「三菱地所 JCL プロロードレースツアー2021」 第 9 戦大田原ロードレースは阿曽圭佑が優勝 個人総合優勝は山本大喜に確定

ジャパンサイクルリーグ
チーム・協会

【JCL】

一般社団法人ジャパンサイクルリーグ(以下「JCL」という)が主催する自転車ロードレース「三菱地所 JCL プロロードレースツアー2021」、その第 9 戦となる「大田原ロードレース」が 11 月 6 日(土)、大田原市湯津上支所特設をスタート・フィニッシュとする周回コースにて開催されました。7.74km の丘陵地帯の周回路を 15 周する、116.1km で行われたレースは、7 人よる集団スプリントとなり、最後はヴィクトワール広島の阿曽圭佑が優勝となりました。
年間ランキングでは、この日 13 位でフィニッシュした山本大喜(キナンサイクリングチーム)が首位を守り、個人総合優勝を確定させました。
大会は新型コロナウイルス感染拡大防止を呼び掛けながらの有観戦とし、約 300 人が来場するなか行われ、YouTube にてライブ配信も実施されました。栃木での JCL は連戦となり、11 月 7 日(日)にはシリーズ最終戦となる那須クリテリウムが開催されます。新型コロナウイルス感染拡大防止策を呼びかけながらの観戦を予定、さらに YouTube でライブ配信が行われます。ぜひ、この機会に自転車競技ロードレースの魅力を体感していただけれ
ばと考えています。

以下、本大会の模様をまとめたレポートになります。

【JCL】

阿曽圭佑が移籍後初優勝 ヴィクトワール広島に JCL 初勝利をもたらす

国内サイクルロードレースのプロリーグ、三菱地所 JCL プロロードレースツアーは 11 月 6 日、第 9戦となる「大田原ロードレース」が栃木県大田原市にて開催され、7 人の先頭集団のゴールスプリントを制した阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)が優勝し、チームに今シーズン初勝利をもたらした。年間ランキング争いでは個人ランキングで山本大喜(キナンサイクリングチーム)が首位を守り、総合優勝を確定させた。

7 人の強力な逃げが先行

3 月より始まった JCL のシーズンも、いよいよ残すところあと 2 戦。コースは大田原市湯津上支所を発着点に、田園地帯を走る 7.74km の特設周回コースが用意された。平坦中心で上り区間は少ないが、狭い農道も組み込まれ、スピードが上がると厳しいレースになりうるコースだ。

【JCL】

15 周回 116.1km のレースは、大田原市の津久井富雄市長の号砲で、正午にスタート。序盤のアタック合戦から 2 周目に、早くも 7 人の逃げ集団が形成された。

【JCL】

7 人の逃げメンバーは、個人ランキング首位の証であるイエロージャージを着る山本大喜(キナンサイクリングチーム)をはじめ、同じくキナンサイクリングチームの花田聖誠、スパークルおおいたレーシングチームから孫崎大樹、宮崎泰史の 2 人、さらに佐野淳哉(レバンテフジ静岡)、石原悠希(チー
ム右京相模原)、本多晴飛(VC 福岡)が入った。
逃げに選手を送り込めなかった地元栃木勢、宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンは、この逃げを潰しにかかるが、強力な 7 人はメイン集団の追走を振り切り、タイム差を 1 分以上にまで開いていった。

後半に逃げが吸収、精鋭の先頭集団が形成

中盤に入っても協調して逃げ続ける先頭 7 人に対し、追うメイン集団は、逃げに送り込めなかった各チームが選手を出して、何とかペースを保ち続ける状況。追走のアシスト選手が 1 人、また 1 人と力尽きて脱落していく姿も見られた。

