早大バレー部 全日本大学選手権直前特集『DO THE BEST』第1回 上條レイモンド×仲濱陽介

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【早稲田スポーツ新聞会】

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 第1回目の今日は上條レイモンド(スポ4=千葉・習志野)と仲濱陽介(スポ4=愛知・星城)の4年生コンビ。関東大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)では途中出場し、チームの流れを変える場面が多く見られた。秋季リーグ戦の振り返りとともに、今大会に向けたお話も伺った。
※この取材は11月12日に行われたものです。

「ミャンマーで開催されたU19で…」

他己紹介をする仲濱 【早稲田スポーツ新聞会】

――お互いの紹介をお願いします

上條 仲濱陽介です。ポジションはセッターですね。高校の頃からお互いに知っていて、いろいろな代表合宿でも一緒になったりしていました。すごく明るい性格でみんなをつないで輪を作る役割をしていて、とてもいい性格だなと思っています。

仲濱 上條レイモンドです。ポジションはミドルブロッカーです。見た目がすごくクールな感じですが、普段喋るとすごく面白くて一言一言が僕の中でツボなので(笑)、よく笑ってしまいます。それから趣味がゲームで外出するというよりかは、一人で家にいたり、ゲーム仲間と楽しく過ごしたりしているなと思います。

――U19にお二人が選ばれていた時(第11回アジアユース男子選手権大会)のお二人のエピソードをお聞きしたいです 

上條 二人のエピソードですか。なんというかあの大会はきつい思い出しか出てこなくて(笑)。そんなに和気あいあいとしたわちゃわちゃした大会ではなかったので。

仲濱 なんか外で走ったよね。

上條 そうだね。自分らが空き日とかによく外で走っいたのですが、(開催地が)ミャンマーだったんです。その時の外の気温が40度近くて、その中で走らされてみんなヘロヘロになりました(笑)。そんな感じで走って、その後に少しトレーニングしてっていうので、すごいきつかったなっていうエピソードはあります。

仲濱 風もないところでサウナみたいな環境で走らされて、苦しかったです。

上條 そうなんですよ(笑)。

一同 (笑)。

上條 最後優勝はしたけど、それまで苦しかった思い出しかないですね。

――上條選手はよくゲームをして部屋にいることが多いそうですが、プライベートでお二人でどこかに出かけたりされますか

上條 プライベートはないですね。陽介は結構アウトドアなのでよくいろんな計画を立てていろんなところに行っていて、自分はそれを一歩離れて聞いています(笑)。

仲濱 仲はいいですよ(笑)。

一同 (笑)。

上條 やっぱり自分が生粋のインドアなので、休日になると外に出るのが少し億劫になるというか、ちょっと休みは中に居たいです(笑)。計画とか前もって立っていれば全然行くんですけど、特に二人でどこかに行くことはないですね。同期ではいろいろご飯とか行きました。

――仲濱選手は例えばどんな計画を立てて行くのですか

仲濱 例えばディズニーとか、冬はスノボとかスキーにはチームの何人かと行っていますね。オフがあったら(上條とは逆に)家にいるのが僕は嫌で、時間を無駄にしたくないので外に遊びに行ったりとか、バイトしたりしています。

――お二人は同じゼミに入っているそうですが、今はどのような勉強をされていますか

上條 今はもう完全に卒論の時期です。今まで動作研究や自分で動画を編集して作ったりしてきて、スポーツ科学という動きの部分でいろいろ学んできたので、(それを基に)スポーツ科学だけには限らないですが、各自がいろいろな分野で卒論を書くっていうかたちでやっていますね。

――今卒論の話が出ましたが、卒論ではどんなものを書く予定ですか

上條 簡単に言うと、自分のポジションであるミドルブロッカーが試合に与える影響について勉強していて、特に勝率の変化に注目した卒論を書こうと思っています。

仲濱 僕はバレーボール選手の栄養摂取状況と慢性障害の関係についてやっています。理由としてはまず今チームの中で栄養管理ユニットというユニットのリーダーを務めていて、その中で選手の栄養の正しい知識や食事の偏りに問題意識を感じています。あとはチームの中でけが人が多いこともあって、食事と慢性障害がけがの部分で何か関係するのではないかと思って研究しています。

「セッターは孤独。だからこそ声かけ」(仲濱)

