【フィギュアスケート】北京五輪・男子シングル|宇野昌磨、鍵山優真、ネイサン・チェン…3連覇を狙う羽生結弦に挑むライバルたち
【(C)Getty Images】
フィギュアスケートでは羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真が北京五輪日本代表に選ばれた。開幕まで約2週間に迫った冬の祭典を前に、ここでは3連覇を狙う羽生結弦以外の日本選手と、メダルを狙う海外のライバルたちを紹介しよう。
◆宇野昌磨:最高難度のプログラムで連続メダルを狙う
宇野は平昌五輪で銀メダルを獲得しており、2大会連続表彰台の期待がかかる。平昌五輪の1カ月後に行われた2018年の世界選手権でも銀メダル。翌シーズンの四大陸選手権では初優勝を果たすなど、国際試合では継続して表彰台に乗ってきた。
しかし、2019-20シーズン序盤にメインコーチなしでシーズンに臨むことを表明。グランプリシリーズ・フランス大会では8位に終わった。その後、ステファン・ランビエール氏に師事することを発表し、その年の全日本選手権で4連覇を果たした。ランビエール氏に師事して2シーズン目となる北京五輪では史上最高難度のプログラムに挑む。
ショートプログラムは宮本賢二氏の振付による「オーボエ協奏曲」。フリースケーティングの曲は「ボレロ」で、ランビエール氏の振付だ。フリーでは5本の4回転ジャンプを構成に入れている。ジャンプだけでなく、ラストの気迫が感じられるステップはまさに圧巻。これだけ多くの4回転ジャンプを入れると体力の消耗も激しく、リスクも伴う。しかし、宇野は攻めの姿勢で2度目の五輪に臨む。
◆鍵山優真:さらに進化して挑む初の五輪
代表の3枠目を勝ち取ったのは鍵山優真だ。3枠目といっても、昨シーズンの世界選手権で銀メダル、今シーズンのグランプリシリーズでは、イタリア大会とフランス大会で2連勝と、しっかりと結果を残している。さらに代表選考時点での世界ランキングも1位(現在は2位)となるなど、着実に世界のトップ選手へと駆け上がっている。北京五輪ではメダルの可能性も十分にありえる存在だ。
鍵山の持ち味は美しいスケーティング。シニア2シーズン目を迎え、そのスケーティング技術はさらに磨きがかかっている。ショートは「When You're Smiling」、フリーは「映画『グラディエーター』より」で、どちらもローリー・ニコル氏の振付だ。
ニコル氏に細かな演技指導を受け、表現力の面でも向上に努めている。全日本選手権のフリーでは4回転ジャンプを3本組み込んだが、現在は4回転ループを構成に入れるまでに手応えを感じているという。構成に入れることになれば、ジャンプの基礎点合計も大幅アップが望める。全日本選手権後もさらに成長している鍵山が、北京五輪という大舞台に挑む。
◆ネイサン・チェン:4年前のリベンジを誓う
海外選手で注目したいのはアメリカ合衆国のネイサン・チェンだ。前回の平昌五輪では、ショートでまさかのミスで17位。フリーで挽回したものの5位で大会を終えた。4年前のリベンジを果たしたい気持ちは誰よりも強いはずだ。
ネイサン・チェンの強みは4回転ルッツ、4回転フリップを含む多種類の4回転ジャンプを構成に入れられることや、安定した演技にある。平昌五輪以降は国際大会で連勝を続け、3年以上負けなしという驚異的な強さを見せた。
今シーズンのグランプリシリーズ・アメリカ大会では珍しくジャンプで転倒し、優勝を逃したが、シーズンが進むにつれ徐々に調子を戻し、全米選手権で6連覇を達成した。
ジャンプばかりが取り上げられがちだが、幼少期にバレエを習っていた経験もあり、表現力においても高い評価を受ける。今シーズン途中でプログラムをショート、フリー共に2シーズン前の曲に変更し、北京五輪に臨む。
◆ヴィンセント・ジョウ:安定感を見せる演技で表彰台を狙う
シーズン序盤から安定感を見せるのはヴィンセント・ジョウ(米国)だ。グランプリシリーズ・アメリカ大会で表彰台の頂点に立つと、NHK杯でも2位で表彰台に上り、鍵山・宇野に続く3位でグランプリファイナル進出を決めていた。
練習拠点はアメリカだが、濱田美栄氏に師事を受けており、シーズンを重ねるごとに表現力にも円熟味が感じられるようになった。フリーでは5本の4回転ジャンプを構成に入れており、すべて成功させれば表彰台の可能性も見えてくる。
前回の平昌五輪では最終グループ6選手のうち、4選手がフリーで100点を超えた。今大会も100点が大きなラインとなってくる。4回転を4〜5本組み込む選手が増え、ジャンプの成功率によって順位も大きく変動するだろう。いかにミスを少なくするかが勝負のカギとなってくる。そして、4回転ジャンプだけでなく、総合力の高さが求められる。
