【鳩スタ殿の13人】#015 林洸太朗(鎌倉インターナショナルFC 選手)ー『鳩スタ』で主体性のあるチームの文化を築いていきたい

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【©Kazuki Okamoto (ONELIFE)】

 神奈川県リーグに所属する鎌倉インテルが、民間の力だけでつくり上げた自前のホームグラウンド「みんなの鳩サブレースタジアム」(通称「鳩スタ」)。雑草の生い茂っていた古都・鎌倉の広大な空き地に誕生した「鳩スタ」は、その名の通りに「みんなの思い」が形になった場所だ。

 ここでは「鳩スタ殿の13人」と題して、「鳩スタ」に関わる人々のそれぞれの思いに迫る。今回は、昨シーズンCBの主力として活躍した2年目のDF林洸太朗。

(文・本多辰成/スポーツライター)

「鳩スタ」公式戦初ゴールを記録、観客も含めてひとつになりたい

 昨年10月24日、オープンした「鳩スタ」で初のリーグ戦となった横須賀マリンFCとの一戦。試合開始早々の前半6分、右コーナーキックから鎌倉インテルに先制のゴールが生まれる。「鳩スタ」の記念すべき公式戦初ゴールは、ニアサイドに飛び込んだDF林洸太朗の頭によるものだった。

「『鳩スタ』での最初の試合ということもありましたし、チームとしてもコーナーキックからの得点というのはほんとんどなかったので決めてやろうと思っていました。ゴール後はみんなが集まってきてくれて、うれしかったですね」

 林のシーズン初ゴールで先制した鎌倉インテルはその後も得点を重ね、4対0で「鳩スタ」での公式戦初戦を快勝で飾った。コロナ禍がいったん落ち着いたことで次戦からは有観客での開催となり、「鳩スタ」でのリーグ戦は4戦全勝。多くの観客が見守るホームの力を、林も強く実感した。

「『鳩スタ』の力はやっぱり大きかったと思います。地域の方、応援してくださる方が見に来てくれるというのは本当に選手の大きな力になったと思います。一つひとつのプレーが多くの人を一喜一憂させる。ゴールしたら同じように喜び、負けたら悲しみ、ときには叱咤激励もしてくれる。観客も含めて鎌倉インテルがひとつになれるかというところを、私自身もプレーヤーとして体現しなければいけないと強く思うようになりました」

記念すべき「鳩スタ」公式戦初ゴールを決めた林洸太朗 【㋚写真】

NYで感じたサッカーの力、鎌倉インテルのビジョンに惹かれた

 林は1995年生まれ、東京都の出身。高校は名門の帝京高校でプレーし、玉川大学を経て東京都リーグで社会人サッカーを2年間経験した。そして昨年、結婚と神奈川県への引っ越しをきっかけに鎌倉インテルに加入。クラブが掲げる「CLUB WITHOUT BORDERS」というビジョンが林の心に響いた。

「大学時代に1年ほどニューヨークに留学したことがあって、その時に多国籍の人が集まるチームでプレーした経験がありました。それまでは学生として同じ年代でのサッカーしかしていませんでしたけど、サッカーは国籍、年齢、性別、宗教とかに関係なく楽しむ権利があるスポーツなんだということをそこで改めて認識したんです。鎌倉インテルはまさにそれをビジョンとしているクラブですし、何かチームに貢献できることがあればと」

 一方で、クラブに加入する時点では「鳩スタ」のプロジェクトについてはそれほどよく知らなかったと振り返る。

「入る段階では正直、『鳩スタ』の計画についてはあまり知らなくて、入ってから知った感じでした。それまで所属していたチームは基本的にチームの運営をすべて選手がやっている状況だったので、グラウンドの確保などの面で苦労がありました。なので、入った時点でもインテルの環境は私にとってはかなりいいものでしたが、さらに自分たちのグラウンドができたらこの上ない素晴らしい環境になるなという印象を持ちました」

帝京高校の先輩であるCOEDO KAWAGOE F.Cの村松知輝監督(元鎌倉インテル)との2ショット 【鎌倉インターナショナルFC】

鎌倉の人たちに支えられていると実感する機会が増えた

街に掲載されている鎌倉インテルのポスター 【鎌倉インターナショナルFC】

 実際、「鳩スタ」の完成によって練習環境は大きく改善され、リーグ戦の結果にも明らかな好影響が見られた。さらに、都会で生まれ育った林にとっては「鳩スタ」のような場所がある鎌倉の人たちをうらやましく感じるという。

「私の場合、東京の品川出身なので、幼少期に地元でサッカーができる場所というのが本当になくて。家の前のコンクリートの道路でやるくらいしかなかったので、サッカーをしているといろんな人に怒られる、みたいな経験があります。『鳩スタ』のような環境が子どもの頃にあったらどれだけよかっただろうと思いますし、土曜日の朝とかに『鳩スタ』で子どもたちがサッカーをしている光景を見ると、すごくうらやましいなと感じます」

「鳩スタ」が完成したことで、クラブはホームタウンである鎌倉との接点を持つ機会が大幅に増えた。その効果もあってか、最近は「鳩スタ」以外の場所でも地域の人たちから応援されていると実感できる機会が増えた。

「街のいたるところに鎌倉インテルのポスターが貼られていますし、飲食店などで『鎌倉インテルの選手です』と言うとサービスしてくれたりすることがよくあります。『インテルの選手は応援してるから、全部大盛りにしておくから』みたいな感じで。本当に街の人たちに支えられていることを実感しています」

「鳩スタ」で主体性のあるチームの文化を築いていきたい

3月6日(日)第2回FiNANCiE杯、劇的なアディショナルタイム弾でチームを2大会連続の決勝戦へ導く 【©Kazuki Okamoto (ONELIFE)】

 正社員として勤める本業と両立しながら鎌倉インテルの一員として戦う林。社会人サッカーをする上では、個人としてもチームとしても「主体性」が重要だと考えている。

「社会人サッカーでは、選手が義務として何かしなければいけないということは少ないです。そんななかで、一人ひとりがどれだけ主体性を持って活動できるかというのが重要だと思っています。自分自身も主体性を持って活動するということを常に意識していますし、チームとしてもどこまで追求できるかというところを考えていきたいと思っています」

 今シーズン、クラブは大幅に活動日数を増やし、なんとしても1部昇格を掴み取る決意だ。「鳩スタ」の誕生によってクラブの基盤が整えられた今、次のカテゴリーへの昇格を果たすことの重要性は林も強く感じているが、同時にチームの「カルチャー」をつくっていくことも重要だと感じている。

「能力の高い選手たちが入ってきましたし、チームとしては絶対に結果を出さなければいけない年だと思います。一方で、Jリーグでプレーしていたような選手が集まれば一時的に戦力は上がるかもしれませんが、それだけでなく主体性のあるチームのカルチャーをつくることも重要だと思っています。まだまだ創設から間もないクラブではあるので、そういったカルチャーの基盤をつくるような年にもしたいと思っています」

 加入1年目の昨季はCBとしてシーズンを通して主力として活躍した林は、「今年はゴールも狙っていきたい」と言う。メモリアルゴールを記録したDFが、今シーズンも攻守に「鳩スタ」で躍動する。

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著者プロフィール

鎌倉インターナショナルFC

鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、人種や宗教、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指しています。

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