早大体育各部 3年ぶりの新人パレード 歴史と地域のつながり体感

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

体育各部新人パレード 5月21日 早稲田大学周辺
【早稲田スポーツ新聞会】記事 田島璃子 写真 横山勝興、田島璃子

2年連続で中止を余儀なくされていた体育各部新人パレードが復活した。短いルートとなったが、かつてと同じように、野球の早慶戦1週間前の5月21日に実施。卒業生や地域とのつながりを感じる温かい時間となった。

 パレードの開始予定時刻は12時20分。予報では昼から上がる雨だったが、雨は時折弱まるも完全に止むことはなかった。しかしたくましい新入部員たちは雨の中堂々とパレードをスタート。例年は高田馬場駅から大隈講堂へ、最後に早稲田キャンパスの周りを1周する新人パレードだが、再開して最初となる今回は、例年の最後の部分である、早稲田キャンパスの周辺を1周するのみの短いルートが予定されていた。部番号順に、前後2つに分かれて早稲田キャンパスの10号館を出発した。

 先頭を率いるのは応援部の旗手と吹奏楽団だ。『紺碧の空』や『コンバットマーチ』など、体育各部の大会のさまざまな場面を彩る音楽に率いられ、正門を出たパレードは左折し、大隈通りを進む。道幅の狭い大隈通りは通り沿いの店舗や住民が声援を送り、選手は照れながらも声援に答えて手を降っていた。

 さらに進み、グランド坂へ。柔道部の笠井雄太(スポ1=愛知・桜丘)や米式蹴球部をはじめ、カメラへアピールをする場面も見られ、楽しそうに歩いて行く。グランド坂を抜けると、国道25号線、早稲田通りへ。パレードの先を歩く体育各部実行委員会が停車している車に声をかけ、道を譲ってもらうなどして左側車線を行進する。すぐ右の車線はバスが通り、車内からはパレードを優しく見守る乗客がいた。小さなこどもがプレートを堂々と掲げていた漕艇部、まわし姿に傘を指していた相撲部、早稲田大学の公式マスコットキャラクター・ワセダベアなど、それぞれの部の色が出る行進は馬場下町の交差点へ。早稲田大学戸山キャンパスと早稲田キャンパスの行き来で通るこの交差点には多くの早大生がおり、突然のパレードに驚きながらもカメラを向け、楽しんでいる様子だった。

 その後、早大南門通りを抜けて隊列は大隈講堂へと進む。講堂では、宣誓式が行われた。漕艇部の加藤真奈(スポ1=静岡・浜松西)と、ラグビー蹴球部の勝矢紘史(スポ1=長崎北陽台)が新入部員を代表して挨拶をし、その後全体の集合写真を撮影した。

 新型コロナウイルスの影響で2020年、21年と新人パレードは開催できていなかった。しかし、22年、その存在を肌身で体感した代が在学する最後の年に、新人パレードは早稲田の町に返ってくることができた。商店街を始めとする地域の方々、そして現役の早大生、卒業生などが新入部員を温かく迎え入れた新人パレードが、新入部員の力になったことは間違いない。地域とのつながり、そして早大の体育各部を紡いできた卒業生とのつながりを感じた1日は、『紺碧の空』の余韻を耳に残し、幕を閉じた。

集合写真に納まる新入部員たち 【早稲田スポーツ新聞会】

コメント(※インタビューの下に各部活の写真を掲載しております。)