――上條さんはミドルで仲濱さんはセッターを務めていますが、それぞれのポジションの面白いところを教えてください

上條 ミドルブロッカーの面白いところは…なんでしょうね(笑)。

一同 (笑)。

上條 攻撃もそうですが、前衛にいる守備の中心というところが一つあって、その中で相手のスパイクに対する指示や、守り方を任されているポジションなので、戦術がハマった時はすごくうれしさや達成感を感じられると思います。

仲濱 やっぱり一番はチームの要というか、起点となるポジションなのですごく難しいのですが、攻撃を組み立てたり仲間に指示を出して周りを動かしたり、相手と駆け引きをしてゲームを展開していくというのがセッターの醍醐味だと思っています。

――秋季リーグ戦において、お二人は途中出場で流れを変えるという役割が与えられたと思いますが、プレーにおいて意識していることはありますか

上條 秋リーグに関しては、自分はチームの流れが良くない状態で投入されることが多かったので、その分自分が攻撃面で引っ張ってチームの流れを良くしようという気持ちでコートに入っています。それでもう一度チームの士気を上げるという役割だと思ってやっていました。

仲濱 セッターということもあって、佐藤玲(社3=東京・早実)がスタートから出ているのですが、レイモンドが言ったように自分もチームの流れが悪い時に出ます。コートの外からしか見えないこともあると思うので、自分が出たらここを変えてみようと考えながら控えで待っています。出番があったら、玲とは違う部分がないと相手にとって変化はないので、自分たちのプレーを少しずつ変えていけるように意識しています。

――佐藤選手と仲濱選手の違う部分、自分にしかない良さは何だと思いますか

仲濱 そうですね…。周りから見てどうなのか分かりませんが、自分のトスをアタッカーに打ってもらいたい、打っていただくという立場にあるとずっと思っているので、それだけ丁寧なトスを上げています。アタッカーがミスをしてしまったら自分の責任だと常に考えているので、一球一球責任を持って丁寧に上げることは武器というか、そこだけはぶらしたくないです。玲が丁寧じゃないということではなくて。

――佐藤選手をよく気にかけていらっしゃるように見えますが、どんなことを話されているのですか

仲濱 セッターというポジションは、アタッカーとかと違って一人というか孤立しがちなので、落ち着かせてあげるというか。もちろん戦術的な部分で相手の状況を話すこともありますけど、それ以上に「大丈夫だよ、落ち着いて」という些細な言葉がけって、自分が出ていても落ち着くので。3年生という立場で出ていてすごく責任を感じていると思うので、そういう言葉がけを普段からしていますね。玲から話しかけてくれますし、僕もチームを託すじゃないですけど、活躍してもらいたいので、そういう部分で声かけをしているつもりです。

振り返りとこれからに向けて

秋季リーグ戦を振り返る上條 【早稲田スポーツ新聞会】

――秋季リーグ戦についてご自身のプレーを振り返っていただきたいです

上條 自分的には満足とは言えない部分があります。自分のプレーもですが、チームに貢献できたかという部分が少し足りていないなと。最後、4年生という立場でいろいろな関わり方があると思いますが、プレーもメンタル面ももう少しできたんじゃないかなというのが見えたリーグ戦だったと思います。結果もそうですが、切り替えて前に進もうと思っています。

――見えてきた課題をどう改善して全日本インカレに臨みたいですか

上條 今自分はベンチから出ているのもありますし、もう一回スタートで出て、チームの流れを常にいい流れで保ちながらプレーしたいと思っています。それには、もっとチームへの声かけや貢献するという気持ちが必要ですし、全日本インカレに向けてそこはやらなきゃいけない部分だと思っています。

――仲濱選手はいかがですか

仲濱 僕もレイモンドと同じで、秋リーグを通して正直合格点はあげられないようなプレーだったと思っています。自分自身まだまだ自信を持てていない部分が正直あって、春のオープン戦(春季関東大学オープン戦)から比べると大丈夫と思えるくらい自信がついたところはありますが、達宣(大塚、スポ3=京都・洛南)が帰ってきて、新しい攻撃のパターンが増えてくる中で、コミュニケーション不足とか、かみ合わないところがいくつもあって、そこはまだまだ詰められる部分があったかなというリーグ戦でした。