男子シングルは、2月8日にショートプログラム、10日にフリースケーティングが行われる。
文=石川千早弥
◆宇野昌磨:最高難度のプログラムで連続メダルを狙う
宇野は平昌五輪で銀メダルを獲得しており、2大会連続表彰台の期待がかかる。平昌五輪の1カ月後に行われた2018年の世界選手権でも銀メダル。翌シーズンの四大陸選手権では初優勝を果たすなど、国際試合では継続して表彰台に乗ってきた。
しかし、2019-20シーズン序盤にメインコーチなしでシーズンに臨むことを表明。グランプリシリーズ・フランス大会では8位に終わった。その後、ステファン・ランビエール氏に師事することを発表し、その年の全日本選手権で4連覇を果たした。ランビエール氏に師事して2シーズン目となる北京五輪では史上最高難度のプログラムに挑む。
ショートプログラムは宮本賢二氏の振付による「オーボエ協奏曲」。フリースケーティングの曲は「ボレロ」で、ランビエール氏の振付だ。フリーでは5本の4回転ジャンプを構成に入れている。ジャンプだけでなく、ラストの気迫が感じられるステップはまさに圧巻。これだけ多くの4回転ジャンプを入れると体力の消耗も激しく、リスクも伴う。しかし、宇野は攻めの姿勢で2度目の五輪に臨む。
◆鍵山優真:さらに進化して挑む初の五輪
代表の3枠目を勝ち取ったのは鍵山優真だ。3枠目といっても、昨シーズンの世界選手権で銀メダル、今シーズンのグランプリシリーズでは、イタリア大会とフランス大会で2連勝と、しっかりと結果を残している。さらに代表選考時点での世界ランキングも1位(現在は2位)となるなど、着実に世界のトップ選手へと駆け上がっている。北京五輪ではメダルの可能性も十分にありえる存在だ。
鍵山の持ち味は美しいスケーティング。シニア2シーズン目を迎え、そのスケーティング技術はさらに磨きがかかっている。ショートは「When You're Smiling」、フリーは「映画『グラディエーター』より」で、どちらもローリー・ニコル氏の振付だ。
ニコル氏に細かな演技指導を受け、表現力の面でも向上に努めている。全日本選手権のフリーでは4回転ジャンプを3本組み込んだが、現在は4回転ループを構成に入れるまでに手応えを感じているという。構成に入れることになれば、ジャンプの基礎点合計も大幅アップが望める。全日本選手権後もさらに成長している鍵山が、北京五輪という大舞台に挑む。
◆ネイサン・チェン:4年前のリベンジを誓う
海外選手で注目したいのはアメリカ合衆国のネイサン・チェンだ。前回の平昌五輪では、ショートでまさかのミスで17位。フリーで挽回したものの5位で大会を終えた。4年前のリベンジを果たしたい気持ちは誰よりも強いはずだ。
ネイサン・チェンの強みは4回転ルッツ、4回転フリップを含む多種類の4回転ジャンプを構成に入れられることや、安定した演技にある。平昌五輪以降は国際大会で連勝を続け、3年以上負けなしという驚異的な強さを見せた。
今シーズンのグランプリシリーズ・アメリカ大会では珍しくジャンプで転倒し、優勝を逃したが、シーズンが進むにつれ徐々に調子を戻し、全米選手権で6連覇を達成した。
ジャンプばかりが取り上げられがちだが、幼少期にバレエを習っていた経験もあり、表現力においても高い評価を受ける。今シーズン途中でプログラムをショート、フリー共に2シーズン前の曲に変更し、北京五輪に臨む。
◆ヴィンセント・ジョウ:安定感を見せる演技で表彰台を狙う
シーズン序盤から安定感を見せるのはヴィンセント・ジョウ(米国)だ。グランプリシリーズ・アメリカ大会で表彰台の頂点に立つと、NHK杯でも2位で表彰台に上り、鍵山・宇野に続く3位でグランプリファイナル進出を決めていた。
練習拠点はアメリカだが、濱田美栄氏に師事を受けており、シーズンを重ねるごとに表現力にも円熟味が感じられるようになった。フリーでは5本の4回転ジャンプを構成に入れており、すべて成功させれば表彰台の可能性も見えてくる。
前回の平昌五輪では最終グループ6選手のうち、4選手がフリーで100点を超えた。今大会も100点が大きなラインとなってくる。4回転を4〜5本組み込む選手が増え、ジャンプの成功率によって順位も大きく変動するだろう。いかにミスを少なくするかが勝負のカギとなってくる。そして、4回転ジャンプだけでなく、総合力の高さが求められる。
男子シングルは、2月8日にショートプログラム、10日にフリースケーティングが行われる。
文=石川千早弥
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