☆体育各部 新人パレード担当

統括 ハンドボール部 佐藤明咲花(スポ2=福島・安積)
――新人パレードの統括として、無事パレードを終えた今、どんな気持ちですか
 天気予報が雨であったため、前日はパレードが中止になり、今までの準備がすべて無駄になってしまうのではないか、といった不安に襲われていました。当日は、あいにくの雨にも関わらず、私の予想以上に沢山の方々が応援してくださり、非常に温かい気持ちになりました。今は無事にパレードが終わり、ホッとしています。また、当日お手伝いに来てくださった各部の方々、約1ヶ月間一緒に準備をしてきた副統括の地本くんには、不甲斐ないリーダーについてきてくれてありがとう、という感謝の気持ちで一杯です。後日、ハンドボール部の現監督が入学した頃からパレードを行っていたと知り、伝統あるパレードの統括を務めることができ、非常に誇らしいと感じました。
――ご自身も経験されたことのない新人パレードを3年ぶりに開催するにあたって、大変だったのはどんなことですか
 一番大変だったことは、経験したことがないうえ、過去資料がほとんど無かったことです。特に宣誓式と懇親会は全く資料がなく、統括二人で話し合いながら、一から要項や次第を作りました。実際のパレードの雰囲気などは、パレードを経験した4年生にお話を伺いながら、イメージを合わせていきました。
――来年はどのようなパレードにしてほしいですか
 体育各部が早稲田の街に温かく受け入れられてきたという歴史を知り、そのような伝統ある早稲田スポーツをこれから担っていくという誇りを感じてもらえるようなパレードを作ってほしいと思います。来年はコロナが収束し、かつてと同じルートで行えることを願っています。

副統括 応援部 地本大晴(社2=愛知・東海)
――新人パレードの副統括として、無事パレードを終えた今、どんな気持ちですか
 雨の中のパレードでしたが大きな事故もなく、無事に終わって良かったと思っております。米式蹴球部の新入生達はノリノリで私もとても嬉しかったです。パレードの隊列に付いていたのですが、一番驚いた事は、思っていた以上に地域の方々が見に来てくれていたことです。私も新人の頃に新人パレードをやりたかったと思っております。
――ご自身も経験されたことのない新人パレードを3年ぶりに開催するにあたって、大変だったのはどんなことですか
 過去の資料集めから警察の方をはじめ、たくさんの大人への連絡まで、運営をするとはこういうことかと実感しておりました。配置する実行委員の動き、備品の動き、新入生の動き、等々を各々に分けて考え、パレードが円滑に進むよう、何回も詳細なシミュレーションを繰り返すことが、新人パレードを経験していないがゆえに、とても大変でした。
――来年はどのようなパレードにしてほしいですか
 コロナが明けて本来のパレードになってほしいと思っております。従来は高田馬場から大通りを通っていたと伺っております。もっと多くの方々、高田馬場や早稲田の地域の方々に新人パレードを見てもらいたいと思います。あと、来年の新人パレードは天気が良くなってほしいです。

☆応援部

体育各部実行委員長 井上皓介副将(法4=東京・早大学院)
――雨のなかでの新人パレード開催となりましたが、体育各部実行委員長として振り返っていかがですか
 担当だったハンドボール部女子の佐藤さんと、競技スポーツセンターの進藤さんが中心に話し合ってくださって、「やっちゃいましょう」ということになりました。早稲田らしい勢いで最後は開催に踏み切ってくださりました。最終的には天気も味方してくれました。開催の判断が良い方向に動いてくれて良かったと思います。
――普段の神宮球場での校旗掲揚とは異なり、早稲田の街を行進しながらの掲揚となりましたが、いかがでしたか
 街の人の表情が見えたり声が聞こえたりして、街の人とのつながりを感じられたことがとても楽しかったです。
――雨のなかでの校旗掲揚となりましたが、どのような経緯で掲揚を決めたのでしょうか
 (雨のなかで)そもそも校旗を掲揚するか迷いましたが、新入生のバレードを豪華なものにしたかったので、少し無理やりではありましたが、掲揚することにしました。

吹奏楽団
――早稲田の街で行進しながらの演奏となりましたが、感想はいかがですか
 パレード中、学生や地域の方々などさまざまな方からの応援をいただきました。早稲田の街のつながりを感じ、行進しながら胸が熱くなりました。また、新人パレードは私達4年生が入部した年以来の開催でした。3年前を思い出し感慨深かったです。これから早稲田大学体育各部を盛り上げてくれる、新人の皆様に期待しています。

☆宣誓式 新人代表

漕艇部 加藤真奈(スポ1=静岡・浜松西)
――選手宣誓をしてみて、いかがでしたか
 早稲田大学体育各部に所属することの責任と早稲田を背負っている自覚を持ちました。
――緊張はされましたか
 緊張しました。
――4年間の意気込みをお願いします
 自分自身を日々超えていけるように頑張りたいです。よろしくお願い致します。

