【フットサル日本代表/WEB取材】星龍太の小さい頃からの夢、“兄弟でW杯出場”まであと1カ月半。「一緒に日本を背負えることは特別」

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チーム・協会

【高橋学】

ワールドカップ本大会の開幕まで、あと1カ月半。Fリーグは中断期間に入り、日本代表は現在、千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドで行われているトレーニングキャンプを含め、国内合宿、スペイン・ポルトガル遠征を経て、一気に“W杯モード”へと入っていく。

そのメンバー入りをかけた“最後の戦い”を迎えているのが星龍太だ。名古屋オーシャンズのキャプテンとして日本フットサルをけん引してきた星龍太だが、代表では、ポジションを確約された選手ではない。しかしながら、クラブ選手権など、アジアを舞台にしのぎを削って来たキャリアとリーダーシップは、ブルーノ・ジャパンにおいて重要なピースとなることは間違いないだろう。

星翔太と共にメンバー入りすれば、史上初の“兄弟でW杯出場”を果たすことになる。「小さい頃からの夢だった」。兄と立つ悲願の舞台への想いとは。26日の午前練習を終えた星龍太に、オンライン取材で話を聞いた。

入るにしろ落ちるにしろ、同じ気持ちで戦っていく

──ここまでトレーニングしてきて、個人として、チームとしていかがですか?

最初の4日を1巡目として、みんなのコンディションを上げる目的のところがひと段落しました。今日からはゲーム形式でディティールにも取り組んでいるなかで、フィジカルを上げているところなのでキツイですが、雰囲気もいいですし、いい方向に進んでいると思います。僕自身は、ケガも抱えているので波はありますが、最低限のところはできているかなと思います。

──大会が迫ってきているなかで心境の変化はありますか?

まだメンバーが確定していないですし、どの選手も、いつ自分が出てもいいという準備をしています。僕自身もそこまで、特別な舞台に立つというほどの心境ではなく、今やっていることがW杯のメンバーや試合につながると思っているので、気持ちがすごく上がっているとか、1回戦のことを考えているということはなく、1歩1歩、代表のスタンスを踏みしめている感じです。

──星翔太選手と共にメンバーに入れば、兄弟でのW杯出場となります。そこにどんな想いがありますか? ご家族からは何か言われていますか?

自分は、兄弟でのW杯を小さい頃から夢見ていました。もともと、それはサッカーでの夢でしたが、こうしてフットサルで日本を背負っていくことも、本当に夢に描いていたこと。それが実現することはすごくうれしいです。親は特に喜んでくれていますね。奥さんは「なるようにしかならないし頑張れ」と。(兄弟でメンバーに選ばれていることで)他の選手とは少し違う思いを抱えていると思いますし、一緒に日本を背負えることは特別です。

──25日のセッションでは、兄の翔太選手と準備していた。どんな話を?

覚えていないですね(笑)。プレーの話ですかね。午前中のセッションの前には毎回ビデオミーティングがあるので、それについてのことだとは思います。ちょっと覚えていないですね。たわいもない話もあれば、プレーの詳細を話していることもあります。

──翔太選手は代表歴が長いですが、彼から学ぶことはありますか?

常に気を遣ってもらっていて、特に僕が代表にコンスタントに呼ばれ始めた2年前くらいからは、代表の意識やコンセプト、戦術も含めて、他の選手より気にかけてもらってきました。もともと、代表だから、チームだからと兄に対して意識の違いを持っていないのですが、プレーについても、オフの過ごし方についても、プロとしてのスタンスをいつも見ていますし、感じることができています。

──初戦のアンゴラも重要ですが、スペイン、パラグアイとは対戦経験もあります。スペインやパラグアイに対して、選手同士で話をしていますか?

スペインの特性やパラグアイの特性など、細かい話はまだしていません。スペイン・ポルトガル遠征で今回も事前に試合ができますから、心の準備はしています。(W杯の)優勝までは7試合あるなかで、親善試合も7試合あるので、決勝まで勝ち進むつもりでの意識づけの話をしています。

【SAL】

──パラグアイとは2020年2月にも対戦しています。星龍太選手も出場しましたし、手応えもあったと思いますが、今回の組み合わせをどのように感じていますか?

僕自身は、W杯ではないですが、カップ戦などをアジアの舞台でも戦っていますし、そうした経験からすると、何においても1試合目が大事です。それから、気持ちやコンディションの戦いとなります。どのチームが1試合目でも、2試合目、3試合目でも同じスタンスになるので、こっちのほうが良かったという意識はありません。

──国内合宿、海外遠征を経て、W杯までの1カ月半をどう過ごしていきたい?

もちろん、メンバーに入るにしろ落ちるにしろ、同じ気持ちで戦っていますし、ここからはより本戦に向けて、僕たちの中での競争だけでなく、国と国の競争になりますから、ファミリーというか、チームで一体感を持って取り組むことが国の強化にもつながると思うので、そこに注力してやっていきたいと思います。

──名古屋ではキャプテンでありまとめ役ですが、代表チームではどんな役割で、名古屋との違いは?

代表のメンバーは、年齢層はいろいろありますが、みんなリーダー感を持っていて、プレーもオフも積極的にコミュニケーションを取っています。僕は名古屋ではキャプテンですが、それと同じスタンスではなく、周りを見てちゃかしたり、いじられ役になったり、うまく雰囲気づくりできるように心がけています。

──トレーニングを終えた夜など、オリンピックを見ていますか?

そうですね。日本開催ですし、サッカーを中心に見ています。メダル獲得の情報も入っています。そういったところで、僕たちも日本を背負っていますし、頑張らないといけないなという気持ちになります。同じアスリートとしていい結果を出すことが、各競技の次にもつながるので、そこは刺激を受けながら応援しています。

──フットサルもオリンピック競技だったら……と思うことも。

もちろんそれは感じますが、今ある環境で取り組むことが大事ですから。僕たちが頑張ることで、次に変わっていく可能性もあると思っています。
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