7 人の逃げを追走するメイン集団 【JCL】

追走のけん引に増田成幸(宇都宮ブリッツェン)も加わる 【JCL】

静かな綱引きの情勢に変化が現れたのは、レースが半分を過ぎようというころ。逃げ集団で消耗した選手が出始めたことで、先頭のペースが徐々に落ちてしまう。一方のメイン集団は谷順成(那須ブラーゼン)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)といったエース級の選手も追走に加わり、一気にペースを上げてタイム差を削りにかかった。

メイン集団がついに逃げを捕まえる 【JCL】

結果、11 周目の途中でメイン集団が、逃げを吸収。集団は 1 つになり、レースは残り 3 分の 1 で振りだしへと戻った。
カウンターアタックで動いてきたのは、今シーズンまだ勝利の無いチーム右京相模原。小石祐馬が単独で抜け出すと、ここに U23 賞のホワイトジャージを着る宇賀隆貴が合流し、一時はチーム右京2 人が先行するなど、勝利への執念を見せる。

アタックで先行する、チーム右京相模原の小石祐馬、宇賀隆貴 【JCL】

アタックと吸収が繰り返される中で、20 人程度まで人数を減らしていた集団は、残り 4 周で大きく 2 つに分断された。9 人が先行する一方で、個人ランキングを争う首位の山本大喜と同 2 位の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)は後方の集団。小野寺のランキング逆転には、この日 2 位以上が最低条件となっており、この瞬間、山本の年間ランキングトップがほぼ確定した。

終盤も激戦、7 人のスプリントに

先頭 9 人は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、小石祐馬と宇賀隆貴(チーム右京相模原)、山本元喜と新城雄大(キナンサイクリングチーム)、渡邊諒馬(ヴィクトワール広島)、阿部航大(さいたまディレーブ)、小野寛斗(スパークルおおいたレーシングチーム)、西尾憲人(那須ブラーゼン)というメンバー。ここにさらにトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)の 2 人が合流し、残り 3 周で先頭は 11 人となった。

最終的に絞られて先頭集団 【JCL】

11 人の先行が決定的になると、残り 2 周からは先頭集団内でのアタック合戦が開始。ルバや小石らが仕掛ける中で、まず小野が脱落。最終周回に入って渡邊、新城、そして阿部も脱落し、7 人の先頭集団でのゴールスプリントになった。

上りで小石祐馬(チーム右京相模原)がアタック 【JCL】

最終コーナーで先頭に立ったのはルバ。2 番手に阿曽が付ける。緩やかに上りながらのホームストレートで、最初に仕掛けたのは増田だった。後方から一気の加速で先頭に出る増田に西尾が付き、さらに阿曽もスプリントを開始する。ゴール前はこの 3 人の競り合いになったが、好位置からうまく合わせた阿曽が先頭でフィニッシュラインに飛び込み、雄叫びを上げながら右拳を突き上げた。

【JCL】

ゴール後、ヴィクトワールの「V」ポーズをする阿曽圭佑 【JCL】

阿曽はヴィクトワール広島に今季移籍加入。実績豊富なエースとして結果を期待される一方、若い選手の多いチームのコーチ的役割もこなしながら、チーム全体の実力と意識を高めてきた。この日は強力な逃げを追うところからチーム一丸で動き、最後はエースとしての責任を果たして、チームに 2 年ぶりの勝利をもたらすとともに、自身も国内トップリーグで初勝利となった。

優勝した阿曽圭佑を囲むチームメート 【JCL】

優勝した阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)

今シーズン、チームは若手が多いなか、自分がベテランで引っ張っていかないといけないなか、チームメンバーが最初から協力してくれて、自分のために動いたりしてくれ、それに報いる結果ができました。ファイナルラップでは、まわりは名のある選手ばかりで、いつ飛び出して独走されてもおかしくないという展開でした。自分はまわりの動きをチェックしながら、スプリント力には自信があったので、最後まで集団に残れば勝てると思っていました。僕はチームのためにも、自分のために
も勝たなきゃいけないという気持ちで、今日は最後まで全開で踏み切りました。