ラグビー蹴球部 勝矢紘史(スポ1=長崎北陽台)
――パレードを歩いてみていかがですか
 楽しかったです。たくさんの方に集まっていただき、改めて支えていただいていることを実感しました。
――大隈講堂での選手宣誓について感想をお願いします
 緊張せず、リラックスしてできました。
――全部活を代表しての挨拶でしたが、振り返っていかがですか
 代表に選んでいただけることはすごく光栄なことですし、選手宣誓をしたからというわけではありませんが、より一層身が引き締まりました。
――今後4年間の意気込みをお願いします
 まずは一日でも早く赤黒を着て、チームの『荒ぶる』に貢献したいと思います。4年間を通して、今日体感した色々な方に支えられていることを忘れずに、日々精進していきたいです。

選手宣誓をする佐藤(左)と勝矢 【早稲田スポーツ新聞会】

☆パレードを盛り上げた人

ワセダベア
――3年ぶりのパレード開催が無事終了しましたが感想を教えてください
 体育各部の新人と触れ合う事ができてよかった。新人には早稲田を代表するスポーツマンとして元気さと明るさを忘れずに頑張ってほしい。

宣誓式に臨むワセダベア 【早稲田スポーツ新聞会】

◇パレードの様子(隊列の並び順)

先頭を歩いた応援部 【早稲田スポーツ新聞会】

応援部 吹奏楽団 【早稲田スポーツ新聞会】

野球部 【早稲田スポーツ新聞会】

庭球部 【早稲田スポーツ新聞会】

漕艇部 【早稲田スポーツ新聞会】

剣道部 【早稲田スポーツ新聞会】

柔道部 【早稲田スポーツ新聞会】

弓道部 【早稲田スポーツ新聞会】

競走部 【早稲田スポーツ新聞会】

相撲部 【早稲田スポーツ新聞会】

ラグビー蹴球部 【早稲田スポーツ新聞会】

スキー部 【早稲田スポーツ新聞会】

スケート部(ホッケー部門) 【早稲田スポーツ新聞会】

バスケットボール部(男子) 【早稲田スポーツ新聞会】

ア式蹴球部(男子) 【早稲田スポーツ新聞会】

馬術部 【早稲田スポーツ新聞会】

卓球部 【早稲田スポーツ新聞会】

ボクシング部 【早稲田スポーツ新聞会】

レスリング部 【早稲田スポーツ新聞会】

自動車部 【早稲田スポーツ新聞会】

米式蹴球部 【早稲田スポーツ新聞会】

ヨット部 【早稲田スポーツ新聞会】

ハンドボール部(女子) 【早稲田スポーツ新聞会】

フェンシング部 【早稲田スポーツ新聞会】

応援部(リーダー) 【早稲田スポーツ新聞会】

応援部(チアリーダーズ) 【早稲田スポーツ新聞会】

軟式庭球部 【早稲田スポーツ新聞会】

準硬式野球部 【早稲田スポーツ新聞会】

自転車部 【早稲田スポーツ新聞会】

バドミントン部 【早稲田スポーツ新聞会】

航空部 【早稲田スポーツ新聞会】

ワンダーフォーゲル部 【早稲田スポーツ新聞会】

ゴルフ部 【早稲田スポーツ新聞会】

ウエイトリフティング部 【早稲田スポーツ新聞会】

射撃部 【早稲田スポーツ新聞会】

合気道部 【早稲田スポーツ新聞会】

アーチェリー部 【早稲田スポーツ新聞会】

ソフトボール部 【早稲田スポーツ新聞会】

日本拳法部 【早稲田スポーツ新聞会】

ラクロス部(男子) 【早稲田スポーツ新聞会】

ラクロス部(女子) 【早稲田スポーツ新聞会】

少林寺拳法部 【早稲田スポーツ新聞会】

運営に携わった体育各部実行委員 【早稲田スポーツ新聞会】

運営に携わった体育各部実行委員 【早稲田スポーツ新聞会】

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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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