――セッターとスパイカーのコンビが課題と松井監督(泰二、平3人卒=千葉・八千代)がおっしゃっていましたが、そこは今改善されていますか

仲濱  リーグ戦が終わってオフを挟んで、チームでやるべきことや課題を明確にしました。その中でもクイックとバックアタックは早稲田の攻撃の中心となるので、練習の中で一本一本「今のどうだった?」とセッターとスパイカー相互のコミュニケーションを心がけることにしました。最近の練習ではそれが活発に行われているので、全日本インカレではコンビが合ってくると思います。

――さらにレベルの高いプレーが見られるということですかね

仲濱  期待してもらっても大丈夫だと思います。

――期待しますね

一同 (笑)。

――お二人はベンチとコートどちらにもいた立場だと思いますが、そのポジションにいたからこそ気づくことができた課題はありますか

上條  ベンチにいたからこそ見えた課題もあると思いますし、自分自身気づけたことがありました。それを試合中のタイムアウトで、選手が戻ったときに伝えてチームで共有できたことが自分の中での収穫でした。スパイカーとセッターとのコンビネーションなど、チームの中の課題が改善されつつあるので、もう一度全日本インカレに向けて全員がやっていこうという意識で練習しています。

――ちなみにベンチにいたからこそわかった課題というのは、具体的に何でしたか

上條  例えば、相手に対して早稲田が事前にブロックの位置など、こういう守り方でいこうと決まるのですが、ベンチから見ていてそれができていないなというのがわかるので、それをもう一度伝えて徹底させるというのが一つの仕事みたいな感じです。

仲濱  外から見ていて感じたのは、流れが悪くなったときに雰囲気を変えるというか、チームを締めるキーパーソンがまだ定まっていないことです。3年生が多くコートに入ってくれていて、プレーですごく引っ張ってくれているのですが、まだまだ僕たち4年生がチームを締められるような立ち振る舞いが足りなかったことがあります。全日本インカレに向けて、僕たちがもっと積極的にチームに入っていって、キーパーソンになれるようにしていきたいです。

――秋リーグを通して自分の良かったプレーや良かった点はありますか

上條 チームが悪い状況になったときに出場させてもらって、チームの流れを変えて試合に勝てたということは、自分が秋リーグで成功したことだと思っています。それをベンチから入るときだけでなく、スタートからできなくてはいけないというのが課題の一つです。

仲濱  僕が一番ピンときたのが、2セット目序盤の途中から出場した中大戦です。僕のプレーが良かったかというとそんなに良くはなかったのですが、流れを変えるという自分の中で決めていた目標が達成できたなと感じる試合でした。課題は多く残る試合でしたが、勝利というかたちで結果に表れてくれたのでそこはよかったと思います。

――佐藤選手が1セット目出場して、2〜4セット目は仲濱選手が出場されていました。あの場面で空気を変えようと出て、自分の力が発揮できた試合でしたか

仲濱  発揮できたんですかね…?

上條  できていたよ。

仲濱  できたらしいです(笑)

――全日本インカレに向けてお二人が力を入れて取り組んでいることがあれば教えてください

上條  全日本インカレまであと1カ月で自分自身の学生バレーも終わるということで、秋リーグで見えてきた課題を全力で取り組んでいる段階ですね。具体的には選手一人一人に対する声かけとか、プレー面だと士気を上げるプレーをこれからも徹底してやっていきたいと思っています。

仲濱  悔いを残さず、全部出し切ることだと思います。僕は13年間バレーボールを続けてきましたが、大学生でいったんバレーボール選手としては終わりになります。あと本当に30日もないくらいで自分のバレー人生が終わることになるので、本当にすべてのバレー人生を懸けるくらいの思いで日々の練習や試合に臨んでいきたいです。松井先生が「結果にこだわらないで」とおっしゃっていたと思いますが、やっぱり最後は勝って終わりたいなという強い気持ちでいます。

――ちなみに社会人になってからバレーを続ける気持ちはありますか

仲濱  今のところあまり考えてないのですが、バレーボールから離れたらやりたくなるかもしれないので、そしたらその時にまた考えます。どういうかたちになるかは分かりませんが、地域のクラブチームに入るのか、同じような気持ちでいる仲間を集めてチームを作るだとか、何かしらのかたちでバレーボールに携わりたいなと思っています。

――最後に、全日本インカレに向けての意気込みをお願いします

上條  自分も集大成として自分の出せるものを全て出して、終われたら結果は後からついてくるものだと思うので。悔いのないようにやり切りたいと思っています。頑張ります!

仲濱  全てを出して、優勝したいと思います。それだけです。

――ありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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