福岡ソフトバンク・長谷川勇也引退セレモニー全文「プロ野球生活15年間は、多くの方々に支えられ、順風満帆の野球人生でした」

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 10月21日、PayPayドームで行われた福岡ソフトバンク対北海道日本ハムの一戦。7回裏の1死2塁の場面で、今季限りでの引退を表明している長谷川勇也選手が代打で出場した。結果は内野ゴロに倒れたものの、全力疾走で一塁にヘッドスライディング。気迫溢れるプレーに対し、ファンからは割れんばかりの拍手が送られた。

 試合終了後に開催された引退セレモニーでは、長谷川選手のプロ15年を振り返る映像が映し出された他、王貞治会長らによる花束の贈呈が行われ、場内は温かい拍手と涙に包まれた。

以下、引退セレモニーでのコメント全文。

「まずはじめに、今日この場を用意してくださった球団の方々、準備のために尽力してくださった全ての方々に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 そして、クライマックスシリーズを争う中、まだ順位も確定していない中で、登録していただき打席に立たせてもらいました。それを許してくださった球団の方々、監督、コーチ、そして選手の皆さん、本当にありがとうございました。

 プロに入って15年。若い時の自分を想うと、ここまで長くできるとは思っていませんでした。それも王(貞治)監督、秋山(幸二)監督、工藤(公康)監督、コーチの方々の指導のおかげだと思っています。ありがとうございました。

 そして、支えてくださったチームスタッフ、トレーナーの方々、用具メーカーの方々、身体のケアをしてくださった先生方、手術をしていだいた先生、関わっていただいたすべての方々の支えがなければ、15年やってくることができなかったと思います。

 そして何より、一番近くで支えてくれた家族。(言葉に詰まる)妻には、気を遣わせることも多く、子どもたちにも我慢させることが多く、本当に助けてもらいました。野球に打ち込ませてくれて、野球に集中させてくれて、本当にありがとう。

 こうして、多くの方々に支えられ、やってきた現役生活も今日で終わりです。悔いはありません。一生懸命やりました。バットもたくさん振りました。今日の最後の打席も、自分らしく終われました。伊藤(大海)投手、本当にありがとうございました。

 なかなか、思い通りにいかないことが多かった現役生活でしたけれども、そこから逃げずにしっかりやってきてこれたことは自信をもって言えます。そんな自分を応援してくださったファンのみなさま、15年間本当に応援ありがとうございました。

 自分は、ファンサービスや派手なパフォーマンスも得意ではありませんでした。にもかかわらず、打席に立つ際には大きな声援をいただいたり、ときには、今日のようにアウトになったときでさえ、大きな拍手をいただきました。本当にありがとうございました。みなさんの声援に、普段の努力や一生懸命やる姿というのを感じてもらって、認めてもらっていると思っていました。それに喜びを感じ、さらに野球に向き合って努力していく力にもなりました。本当にありがとうございました。

 最後になりますが、怪我も多く、山あり谷ありの野球人生でしたが、山も越え、谷も越え、やってきたその先に、こんなにも素晴らしい舞台、場所があるとは思っていませんでした。多くの方々に見守られ、ファンにも見守っていただき、引退することができ、本当に諦めずに頑張ってきて良かったと思います。

 会見では、順風満帆な野球人生ではなかったと言いましたが、今日一日を通して考えが変わりました。訂正します。

 長谷川勇也のプロ野球生活15年間は、多くの方々に支えられ、順風満帆の野球人生でした。ファンのみなさま、支えてくださった全ての方々、15年間、本当にありがとうございました」

 2006年のドラフト5位で福岡ソフトバンクに入団。3年目の2009年には143試合に出場し、打率.312、159安打の好成績を残すと、2013年は打率.341、198安打をマークし、首位打者と最多安打のタイトルを獲得した。今季は主に代打の切り札として出場し、ここ一番の場面で勝負強さを発揮。2021年10月8日に、今季限りでユニフォームを脱ぐことを発表した。

15年通算成績:1233試合1108安打76本塁打434打点、打率.288

文・高橋優奈
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