山下美夢有パーフェクトV ー 公式競技初制覇
【<Photo:Toru Hanai/Getty Images>】
JLPGA ツアー2022シーズン公式競技・第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2400万円)大会最終日が5月8日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 西コース(6680ヤード/パー72)で行われ、山下美夢有が通算12アンダーで完全優勝。3打差の通算9アンダー、2位に青木瀬令奈が入り、石川明日香、稲見萌寧が通算6アンダーの3位だった。
(天候:曇り 気温:20.4℃ 風速:1.7m/s)
《グリーン=スティンプ:13 1/2フィート コンパクション:24.5mm》
人生を変えた1日。山下美夢有は4日間、72ホールを戦い抜き、公式競技ウイナーへ輝いた。難コースへ真っ向勝負。努力と基本を再確認しながら、もてる技をすべて出し切る。
「きょうは100点です。ものすごい緊張の中でのプレー。これが最終日、最終組なんですね。それでも、しっかりとアンダーパーをマークできました。だから、100点」と、胸を張った。大会コース新の第1日と同じ満点である。そして、「うれしい。その言葉しか浮かんでこない」とも。それは、決死の覚悟で力を振り絞ったからだろう。
序盤から同組の青木瀬令奈が攻勢をかけた。スタート時、2位とは6打差があったが、余裕など感じることはない。重苦しい展開。流れを引き寄せたのは、パー5の12番だった。残り90ヤードの第3打をピン横3メートルへ。バウンスバックに成功した。
「下りのとても難しいライン。バーディーが決まって本当に良かった」と、少しだけ胸をなでおろす。雰囲気が変わったように映る。さらに、パー3の15番は8Iでピン横4メートルのチャンスをつくった。見事なカップイン。通算12アンダーへスコアを伸ばす。
コースセッティング担当ディレクター・茂木宏美が想定した、「挑戦する選手へ期待を込め、優勝スコアは11アンダー」を上回った。残り、3ホール。静かな気迫がみなぎる。集中力も途切れることはなかった。16番、第1打をバンカーへ入れたものの、パーセーブに成功。
前週まで3試合連続で予選落ちを喫した。「メンタルまで結構、やられた」という。とはいえ、コーチの父・勝臣さんと話し合い、「すべてのショットを練習のように」を今大会のテーマのひとつとした。
1Wからパターまで、ルーティンをつくる。ボールの30センチ後方でクラブフェースの向きを合わせ、ショットへ向かう。方向を確認し、正しいアドレスをとる目的がある。原点回帰ができるのは、基本をしっかりマスターしている証だ。276回のショット。すべてでルーティンを怠ることはなかった。
プロ3年目。同期では全米女子オープンを勝った笹生優花、そして今季4勝の西郷真央がいる。昨年、JLPGAツアー初優勝を飾ったが、「私も1勝はできた。でも、それから勝てないし、予選落ちが続くと、何事もプラスには考えられない。しかし、やるべきことはやっていた。同期が活躍し、少しは焦りも感じて…」と打ち明ける。
デビューイヤーからコロナ過で、さまざまな困難に見舞われた。そのひとつは無観客試合が続いたことだ。「きょうはスタート前からずっと緊張した。18番が終わって今、皆さんの前でも緊張しています」と真顔で話す。もちろん、今大会のような大ギャラリーの熱視線を受けながらの経験はない。
「次に、きょうのような試合があった時、役に立つ。思い出しますよ。きっと…」。ようやく満面の笑みがこぼれた。スタートからホールアウトまで、5時間10分。自身の新たな可能性を見出した。
(天候:曇り 気温:20.4℃ 風速:1.7m/s)
《グリーン=スティンプ:13 1/2フィート コンパクション:24.5mm》
人生を変えた1日。山下美夢有は4日間、72ホールを戦い抜き、公式競技ウイナーへ輝いた。難コースへ真っ向勝負。努力と基本を再確認しながら、もてる技をすべて出し切る。
「きょうは100点です。ものすごい緊張の中でのプレー。これが最終日、最終組なんですね。それでも、しっかりとアンダーパーをマークできました。だから、100点」と、胸を張った。大会コース新の第1日と同じ満点である。そして、「うれしい。その言葉しか浮かんでこない」とも。それは、決死の覚悟で力を振り絞ったからだろう。
序盤から同組の青木瀬令奈が攻勢をかけた。スタート時、2位とは6打差があったが、余裕など感じることはない。重苦しい展開。流れを引き寄せたのは、パー5の12番だった。残り90ヤードの第3打をピン横3メートルへ。バウンスバックに成功した。
「下りのとても難しいライン。バーディーが決まって本当に良かった」と、少しだけ胸をなでおろす。雰囲気が変わったように映る。さらに、パー3の15番は8Iでピン横4メートルのチャンスをつくった。見事なカップイン。通算12アンダーへスコアを伸ばす。
コースセッティング担当ディレクター・茂木宏美が想定した、「挑戦する選手へ期待を込め、優勝スコアは11アンダー」を上回った。残り、3ホール。静かな気迫がみなぎる。集中力も途切れることはなかった。16番、第1打をバンカーへ入れたものの、パーセーブに成功。
前週まで3試合連続で予選落ちを喫した。「メンタルまで結構、やられた」という。とはいえ、コーチの父・勝臣さんと話し合い、「すべてのショットを練習のように」を今大会のテーマのひとつとした。
1Wからパターまで、ルーティンをつくる。ボールの30センチ後方でクラブフェースの向きを合わせ、ショットへ向かう。方向を確認し、正しいアドレスをとる目的がある。原点回帰ができるのは、基本をしっかりマスターしている証だ。276回のショット。すべてでルーティンを怠ることはなかった。
プロ3年目。同期では全米女子オープンを勝った笹生優花、そして今季4勝の西郷真央がいる。昨年、JLPGAツアー初優勝を飾ったが、「私も1勝はできた。でも、それから勝てないし、予選落ちが続くと、何事もプラスには考えられない。しかし、やるべきことはやっていた。同期が活躍し、少しは焦りも感じて…」と打ち明ける。
デビューイヤーからコロナ過で、さまざまな困難に見舞われた。そのひとつは無観客試合が続いたことだ。「きょうはスタート前からずっと緊張した。18番が終わって今、皆さんの前でも緊張しています」と真顔で話す。もちろん、今大会のような大ギャラリーの熱視線を受けながらの経験はない。
「次に、きょうのような試合があった時、役に立つ。思い出しますよ。きっと…」。ようやく満面の笑みがこぼれた。スタートからホールアウトまで、5時間10分。自身の新たな可能性を見出した。
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