2 位 西尾憲人(那須ブラーゼン)

ホームレースだったので優勝だけを目指してきたので、2 位という結果は悔しいです。力及ばずで、チームにホント申し訳ないというのと、自分自身も悔しいという思いです。前半からチームのみんながけん引してくれたり、アタックを捌いてくれたり、今日は僕で勝負すると託された瞬間、「最後どうやって勝つか」だけを考えて走りました。ホントみんなに感謝しかないです。

3 位 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)

うちのチームはやれることやって、最後、僕が優勝できればよかったですが、力不足でした。逃げが決まったあと、キナン(サイクリングチーム)は 3 人いたので攻撃を仕掛けてきました。それに自分が1 人しかいなかったので、それに対応しないといけないといけなかった。うまく脚を残せていた 1位(阿曽圭佑のヴィクトワール広島)と 2 位(西尾憲人の那須ブラーゼン)のチームはうまく立ち回れていたと思います。最終戦は地元の選手ということで、駅前のクリテリウムを盛り上げられるように、勝って終えられればと思います。

(左から)2 位の西尾憲人、優勝の阿曽圭佑、3 位の増田成幸 【JCL】

【リザルト】

大田原ロードレース 116.1km 平均速度 42.68km/h
1 位 阿曽圭佑(ヴィクトワール広島) 2:40'23"
2 位 西尾憲人(那須ブラーゼン)st
3 位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)st
4 位 山本元喜(キナンサイクリングチーム)+0'01"
5 位 宇賀隆貴(チーム右京相模原)+0'01"
6 位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)+0'07"
7 位 小石祐馬(チーム右京相模原)+0'08"
8 位 阿部航大(さいたまディレーブ)+0'29"
9 位 新城雄大(キナンサイクリングチーム)+1'18"
10 位 渡邊諒馬(ヴィクトワール広島)+2'37"

JCL 各賞リーダージャージ表彰

(左から)レッドジャージの山本元喜、イエロージャージの山本大喜、ブルージャージの小野寺玲、ホワイトジャージの宇賀隆貴 【JCL】

イエロージャージ(個人ランキングトップ)
山本大喜 キナンサイクリングチーム

ブルージャージ(スプリント賞)
小野寺玲 宇都宮ブリッツェン

レッドジャージ(山岳賞)
山本元喜 キナンサイクリングチーム

ホワイトジャージ(新人賞)
宇賀隆貴 チーム右京 相模原

【JCL】

イエロージャージを確定させた山本大喜コメント

ここまでイエロージャージを守ることができて、今日のレースでイエロージャージを確定できました。
明日はチームとしてジャージを意識せずに積極的に攻撃していければと思います。

地元特別表彰

敢闘賞 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
スプリント賞 孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム)、山本大喜(キナンサイクリングチー
ム)

大会概要

タイトル:第 9 戦大田原ロードレース
開催日:2021 年 11 月 6 日(土)
開催地:大田原市湯津上 5-1081
大田原市湯津上支所周辺特設会場及びコース
7.74km×15 周回=116.1km
ツアー主催:一般社団法人ジャパンサイクルリーグ
ツアー運営:株式会社ジャパンサイクルリーグ
ツアー後援:国土交通省、経済産業省、スポーツ庁
大会主催:大田原ロードレース大会実行委員会
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著者プロフィール

ジャパンサイクルリーグは、2021シーズンより「自転車を通じた地方活性化促進」を合言葉に、日本サイクルロードレースの新たな歴史を作るべく、地域密着型チームが一枚岩となり構成された、国内で新たにスタートとしたサイクルロードレースリーグ(名称:JCL)です。JCLは、地方創生をキーワードにサイクルロードレースで地域活性化を進めていきます。「日本のロードレースを変える、世界へ挑戦する」を最大のミッションとし日本ロードレース界発展のため、プロ選手、プロ的興行を作り上げ、世界へ挑戦しうる環境を作り上げていきます!

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