいて長打。それがこれまでの野球。両外国人にとってきょうはいいキッカケになってくれたと思う。これから、もっともっと打って欲しい。これからも期待している」

 マリーンズ打線があるべき姿を取り戻したことに試合後の井口資仁監督も嬉しそうな表情を見せて振り返った。

 試合前にはルーキーの松川が円陣の輪の真ん中にいた。「連敗をしていますが、チーム一丸で勝って連敗を止めましょう!」。初々しく元気な声にベンチは沸いた。指揮官も「いい声出しだ」と目を細めた。3連敗の雰囲気を払拭させる若者の溌剌とした声に乗るように打線が爆発した。

 打撃不振に悩んでいたマーティンが気迫の闘志を見せた。左足に死球を受け、グラウンドにうずくまったが痛みを押し殺し、立ち上がった。死球交代も考えられたが、「足を引っ張っていた。でも本人が自分は出たいと直訴した」と指揮官。個別ミーティングを行うなど悩める助っ人に寄り添ってきた井口監督は死球後に見せた男のファイティングスピリットに交代という選択肢を消し、そのままプレー続行を選択した。ベンチの想いに応えないような男ではない。戦う男は意気に感じ、結果を出してみせた。4万509人の大観衆の度肝を抜く2発。これぞマーティンという一撃で復活を豪快に宣言した。どうだと言わんばかりに、三塁側ベンチに向かって、左手を力強く突き上げた。

 東京ドームでマリーンズ打線が華麗に息を吹き返した。本来のあるべき姿を取り戻した。もう下を向かない。前を向き、どんどん勝ち続けるのみだ。

「交流戦残り6試合。すべて本拠地で試合ができる。しっかりと連勝できるように頑張っていく」と井口監督。

 負ければ今季最悪の借金10となる状況でチーム全員がなにくそと力で押し返した。1試合5本塁打は今季初。二桁得点も今季初だ。崖っぷちに追い込まれて、本来の持っている力を思い出した。2022年のチームスローガンは「頂点をつかむ。」。最大13・5ゲーム差あった首位との差は9ゲーム。ここから壮絶なる追い込みをかける。さあこれで交流戦は本拠地ZOZOマリンスタジアムに舞台を移して6連戦を残すのみ。05年と06年の交流戦覇者であるマリーンズが地力をみせるためにも最後はすべて勝利してフィニッシュしてみせる。大観衆がスタンドから消えた東京ドームにはまだマリーンズの活気が余韻のように残っていた。それは力強く、熱く、尊い空気。頂点を目指す男たちの体から発せられた気だった。
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